オズのハンク
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第七幕その七
「まだね」
「そうね、伝え聞く雄型はね」
「見ないね」
「そうよね」
「まあピラミッドの冒険はまだまだ続くし」
「それならね」
「焦らずね」
そうしてというのです。
「ピラミッドの中を歩いていって」
「そうしてよね」
「探していこう」
「それがいいわね」
「今の私達はね」
こう言ってでした、一行はピラミッドの中をさらに歩いて回っていきました。その中で今度はライオンの頭に人間の女の人の身体の女神様の祭壇に来ました。そこではライオンが群れでくつろいでいます。
その女神様は低めの女の人の声で名乗りました。
「あたしがハトホルだよ」
「ハトホル女神ですね」
「そうだよ」
カルロスに笑顔で答えます。
「ライオンの頭に驚くね」
「はい、ただ」
「ただ。何だい?」
「女神様なのに」
それでもというのです、カルロスが言うことは。
「鬣がありますね」
「ああ、雄ライオンの頭だね」
「頭はそうなんですね」
「そうだよ、あたしは女神だけれどね」
それでもとです、ハトホル女神は自らお話しました。
「雄ライオンの頭なんだよ」
「そうですよね」
「そこがまた面白いね」
「はい、雌ライオンじゃないんですね」
「やっぱりライオンはあれだね」
「鬣ですか」
「それがないとね」
どうにもというのです。
「勇ましくて恰好いいってね」
「ならないからですか」
「だからね」
「貴女の頭はですね」
「女神だけれど」
それでもというのです。
「この通りなんだよ」
「そういうことですか」
「何かそうなりますと」
女神なのに雄ライオンの頭ならとです、恵梨香が言いました。
「男装の麗人みたいですね」
「そうだね、言われてみると」
ジョージは恵梨香のその言葉に頷きました。
「ハトホル様はそうなるね」
「性別は間違いなく女の人だし」
神宝は女神様のお身体を見ます、それは誰がどう見ても女の人のものです。
「頭がそうであるだけで」
「男らしいお顔の女の人もいるし」
ナターシャはこうも言いました。
「女の人にお鬚が生えたりとか」
「ああ、ロシアはそうだったね」
ハンクはナターシャの今のお話に頷きました。
「寒いからお鬚が生えるんだね」
「女の人でも寒いとお鬚が生えるのね」
ポリクロームはこのことをはじめて知りました。
「そうなのね」
「うん、僕もそう聞いてるし」
「ナターシャもそう言ってるし」
「実際にオズの国のロシア系の女の人は」
オズの国は現代のアメリカが影響するのでロシア系の人もいます、それでロシア系の女の人もいるのです。
「うっすらとだけれどね」
「お鬚があったりするのね」
「よく見たらね」
「お鬚はね」
ここで言ったのはクッキーでした。
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