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レーヴァティン

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第百四十四話 リスボン掌握その九

「この半島ではやる価値があるな」
「左様ですね、あとです」
 源三は久志に今度は自分の意見を述べた。
「一つ気になることがあります」
「?何だよ」
「連合王国の領土は緑がやや少ないです」
「ああ、木がか」
「ですから意識してです」
「植林か」
「それもしていくべきです」
「それもあったな、植林もな」
 そちらのこともとだ、久志は源三の話を聞いて述べた。
「大事だしな」
「はい、政においては」
「じゃあそっちもな」
「行われますね」
「言われてみればこの半島木が少し少ないな」
「木が少ないと森林資源の枯渇につながります」
「そして環境にもよくないしな」
「ですから」
 それでというのだ。
「この度はです」
「そっちもだな」
「していきましょう」
「わかったぜ。やっぱり戦の後の方がな」
「大変ですね」
「やることが多いな」
 戦を行い勝利を収めることは重要なことである、だが問題はむしろその後の政にこそあるのだというのだ。
「だからな」
「今からですね」
「考えてな」
 そうしてというのだ。
「やっていこうな」
「戦も」
「戦をしつつ戦場になっている国土も見て」
「その後のことも考えますね」
「ああ、戦に勝って終わりじゃないからな」
「そこが本当に重要です」
「そうなんだよ、だからそっちも考えていくな」 
 政の方もというのだ。
「是非な、ローマのある長靴の半島とな」
「長靴ですか」 
 その言い方にだ、源三は思わず苦笑いになって応えた。
「確かにそうですね」
「そうだよな、こっちの世界でもそんな形だよな」
「あの半島は」
「シチリアが石でな」
 長靴の先のそれだというのだ、この西の浮島は彼等の世界の起きた世界での欧州にかなり似ている国土なのだ。そして東の浮島は日本列島に酷似している。
「そのまま長靴だよな」
「そうですね」
「その半島でもはじめてるしな」 
 それにとだ、久志は源三にさらに話した。
「ナイル川の方でもカルタゴの方でもやってるし」
「この連合王国の半島でもですね」
「ああ、米作をな」 
 こちらをというのだ。
「やろうな」
「それね、米作はね」
 留奈もこう言った。
「私達随分推し進めているわね」
「麦だけじゃなくてな」
「米も耕して」
「ジャガイモは最初からあるけれどな」
「お米の収穫高は凄いから」
「大々的に耕させてな」
 そうしてというのだ。
「農作物の生産高を上げるんだよ」
「そうすれば皆沢山食べられるからね」
「ああ、米もな」
 こちらもというのだ。
「進めてるんだよ」
「そうよね」
「麦もいいけれどな」
 久志もこの浮島の第一の主食の話もした。
「収穫高は全然違うからな」
「お米のそれはね」
「あんな収穫高のいい作物そうないしな」
「だからね」  
 それでというのだ。 
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