レーヴァティン
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第百四十七話 捕虜と外交その九
「用心はしておくな」
「国防は、でござるな」
「それはしておくな」
「当然のことでござるな」
「ああ、国防なくしてな」
それこそというのだ。
「政も何もないからな」
「その通りでござるな」
「だからアルプス山脈やドナウ川を守りの要にして」
自然の地形、それを使ってというのだ。
「そしてな」
「そのうえで、でござるな」
「やっていくな」
そうするというのだ。
「これからは」
「そうするでござるな」
「ああ、やがて騎士団領ともことを構えるだろうけれどな」
それでもというのだ。
「それはまだ先だからな」
「それ故に」
「ああ、今は守りに専念するな」
騎士団領に対してはというのだ。
「そうするな」
「それがいいわね、少なくともあれもこれもとね」
留奈が言ってきた。
「攻めるとね」
「駄目に決まってるよな」
「そう、もうそんなことしたら」
それこそというのだ。
「どんな国でも滅びるわよ」
「そうだよな」
「だからあんたの戦略は間違ってないわ」
「敵を搾るそれはか」
「いつも敵は一つにしてるわね」
「それでな」
そのうえでというのだ。
「その敵と全力で戦う」
「今もそうしてるし」
「ああ、これからもな」
「そうしていくわね」
「敵を多く抱えると個人でも厄介だろ」
「それだけでね」
「その連中が手を結んだりすればな」
その時はというと。
「ピンチになるしな」
「そして国としても」
「同じだからな」
それでというのだ。
「敵は本当にな」
「一つにして」
「その敵と全力で戦ってな」
そうしてというのだ。
「倒すんだよ」
「そうした戦略ね」
「ああ、本当に複数の敵を抱えることはな」
「出来るだけ避けて」
「それで一つの敵を攻めてな」
「若し他に敵が出来ても」
それでもというのだ。
「その敵は攻めずにな」
「そうしてよね」
「後で攻めるんだよ」
こう留奈に話した。
「攻める時が来ればな」
「正しい戦略ね」
「本当にそこを間違えるとな」
「滅びるわね」
「かなりの国力があっても複数の敵を攻めるとかな」
そうした戦略はというのだ。
「力を過剰に使ってな」
「よくないわね」
「ああ、本当に敵は絞ってな」
「その敵を攻める」
「それが正しい戦略だよ」
まさにというのだ。
「それで今もな」
「連合王国だけを攻めているのね」
「それでいよいよな」
「敵の主力も降したし」
「マドリードにも使者を送るな」
軍をアルカーサルまで進めたうえでというのだ。
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