探偵ストレイドッグス
しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。
ページ下へ移動
第3話
戻り次第、再び病院の住民となった翔、そしてその周りでは着々と準備が進められていた。
徳島翔の新たな本戸籍の準備、本名は【広瀬翼】となった。翼も何もせずにお世話になるのは申し訳ないということでそのまま総合探偵事務所の調査員となった。これで、最年少探偵の誕生だ。(翼が助けた優美は事務員兼優美のお世話係)また、今まで森鴎外が医院長を務めてきた【横浜総合医療センター】との契約、任せられる人員を育て上げるまで副所長と兼任しメインを医療センター側に寄せることが決まる。
一方の翼は今まで小学校すら通わせてもらえなかったという経歴があるが、こちらとしても直接通わせるのは精神上不安なこと、しかし好奇心は旺盛な性格のため学びたいという以降のもと通信教育を行っていくことが決定した。
そして、怒涛の2週間が過ぎ横浜の中心地に総額130億の【derective management office=通称DMO社】が誕生した(ちなみに大きすぎる設立費用は出世払いで返していく)
主な主要調査員は以下の通りだ。
福沢諭吉 :所長
森鴎外 :副所長兼横浜総合医療センター医院長
江戸川乱歩:メイン探偵
与謝野晶子:医務室長
太宰治
国木田独歩
中原中也
尾崎紅葉
織田作之助:副業で童話作家
広瀬翼
等々
そして特務課からある情報がおくられてきたのは設立から1ヶ月もたたない時期のことだった。
そして、それはこの先10年以上に渡り情報収集しかかわっていくことになる大きな事件の前触れでもあったのだった。
____________________________________
設立から一か月、今はまだ認知度も低いため時折来る迷子探しや落とし物探しをしつつ異能特務課権限による未解決事件の捜査をしていた。
そして、最年少調査員となった翼はというと栄養失調だった体を元に戻すため食トレ及び通信教育で小学一年の内容から学びなおし、更には落とし物探しなどの手伝いを精力的に活動していた。またアーカイブという情報収集うってつけの魔法を使用し情報収集活動でメンバーを支えていた。
そんなある日、異能特務課がある情報を持ってきていた。
そして、翼がその任務に抜擢されたのだった。
「お前ホントに大丈夫か?炎の中突入しなくても」
「助けられるかもしれないんでしょ?自分の力が必要ならやる」
そしてだんだんと焼けているにおいがする。そして誰か近くにいる気配がした。
「!誰か近くにいる」
「まさかこれの犯人かっ!?」
目を凝らしてみるとおそらく二人の男の人がいた。
そして、そのうちの一人がこちらに気づく。
「すみません。長野県警捜査一課の諸伏です。かなり燃えていますので近づかないようにお願いします。」
身分証明書を見ると確かに刑事のようだ。
「ご忠告感謝します。内務省異能特務課長官の種田だ。この中に事件の重要参考人がいるとの情報を得てやってきている。」
「!!異能特務課。」
すると、もう一人の男(おそらく警察官)もやってきていた。
「おい!!高明なにしているっ!?早く消防に通報をだな!!」
「!?すみません勘助君。こちら異能特務課の方だそうです」
同じように種田が身分証明書を提示し説明する。
「おいおいこんな炎の中突入するっていうのかよ。」
しかもそんな子供もつれて・・・・
目は翼に向けられた。
「ただの子供ではないので。翼君、いま中はどうなっている?」
翼は集中し神の眼(ゴット・アイ)で居場所を探る。
「・・・・うん。まだ生命力はあるよ。だけどそろそろ弱くなると思う」
「わかった。すまないが時間がない。重要参考人以前に命あるものをみすみす死なせるわけにはいかない。」
「勘助君!!」
「っち!!わかった。だが俺もいく。これでも警察だ。みすみす行かせるのをただ黙っているわけにはいかないのでね。」
「・・・・いいだろう。すべてはあとで説明する。すまないが諸伏巡査部長は消防と警察に通報よろしく頼む。」
「・・・わかりました。」
「では翼君。」
「うん。∞魔法:アーマー&水流防御(ウォーターバリア)」
「うぉ!!なんだぁ!?」
「防御力向上魔法と火の中に突入してもいいようにバリアを張りました。これでほぼ無傷でたどり着ける。」
「!何でもありなんですね。」
「あぁ。使いどころを間違えば凶器にもなるがな」
さて行くか
そして今回来ていた、種田、福沢、織田、中也そして知り合った捜査一課の山本勘助は炎の研究所の中に突入した。
「うわっひどいなこりゃ」
中は今にも崩れてきそうな雰囲気だ。
「でも俺らがいる。」
「へぇーさしずめ攻撃力特化といったところかよ」
翼の魔法を見た勘助は見た目小・中学生に見える少年(中也)にも突入するだけの能力があることにたどり着く。
「んじゃまぁ始めるとしますか!福沢さんそっちは頼みますよ!異能力:重力操作」
「うむ。」
「ちなみに彼らの所属する企業は銃刀法所持許可証をとってある」
「それなら十分です。」
「・・・・・そこの廊下を右、その先の扉を左」
織田に抱えられた翼の能力を頼りに突き進む。途中で飛んでくるがれきの破片やふさがれている箇所は中也の異能と福沢の日本刀で吹っ飛ばしたり、切ったりしながら防ぎつつひたすら走る。もちろん入る前にかけたバリアやアームズはしっかり機能していた。
そして
「あそこ!!」
ついに二人の男女が倒れているのを発見した。
「おい!!大丈夫か!!」
すぐに水流防御(ウォーターバリア)の中に引っ張り込み息を確認する。
「・・・うん、まだ生きてる。翼君」
「了解。∞魔法<レーゼ>。」
「今のは?」
「状態回復魔法。これでやけどは落ち着くと思う。だけど危険な状態には変わりないよ」
「さて、一刻も早く出るとしよう。山本巡査部長、福沢君。すまないが抱えてくれるかね。中原君、破片は頼むよ。」
「あぁ、だけど来た道戻るのはなげぇな。仕方ねぇ。重力操作!!」
すぐそばの壁を異能をまといぶち破った。
そして少し離れた所の車まで戻ってきた。
「患者は?」
「あぁ、何とか無事だ。やけどは翼君の能力である程度は・・・・治療を頼む!!」
「了解しました。異能力:超回復」
そして治療している様子を横目に見ながら種田は電話をしていた勘助に向き直った
「今回は協力を感謝したい。助かった。」
「いえ、助かったんすよね。」
「あぁ、治療を既に開始しているし。彼女は絶対的な回復術の使い手でな。それに戻れば医療の権化である鴎外君もいる。まだ絶対とは言わないが死なせないさ。」
「それで、助けた彼らなんだが警察組織的には公安案件になってくる。本来ならあまり情報を共有することはできないが、今回助けてもらったからな、捜査一課の上司にもいうことができない重要案件だ。君たちは交番勤務から捜査一課に配属されてどれくらいだ?」
「どちらもまだ、1年と少しです」
「もし話を聞いてしまえば後戻りはできなくなる。長野県警で捜査一課として勤務してもらうことは全然かまわないが、この情報を上司に報告することは禁じさせてもらう。知っていれば危険があるかもしれない。もし、それでも聞くのならこちらまで連絡をくれ。」
そして名刺を手渡す。
そこには<derective management office>と書かれていた。
「そこは福沢が所長を務める総合探偵事務所だ。もちろん諸伏巡査部長にも相談してくるのならこちらから捜査一課には話を通そう。」
「わかりました。」
「くれぐれもこのことは内密に頼む。」
そういって、その場から立ち去った。
「勘助君ですか・・・・」
「おぉ・・・頼んで悪かったな。状況はどうだ。」
「既に消火活動が開始されています。説明は少し作りましたがいいのですよね」
「すまなかったな・・・・・なぁ、情報ききに行くよな」
「話が見えませんが、まぁ彼らがいないのであちら案件だとは察してます。そのうえで情報を出してくれるというのであれば、かなり制限はされると思いますが覚悟してますよ。」
「だよな・・・・・」
そして、この事件をある程度片づけた後、連絡を取るのだった。
後書き
・ウインドスラッシャー :鋼の鎧をも切り裂く風の魔法。
・アーマー:対象に防御力を付加させることが出来る魔法。
・アームズ:対象を魔力で包み込み、 攻撃力をアップさせる魔法
・バーニア:自身又は対象を魔力で包み込み、 速度をアップさせる魔法。
・レーゼ:状態異常を回復することが出来る魔法。
・水流防御(ウォーターバリア):巨大な水のバリアを展開させることが出来る魔法。
・神の眼(ゴット・アイ):相手の居場所や生命力を瞬時に感じ取れる能力
宮野夫妻救出編です。
時系列が出ていないため11年前の出来事にしました。
また、研究所の場所を長野の山奥。
ということで新米長野県警幼馴染コンビに遭遇してもらいました。
上原さんは年齢が違いすぎるのでお休みです・・・・
そして、組織を語るうえで欠かせないのがウイスキートリオ、その中で唯一原作でなくなってしまったスコッチ。
そのお兄さんであればこのように知るというのも悪くない。特に長野県警は数多く登場していた県警の中でも優秀。
公安では機密情報は一切伝えないとのことですが、精神状態を考えると信頼できる人にある程度情報を共有しておくことも必要だと思います。
規定上ダメなのかもしれませんが、DMOは民間企業ですし、異能特務課も公安ではありませんから。
トップ権限です。
本作は秘密にする人、しない人を区別して考えていきます。
また、数多くの他作品の魔法・必殺技を使用していきます。
ページ上へ戻る