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曇天に哭く修羅

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第二部
  裏付け

 
前書き
_〆(。。) 

 
【日英親善試合】で《レックス・ディヴァイザー》と《クリス・ネバーエンド》の婚約を賭けた戦いをすることが決まった翌日。

立華紫闇(たちばなしあん)》を含めた【龍帝学園】の一部生徒は生徒会長の《島崎向子(しまざきこうこ)》が所有している無人島に来ていた。

彼女の別荘も有るが目的は【合宿】

向子が紫闇を含む『お気に入り』のメンバーを親善試合に出場する選手を決める[代表選抜戦]で勝ち残らせる為に企画したものだ。


同行した赤髪の教官《桐崎美鈴(きりさきみすず)》は島に到着した直後から宿泊施設でメンバーを全員を集めミーティングをしている最中。

龍帝学園の中でも合宿に参加しているメンバー以外で選抜を勝ち進むと言われる有力な生徒の試合映像を流していた。

みな強豪と言えるだろう。

しかし美鈴は言う。


「此処に居ない龍帝の生徒でお前達に勝てるとしたら、《エンド・プロヴィデンス》、《江神春斗/こうがみはると》、《橘花 翔(たちばなしょう)》の3名しかおらん」


教官の言う通り。

紫闇も他の合宿メンバーも美鈴と同じ感想で、選抜の有力候補が戦う映像に対してこれっぽっちも負ける気がしなかった。


「そもそもとして、この部屋に居る生徒は私が指導できるレベルを逸脱している奴ばかりだからな。私は本当に付き添いで合宿に来たようなもの」


───────────────

立華紫闇

島崎向子

生徒会副会長の《春日桜花(かすがおうか)


「この三人は問題ない」

─────────────────

的場聖持(まとばせいじ)


「お前は普通にすれば良し」

──────────────────

クリス・ネバーエンド


「この合宿はお前を強くする為に開かれているようなものだからな。私が指導するとしたらネバーエンドだけだ。他のメンバーに置いていかれたくないなら頑張れ」

──────────────────


クリスはぶすっとした顔で美鈴を見た。


「続いての映像は」


日英親善試合の英国代表。

魔術学園【ブラック&ホープ】

美鈴いわく5人とも怪物。

だが3人は問題ない。

クリスでも善戦勝利を狙える。


「しかし残り二人は全く別。どちらも他の三人を同時に相手取って苦戦することすら無いほど圧倒的に格が違う」


クリスの姉《エリザ・ネバーエンド》

そしてレックス・ディヴァイザー。


◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆◆


エリザの【魔晄外装(まこうがいそう)】は[武器型]

深緑色の細剣/レイピア

【異能】は気圧と風圧の制御らしい。

自身から周囲数メートル以内の大気を操ることによってイギリス国内で『風の絶対防壁』と呼ばれているものを作り出す。

クリスの天敵だとされる。

彼女の武器・兵器を生み出す異能は殆ど無効化されると思って良い。

この合宿で対抗できる武器を作れなければ高い確率で敗北してしまうだろう


「このエリザは厄介でな。いわゆるオールラウンドプレイヤーと言われる万能型だ」


桐崎美鈴によると、苦手な距離が存在しない対応力を見せるらしい。

近距離は剣術で(さば)き、中遠距離は風の異能で独壇場なので近距離よりも厳しいかもしれず、風の絶対防壁は距離を問わない。


◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇◇


「次はレックス・ディヴァイザーだ」

      
外装は[独立型]

異能は己の立ち位置を『コンマ数秒前』に戻すという有って無いような異能。

なのに英国全体で【魔神】に次ぐ。

そこまで登り詰めたのだ。


「この男は『人』としての強さが魔術師としての強さで足りない部分を埋めて余りある領域に達している異端であり超人」


洞察力・戦略構築・野生の勘

普通の人間にも有るものによってあらゆるタイプの魔術師を打ち倒す異常さは落ちこぼれから這い上がってきた紫闇がよく解っていた。


「独立型の外装って異能に頼らないと何にも出来ないって言われるタイプなのに、異能を使わずこの強さかあ」


島崎向子も称賛。

正統派の魔術師としてならエリザの方が怪物だが出鱈目さはレックスの方が上。

何せ彼は『最弱』とされる異能一つでイギリスの次期魔神候補最有力。

人間としてのスペックが意味不明なレベルで高い天才でなければ不可能だ。


しかし紫闇は才能を感じなかった。

江神春斗のように誰でも判ってしまうぐらいの凄まじい才覚を感じない。

きっと紫闇と同じ凡人だったはず。

そんな人間が国家代表。

有り得ないことをやっている。

自分のように狂気を伴って地獄の鍛練を積み重ね、強さと力を求め続けることを止めなかったから紫闇やクリスが認めるまでになれた。


(なのに何であんたは諦念に呑まれてんだよレックス・ディヴァイザー)
 
 

 
後書き
_〆(。。) 
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