恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第八十二話 周泰、都に忍び込むのことその二
「まさか。大将軍にそんな趣味が」
「どうかしらね。確かに風変わりなところはあられるけれど」
「けれど。猫はありませんわね」
「御自身の外見は考慮されてないわね」
「猫は。将軍には」
「合わないと思うけれど」
「聞こえておるぞ」
何進はその二人に対して突っ込みを入れた。
「御主達から見てもおかしいか」
「御言葉ですが」
「どういった御心境の変化でしょうか」
二人は怪訝な顔を変えていない。
「あの。大将軍そのお耳は」
「本当にどうされたのですか?」
「話はかくかくしかじかじゃ」
何進はその耳の事情も話すのだった。
「何とか猫にならずに済んだがじゃ」
「それでもなのですか」
「耳だけは」
「そうじゃ。正直参っておる」
こうも言うのであった。
「どうしたものかのう」
「どうも一生のものらしいです」
「残念ですが」
孔明と鳳統がその猫耳について話す。
「ですからもう」
「諦められるしか」
「残酷な話じゃのう」
何進も諦めるしかなかった。
「それは」
「ですけれど」
何故か楽しそうに言う周泰であった。
そしてそのうえでだ。こう何進に話すのだった。
「あの、将軍」
「何じゃ?」
「その耳ですけれど」
目を輝かせてだ。何進に言うのである。
「できればですね」
「できれば。何じゃ」
「私もそうした耳が欲しくて」
「また変わったことを言うのう」
何進にしてはだ。そうとしか思えなかった。
それで眉を顰めさせてだ。周泰に返した。
「わしは嫌で仕方ないのじゃが」
「ですけれど」
「まあその話は置いておいてですね」
程昱がここで言うのだった。
「とりあえずお話を進めましょう」
「そうだったわね」
曹操も程昱のその言葉に顔を向ける。
「とりあえずそのオロチがいることはわかったし」
「その連中は俺が絶対にぶっ潰す」
草薙は右手を拳にして曹操に話す。
「何があってもな」
「貴方はそうした家の人だったわね」
「ああ、だからな」
それでだというのだ。しかしであった。
曹操はだ。その草薙に今はこう言うのであった。
「けれど今は焦らない方がいいわね」
「慎重にってことか」
「そうよ。そのオロチがこの世界でどういった状況なのかわからないから」
それでだというのだ。
「迂闊な動きは控えるべきね」
「じゃあどうしろっていうんだ?」
「彼等とは多分」
「多分?」
「洛陽で戦うことになるわね」
曹操は左手を己の口に当てて述べた。
「二つの関を抜けた後でね」
「じゃあその時にか」
「それまでは戦わないわ」
また言う曹操だった。
「だから焦らないで」
「わかったぜ。それじゃあな」
「ええ、慎重にね」
「そういうことか。今はか」
「それよりもよ」
曹操はあらためて話をしてきた。
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