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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第八十話 陳宮、決意するのことその五

「けれどな。董卓さんってな」
「民を苦しめることはしないでやんす」
「それで何でこんなことになってんだ?」
「おかしなことだらけでやんすよ」
 それがどうしてもというのだ。
「何か各州の牧を取り潰そうとしたりしてな」
「それじゃあ叛乱が起こるのは当たり前でやんす」
「で、こうして実際に戦になる」
「困るのは民達でやんす」
「董卓さんのやることか?」
「絶対に違うでやんすよ」
 二人もそのことは感じ取っていた。それでなのだった。
 偵察に出ながらもだ。こんな話をするのだった。
「あえて天下を乱れさせるようなことしてな」
「しかも都では贅沢三昧でやんす」
「まさに誰がいい目を見るって話だよ」
「誰も見ないでやんすな」
「ああ、君達そこにいましたか」
 ここでだ。二人のところにジョンが来た。
 キムも来た。四人になってまた話す彼等だった。チャンとチョイは自分達が思っていることを話す。するとキムとジョンもこう言うのだった。
「確かにだ。我々が都に入ってからだ」
「おかしなことが起こり続けています」
 二人もこう思っていたのだ。
「国を意図的に乱させる」
「その様な流れですね」
「董卓殿のされることではない」
「これでは暴君の所業です」
「でしょ?あの董卓さんにしちゃ」
「変なことでやんすよ」
 ここぞとばかりに二人に話すチャンとチョイだった。
「それに人前に出なくなりましたし」
「これもおかしいでやんす」
「誰か黒幕がいるのだろうか」
 キムは腕を組み考える顔になって話した。
「まさかとは思うが」
「陰謀の匂いがしますね」
 ジョンも言った。
「この状況は」
「正直戦うべきではないですね」
 キムは真顔でジョンに話した。
「この戦いに正義はありません」
「しかもおそらくは董卓さんの御考えではありませんし」
「だとすればですね」
「戦えば過ちになります」
 これが二人の考えだった。
 だが、だ。二人はこんなことも言うのだった。
「しかし戦わなければ」
「それが命令ですから」
「戦うべきではない戦い」
「それをすることになりますね」
「俺だって暴れるのは好きだけれどな」
「切り刻む絶好の機会でやんすが」
 何をやってもその嗜好は変わらない二人である。
「けれど気の進まない中じゃな」
「そんなことをしても面白くも何ともないでやんす」
 これが二人の言葉だった。
 そしてだ。あらためてだった。キムとジョンにこう話した。
「結局どうしますか?」
「今回はどうするでやんすか?」
「やることはやるしかありません」
 ジョンは難しい顔で二人に答えた。
「その為にここに来ているのですから」
「結局そうですか」
「戦うしかないんでやんすね」
「ただ。状況が変われば」
 どうかとだ。ジョンは話を変えてきた。
「それに乗るべきですね」
「ジョンさんの言う通りですね」
 キムもジョンのその言葉に頷いた。
「そして戦うべき相手が前に出て来たならば」
「その相手を成敗しましょう」
「まあ平気で叩き潰せる相手なら俺達だってな」
「思う存分戦えるでやんすよ」
 それならばだと言う二人だった。そしてだった。
 彼等はとりあえずは偵察をするのだった。連合軍の姿は確認してそのうえで氾水関に戻った。そうして陳宮に連合軍のことを話す。
 話を聞いた陳宮はだ。暗い顔でこう返した。
「わかったのです」
「わかったって」
「それだけでやんすか?」
「とにかくわかったのです」
 チャンとチョイにこんな風に返すだけだった。
 
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