恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS
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第八十一話 張飛、陳宮を庇うのことその五
「全然知らない名前だけれど」
「?公孫賛?」
袁紹も曹操と同じ顔になって言う。
「やはりはじめて聞く名ですわね」
「劉備さんの将は有名な方ばかりですけれど」
「それでもこの方は知らないです」
田豊と沮授がまた話す。
「新しく入られた方ですね」
「そうなのですね」
「うう、もういい」
公孫賛はうんざりとした顔になって応えた。
「やはり私は。こういう運命なのだな」
「他の役の方が有名ですよね」
孔明がここで彼女に話した。
「あの包丁持ってる役とかふがふがという役とか」
「最近はおかみもやった」
「そちらでメジャーですからいいのでは?」
「ううむ、しかしあちらの世界ではだ」
ここで馬岱を見る。そして袁術や張勲もだ。
「どうもな。蒲公英達の方がな」
「あれ、けれど白蓮さんだって人気あるよ」
その馬岱が公孫賛に話す。
「和服のおかみだからね」
「だといいのだが」
「ああいう世界もいいよね」
馬岱はにこにことして公孫賛に話していく。
「田舎の学校って。ほのぼのとしてね」
「そうだな。いいものだな」
「蒲公英ああいう世界も大好きだよ」
こんな話もする。しかしだ。
作戦自体はあっさりと決まった。どうしても先陣に出たがる袁紹をよそにだ。作戦は決まりそのうえでだ。彼女達は解散しようとする。
「明日の朝に総攻撃の開始ですわ」
「ええ、わかったわ」
曹操が袁紹の言葉に応える。
「それならね。劉備達には検討を祈るわ」
「はい、わかりました」
その劉備が応える。こうしてだった。
解散に入ろうとする。とこがだ。
ここで天幕の中にだ。テリーが入って来てだった。そのうえで一同に話した。
「ああ、全員揃ってるな」
「あっ、テリーさん」
劉備が彼の姿を認めて声を出した。
「どうしたんですか?」
「御客さんが来てるぜ」
こうだ。テリーは気さくに話した。
「ここにな」
「御客さん?」
関羽がその御客さんという言葉に目を動かした。
「御客さんというと」
「ああ、向こうの軍師でな」
それでだというのだ。
「陳宮っていう娘だよ」
「ああ、陳宮か」
その名を聞いてだ。最初に言ったのは馬超だった。
「あいつが来たのかよ」
「宣戦布告の使者でしょうか」
鳳統はそれではないかと述べた。
「本格的な戦いの前の」
「そうかも知れないわね」
黄忠もそう考えた。
「だとすると遂にね」
「はい、はじまりますね」
黄忠も鳳統もその目をそれぞれ険しく、不安なものにさせて話す。
「戦いがね」
「それが避けられなくなりましたね」
「それでどうするんだい?」
また一同に言うテリーだった。
「その陳宮ちゃんとな。会うのかい?」
「こちらに通しなさい」
袁紹が言った。
「使者なら会わない訳にはいきませんわ」
「そうしてその言葉を受けて」
「宣戦布告を受理されるんですね」
「ええ、そうしますわ」
その通りだとだ。袁紹は顔良と文醜に話した。
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