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『組長と零』

作者:零那
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『再会』



組長と逢わなくなってから数年が経つ。

あの時に入れられた施設も出て、一旦は自立生活をしていた。なのにまた別の施設に入れられた。そこも出た。

今度こそもう施設に入ることはない。
入るとするなら刑務所しかないだろう。

この頃、また荒れていた。命を投げ出したかった。守るものが出来てしまうと何故か不幸が訪れる。

だから極力関わりを増やしたくはないと思っていた。

夜の世界にいると、闇の世界とも繋がる。勿論、人によるだろうけど、私はどちらかというとソッチと繋がるタイプなんだろう。

そして、組長とは違う、別の組長をまた父親と重ねてしまうことになった。

組長の代わりが組長なんて笑えるね。父親代わりが増えた。浮気性なんだろうな、きっと。

いや、根本的に他人とはズレが激しいから異常なんだろうけど。

でも言い訳をするなら、どんなときでも組長を忘れたことは無いんだ。
ただ、2人の組長の本質的な部分がが似てるのは確かだった。

そもそも似てるからこそ惹かれたんだろう。

そんな話は勿論しないけど、どこかで何気なく密かに2人を比べたりしてたのかもしれない。

この狭い街で、不思議と出くわすことはなかった。

ただ、組長と時を経て再会してしまう事件が起きた。

守りたいものや、逃げたいものがあった。それもひとつなんかじゃなかった。がんじがらめになって身動きさえとれなかった。

もう何が起きてるかさえ理解したくなかった。いっそ死ねたら楽なのに。いくつもの苦しみが重なり合った。

そして記憶が無くなって監禁されていた時、組長が拾った誠が目の前にいた。

その監禁事件の最期、組長と再会することになった。
2人で乗り越えるのは事件ばっかり。表には出ることのない事件...。


 
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