恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第八十二話 周泰、都に忍び込むのことその五
「とにかく凄い大きさですから」
「何か楽しみになってきたな」
ガルフォードはパピーと共にいる。
「どうした町なのかな」
「けれどあれなのよね」
舞はいささか残念そうに苦笑いして言った。
「今は町では遊べないのよね」
「そうだな。都に捕らえられている董卓殿を助け出す」
半蔵が言う。
「それが我々の任務だからな」
「その通りです。それでは皆さん」
周泰がまた彼等に話す。
「宜しく御願いしますね」
「ああ、わかった」
「それならな」
火月とガルフォードが応える。そうしてだった。
彼等は先に進む。その速さは馬に匹敵する。
その中でだ。周泰はだ。
ガルフォードに対してだ。こんなことを言うのだった。
「そういえばガルフォードさんは」
「ああ、何だ?」
「アメリカ出身ですよね」
彼のだ。その出自について話すのだった。
「確かそうでしたよね」
「その通りさ」
ガルフォードは駆けながら微笑んで答えた。
「アメリカのカルフォルニア出身さ」
「アメリカ人で忍者になられたんですか」
「そうさ。忍者ってのに憧れてな」
それでだ。そうなったというのだ。
「青い目の忍者ってわけさ」
「成程、そうなんですね」
「もう一人アメリカ人の忍者がいるんだけれどな」
ガルフォードは周泰にこうも話す。
「アースクェイクっていうな」
「アースクェイク?」
「とんでもなくでかい奴でな」
それがそのアースクェイクだというのだ。
「そいつは確か張飛とか馬超と戦ってたっていうけれどな」
「こちらの世界に来てるんですか、その人も」
「そうだな。まあ姿は見ないけれどな」
「わかりました。では御会いできたらいいですね」
「色々と問題のある奴だけれどな」
さりげなくだ。ガルフォードはアースクェイクについて話した。
「泥棒する為に忍者になった奴だしな」
「それってまずいでしょ」
舞が顔を顰めさせてガルフォードに言う。
「忍術の悪用じゃない」
「何度も言ってるけれどな。聞きはしないんだ」
「全く以て困った男だ」
半蔵もだ。アースクェイクについて話す。
「どうしたものか」
「ああした人は必ず成敗されますね」
蒼月は冷めた口調で述べた。
「それか一生強制労働か」
「あいつにはいいお灸かもな」
ガルフォードもこう考えるのだった。
「それもな」
「そうした人なんですね」
「まあ懲りない奴だからな」
ガルフォードは周泰にまた話した。
「少なくともこっちの世界に来てるのは間違いないからな」
「御会いしたいけれどしたくない方ですか」
「まあそんなところだな」
こんな話をしながらだ。一行は都に向かう。
その彼等を送った連合軍の中ではだ。孔明と鳳統がだ。
李典に対してだ。こんなことを話していた。
「それではです」
「それで御願いします」
「ああ、わかったで」
笑顔でだ。李典は二人に応える。三人は今李典の天幕の中にいる。そしてそこでだ。彼女は何かをいじりながら二人の話を聞いていた。
そのいじっているものはからくりだった。それを作ってから話すのだった。
「こんな感じでええかな」
「いえ、もっと簡単なものでいいです」
「外見がしっかりしたものなら」
「じゃあ動きは大したもんでなくてええんやな」
李典は二人にそのことを尋ねた。
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