オズのハンク
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第八幕その七
「聞いているんだよ」
「そうだね、じゃあその謎々は」
「手がなくて」
スフィンクスはその謎々を言いはじめました。
「お口もお鼻もない、目だけあって服は一枚。この神様は誰かな」
「メジェド神だね」
カルロスは笑って答えました。
「あの神様だね」
「そうだよ、わかるよね」
「僕達は今その神様を探しているからね」
だからだというのです。
「余計にだよ」
「その姿をだね」
「頭に入れているよ」
「そういうことだね」
「あの、若しもだよ」
ここで言ったのはハンクでした。
「謎々に正解出来なかったらどうなっていたかな」
「別に何もないよ」
スフィンクスはハンクにすぐに答えました。
「これといってね」
「食べたりしないんだ」
「食べるって君達を?」
「うん、そうしないんだ」
「僕はお肉は好きだけれどね」
それでもとです、スフィンクスはハンクに今度は笑って答えました。
「生肉は食べないし誰かを襲って食べることもね」
「しないんだ」
「謎々は謎々で」
それでというのです。
「それ以外のことはね」
「ないんだ」
「そうだよ、別にね」
これといってというのです。
「本当に」
「そうなんだね」
「スフィンクスは謎々に答えられない人を食べるっていうけれど」
カルロスもそのお話をしました。
「違うんだね」
「そんなスフィンクスいるんだ」
「僕の知ってるスフィンクスはそうだけれど」
「オズの国ではそんなスフィンクスいないよ」
それこそというのです。
「そんなことは」
「そうなんだね」
「誰かを食べるとか」
ここで言ったのはボタンでした。
「そんなのオズの国ではないからね」
「そうよね、カルロスの言うことは外の世界のことで」
ポリクロームも言いました。
「オズの国は違うわよ」
「オズの国は」
クッキーも言います。
「そうしたことはないから」
「そのお話はギリシアのお話だね」
カエルマンはこのことを知っていました、それでカルロスに応えて言うのでした。
「そうだね」
「はい、そうです」
その通りだとです、カルロスはカエルマンに答えました。
「そちらのスフィンクスですが」
「あのスフィンクスもオズの国にいるけれど」
「それでもですか」
「そんなことはしないよ」
絶対にというのです。
「オズの国のスフィンクスはね」
「そうですか」
「ましてや僕はピラミッドの神獣だから」
そのスフィンクスの言葉です。
「尚更だよ」
「そんな物騒なことはなんだ」
「しないよ」
絶対にというのです。
「本当にね」
「そうなんだね」
「ちゃんとお料理をして」
「そうしてだね」
「それを食べているからね」
「じゃあ謎々に答えられなかったら」
「残念でしたでね」
それでというのです。
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