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レーヴァティン

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第百四十六話 マドリードへ向けてその一

                第百四十六話  マドリードへ向けて
 カルタヘナやバルセロナも勢力圏に収めた久志達はここで次の段階に動くことにした、それはどういったものかというと。
「リスボンからは剛達を呼び戻してな」
「そうしてだね」
「そしてな」
 そのうえでとだ、彼は淳二に答えた。淳二も今はモンスターや賊退治をあらかた終えてマドリードに戻っているのだ。
 それでだ、久志はその淳二に言うのだ。
「ここは美奈代に任せて湖はな」
「芳直君にだね」
「任せるな、あと各方面はな」
 そちらの方はというと。
「モンフェラート将軍やトスカーナ将軍にな」
「任せてだね」
「俺達は十万の兵を率いてな」 
 即ち主力を以てというのだ。
「マドリードに向かうか」
「あからさまにだね」
「ああ、朱力を動かすけれどな」
 それでもというのだ。
「各方面にも確かな指揮官を差し向けて」
「指揮を執ってもらうからね」
「何処からも本気でな」
「マドリードを狙うんだね」
「そうするからな」
 だからだというのだ。
「俺達はな」
「マドリードを狙っても」
「そうしてもな」
「連合王国としては何もしない訳にはいかないね」
「絶対にな、それならな」
 まさにというのだ。
「マドリードから大軍が来れば」
「その大軍をだね」
「破ってやるさ」
 是非にという言葉だった。
「そしてマドリードを手に入れてやる」
「そうするね」
「連合王国もな」
 この国自体もというのだ。
「手に入れてやるさ」
「そうするね」
「ああ、じゃあ進撃開始だ」
「川を進軍に使って」
「その流域は結構領土に収めてるしな」
「順調に進めるよ、モンスターや賊もやっつけてきたし」
 淳二は自分の仕事の話もした。
「だからその分もね」
「楽に進めるか」
「大軍をマドリードに進めつつ」
「進路上の街や村、領主達にな」
「使者を送って降していこうね」
「出来る限りそれでこっちに入れていけばいいしな」
「うん、やっぱりね」
 何といってもというのだ。
「戦はしないことだね」
「本当にそれに限るな」
「おいらも思うよ、ただ連合王国との戦ってこれまで」
「ああ、でかい戦争ないな」
「上陸してからはね」 
 湖戦はあったがというのだ。
「ないね、ずっとおいら達外交で勢力を拡大させてるね」
「少なくとも連合王国との戦は大規模なのどころかな」
「小規模なね」
「そんなのすらないな」
「うん、ただ流石に向こうもね」
 即ち敵である連合王国の方もというのだ。
「これで終わりじゃないから」
「だからだよな」
「大軍を出してきそうだよ」
「やっぱりそうなるよな」
「その数十万」
 淳二は敵軍の規模の話もした。 
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