一変
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第六章
「楽観していた!?」
「こうなるとは思っていなかった!?」
「普通にそうなるだろ」
「そんなこともわかってねえのか」
「こいつ本物の馬鹿だな」
「というかこいつもだな」
前首相、元首相に続いてというのだ。
「想定してなかったとか言うけれどな」
「それいつも言ってるだろ」
「じゃあ何想定出来るんだよ」
「何も想定出来ねえのかよ」
「もう辞めろ」
「そしてあの国の大統領天皇陛下を侮辱したぞ」
「そっちにも強く出ろ」
こちらの反論も出て来た。
「謝罪して九十億スワップして貴重品返してこれだぞ」
「親書送り返してきたんだぞ」
「これもう戦争ものだろ」
「イラクこれでアメリカと戦争になったぞ」
「もうこんな政権一日も早く潰れろ」
「交代だ、交代」
「もう我慢出来ないからな」
この声が止まらなくなって遂にだった。
首相は衆議院の解散を決めた、そうして選挙が行われたが。
現与党は惨敗し政権交代が実現した、もっと言えば政権が戻った。すると政治は瞬く間に動き好転していった。
だが元首相二人は全く反省せず自分達の過去を棚に上げた発言を続け党の要人達も同じであった。その彼等を見て。
有権者達は彼等を汚物を見る目で観つつ言った。
「本当に屑だな」
「そう言うしかないな」
「無能で反省もしない」
「日本を滅茶苦茶にしたのにな」
「あの連中がもっと政権にいたらどうなったか」
「日本冗談抜きに終わっていたぞ」
「マスコミも相変わらずだけれどな」
野党に戻った彼等にべったりの報道や記事ばかりだった。
「もうこんな連中信用するな」
「テレビも新聞も観るな」
「観たら本当に馬鹿になる」
多くの有権者がこのことを確信する様になった、だがそれでもまだマスコミしか信じない者もいるがかなり減っていた。
高齢者にそうした人は多かったが高齢者なので世を去っていた、そして痛い目に遭ってわかった人も多かったのだ。
「布留達とか酉肥とか信用するな」
「玉河もだ」
「こんな連中の言うこと聞いてたら本当に間違える」
「確かに日本は一変したよ」
彼等の言う通りにというのだ。
「けれどよく変わったんじゃなかったな」
「悪く変わったよ」
「いいことなんて何もなかった」
「一つもなかった」
「無能で人格も最低な奴が政治やったらどうなるか」
「本当に国が潰れる」
「誰がなっても同じって言葉もあるけれどな」
首相だの政治家だのはだ。
「それも違うな」
「どうしようもない屑がなったら国が潰れる」
「国が一変してな」
「屑は屑って見抜いて」
「そして票を入れるな」
そうすべきだとだ、有権者達は口々に言った。そして選挙の投票は相手をよく見て情報を広く仕入れて考えて入れないといけないと肝に銘じた。さもないと日本がまた『一変』してしまう様になることがわかったからこそ。
野党に戻った彼等はまだ同じことを言い同じことをやっていた、しかしもう彼等の言葉に耳を傾ける者は少なかった。日本は変わったが彼等は変わっていなかった為に。
一変 完
2019・10・16
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