英雄伝説~灰の騎士の成り上がり~
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第68話
~看護師待機室~
「――――――心臓に、銃弾の破片が……?」
セイランド教授からユーゲント三世の状況を聞いたアンゼリカは真剣な表情で呟いた。
「ええ、本来は絶対安静なんだけどどうしてもと希望されて。」
「もともと帝都に呼ばれて治療していたが、本格的な手術のために移っていただいた。手術は遅くとも2週間後―――今のところ、成功率は3割を切る見込みだ。」
「そんな状態でわたし達と話を……」
「ハッ、カッコつけすぎだろ………………」
「そういえば、もらった手紙にはどんな内容が書いてあったの?」
セシルとセイランド教授の説明を聞いたトワが辛そうな表情をしている中、アッシュは複雑そうな表情で呟いた後黙り込み、エヴリーヌはトワに訊ねた。
「……主に”黒の史書”やエレボニアの”呪い”についてでした。断片的には聞いていましたけどおかげで今までの話が大分整理できた気がします。」
「……あ、あの、セシル主任っ。ちょっといいでしょうか?」
エヴリーヌの疑問にトワが答えると扉の外から看護師の声が聞こえてきた。
「何かしら……ちょっと行ってくるわね。……!たしか先程お帰りになられたはずでは……」
看護師の声を聞いて部屋から出たセシルは驚いた様子で相手と話していた。
「ああ、一つ用件を思い出してな。ヴァイスハイト皇帝陛下にも滞在の延長の許可を取っている。単刀直入にお願いする―――Ⅶ組の諸君に会わせてもらえまいか?」
(ふむ…………あのご老体か。)
セシルの話し相手の頼みを聞いたその場にいる全員が驚いている中セイランド教授は静かな表情で呟き
「――――――セシルさん。入れて差し上げてください。」
それぞれ視線を交わして頷いたトワは扉の外にいるセシルに声をかけた。
「……わかりました。どうぞお入りください。」
そしてセシルは話し相手――――――ヴァンダイク元帥と共に部屋に入ってきた。
「久しぶりだな、Ⅶ組の諸君。突然訪ねてしまってすまぬな。話には聞いていたがアームブラスト君も戻ってきて何よりだ。」
「ご無沙汰しています、学院長。」
「ハハッ、今まで迷惑かけた上心配までさせちまってすまねぇな、学院長。」
ヴァンダイク元帥の言葉にアリサとクロウはそれぞれ答えた。
「今の状況に陥っていた皆を心配していたが……うむ、皆いい目をしておる。……シュバルツァー君とアルフヘイム君が君たちと決別し、別の道で今回の件を収める事を決めたのは残念だったが。」
「ハッ……オレたちの状況も大体わかってるみたいだな。」
「あの…………連合との戦争を任されている学院長でしたらもしかして……」
辛そうな表情を浮かべたヴァンダイク元帥の話を聞いたアッシュは鼻を鳴らし、あることが気になっていたトワはヴァンダイク元帥に質問をしようとしたが
「いや…………残念ながらワシには皇太子殿下の居場所はわからぬ。あくまで”表”の役割を与えられただけに過ぎぬのだろう。かつての我が部下―――ギリアス・オズボーン宰相によってな。」
ヴァンダイク元帥は先には自分は知らない事を答えた。
「……もはや連合との戦争は完全に不可避の流れてなっています。その”裏”にあるのは千年にも及ぶエレボニアの”呪い”――――――学院長はそれでも職務を全うされるのですね?」
「うむ――――――それが軍人というものだ。たとえこの先に待つのが大陸諸国、……いや世界すら巻き込む大戦でも。……そして教え子達との命のやり取りになるとわかっていても”国”を護るために全てを尽くす―――クレイグやナイトハルト君も同じだろう。……残念ながらゼクス中将を含めたヴァイスラント新生軍側についた者達は”国”ではなく”民”と”誇り”を護る為に我々とは違う道に歩む事を決めたようじゃがの……」
「でしたら……でしたらⅦ組は”違って”みせます!」
自分の質問に対して重々しい口調で答えたヴァンダイク元帥に対して決意の表情で答えたトワは話を続けた。
「先程皇帝陛下に言われたんです。わたしたちだけの”道”を探せと。ですから今は、それを信じて進みます。Ⅶ組として――――――トールズの生徒として!」
「………………」
「ああ、そうだな。そこだけはブレたらリィン達にもそうだが放蕩皇子にも合わす顔がねぇな。」
「そうだね……陛下や大勢の人たちの想いを受け取って、私達はここにいる。」
「それが”道”に繋がるのかまでは正直、まだ何もわからねぇが……このクソッタレな状況を何とかする”道”を見出してやる。」
「フフ……いい覚悟だ。」
「元帥閣下―――いえ学院長、これが私達”Ⅶ組”です。」
「………………」
トワに続くようにクロウ、アンゼリカもそれぞれ決意の表情で答え、アッシュの決意にガイウスは感心し、アリサは真剣な表情でヴァンダイク元帥を見つめ、その様子をエヴリーヌは静かな表情で見守っていた。
「思えば2年前……皇子殿下より相談を受けて以来か。よもや”Ⅶ組”がここまでしぶとく、しなやかで力強い集まりになるとは。―――その言葉が聞けただけでも会った甲斐があったというものだ。Ⅶ組諸君――――――皇太子殿下とそしてシュバルツァー君達のことは改めてよろしく頼んだ。必ずや再会し、共に新たな”道”を見つけ出せると信じておる。」
「はいっ……!」
そしてヴァンダイク元帥の激励の言葉にトワ達はそれぞれ力強く答えた。
その後ヴァンダイク元帥が部屋から出るのを見送るとヴァンダイク元帥と入れ替わりにある人物が部屋に入ってきた。
「――――――フッ、恩師に激励の言葉をかけられて粋がっている所を邪魔して悪いが少しだけ時間をもらうぞ。」
「あ、貴方は……!」
「ヴァイスさん………………」
「何?って事はあれがお前達の話に出てきたクロスベルの皇帝の一人か……」
「ハッ、出てきたタイミングを考えるとさっきの爺さんとオレたちの話を盗み聞きしてやがったな?」
部屋に入ってきたある人物――――――ヴァイスを見たアリサは驚き、セシルは目を丸くし、ヴァイスと初対面のクロウは真剣な表情でヴァイスを見つめ、アッシュは鼻を鳴らしてヴァイスを睨み
「公国政府が深く関わっているとはいえ、ウルスラ病院も俺達クロスベル帝国の領土なのだから、俺がクロスベルの領土内のどこにいようと俺の手配のお陰で戦争中であるにも関わらず、クロスベルにとっての敵国の所属のお前達が堂々とクロスベルの領土内で活動できているのだから文句を言われる筋合いはあるまい。――――――それよりもその様子だとようやく目覚めたユーゲント三世から何か話が聞けたのだろう?差し支えがなければ、教えてもらいたいのだが?」
アッシュの言葉を軽く流したヴァイスはトワ達を見まわして問いかけた。
「あ、はい。そのくらいでしたら構いませんが……」
そしてトワ達はヴァイスにユーゲント三世からの話やユーゲント三世にもらった手紙の内容等を教えた。
「なるほどな…………貴重な情報提供には感謝する。」
「ねえヴァイス。何でわざわざ敵国の王様をわざわざ自分達の国の病院で治療することを許したの?リウイお兄ちゃんだったら、多分断っていると思うけど。」
「まあ、それについては国交を開始したレミフェリア公国との関係の件も含めて他にも様々な理由はあるが…………―――――俺自身、『ユーゲント三世が王として死ぬ事を許さない事』も理由の一つだ。」
「ヴァイスハイト陛下が『ユーゲント陛下が王として死ぬ事を許さない事』とは、一体どういう事なのでしょうか?」
エヴリーヌの疑問に答えたヴァイスの答えが気になったガイウスは真剣な表情で訊ねた。
「以前お前達が”アルスター襲撃”の件を知る為にクロスベルを訪れた際にも俺は言っていただろう。『ユーゲント三世に王としての資格はない』と。そして先程お前達がユーゲント三世から聞いた話を聞いて改めて思った……――――――あの男に”王として死ぬ事は許されない”、とな。」
「な…………」
「……っ!どうしてヴァイスハイト陛下はユーゲント陛下に対してそのような事を仰るのですか……!?無礼を承知で申し上げますが幾らユーゲント陛下がクロスベルにとっての敵国の皇帝とはいえ、ヴァイスハイト陛下のその発言はユーゲント陛下に対してあまりにも失礼かと思われます……!」
ヴァイスが口にした驚愕の答えに仲間達がそれぞれ血相を変えている中アンゼリカは絶句し、唇を噛み締めたアリサは怒りの表情でヴァイスに問いかけた。
「逆に聞きたいのだが、お前達はユーゲント三世から直接話を聞いてユーゲント三世に対して”怒り”や”失望”等といった感情は芽生えなかったのか?あの男は”王”でありながら、エレボニアに巣食う”呪い”を自分がどうにかすることを諦めた挙句、大陸全土を戦乱の時代へと導こうと画策する男に”全て”を委ねた結果、お前達は重心から決別され、仲間を失った。お前達が今の状況に陥っている原因の一つが鉄血宰相に”全て”を委ねたユーゲント三世の判断によるものなのだが?」
「それは…………」
「ユーゲント陛下にも色々と複雑な事情がおありでしたし、それに何よりも陛下は今の状況に陥っているのがご自身の判断であると仰い、わたし達に対して謝罪までされました。ですから、今の状況に陥っている原因をユーゲント陛下に全て押し付けるような事を仰っているヴァイスハイト陛下のお言葉はユーゲント陛下に対してあまりにも惨いと思われます……!」
ヴァイスに問いかけられたガイウスが複雑そうな表情で答えを濁している中、トワは真剣な表情で反論した。
「”惨い”?――――――俺は”当然の事”を言ったまでだ。メンフィル皇帝であった頃のリウイを近くで見ていたエヴリーヌならば俺の言っている事も何となくだがわかるのではないか?」
トワの反論に対して静かな笑みを浮かべたヴァイスはエヴリーヌに話を振り
「ん。あんな弱っちい男、王様としての資格はないね。エレボニアであんなのが王様になれるんだから、オリビエが王様になった方がまだマシなんじゃない?」
「そりゃお前みてぇな”化物”からすれば、ユーゲント陛下に限らず誰でも”弱く”見えるんだから、魔神を基準にするのは色々と間違っているだろ……」
ヴァイスに話を振られてヴァイスの答えに肯定しているエヴリーヌの答えを聞いたクロウは呆れた表情で指摘した。
「別にエヴリーヌは”力”がないからオリビエのお父さんを”弱い”って言っている訳じゃないよ。――――――どんな事があっても諦めずにみんなの事を人任せにしない事をしなかったから、”弱い”って言っているの。」
「”みんな”……それはまさか”国民”の事を示しているのかい?」
「その通りだ。”王”とは最優先に民達の事を考え、どのような苦境に陥ろうとも諦める事は決して許されない。――――――お前達は”アルスター襲撃”の件でエレボニアがリベールに理不尽な要求をした日にもリベールに滞在していた事はアリシア女王達と謁見したユーディ達から聞いている。それならば、お前達自身もその目にすることができたのではないか?アリシア女王とクローディア王太女の”リベールの王とその後継者としての意思”――――――例えかつて”百日戦役”で国家に、国民達に大きな被害を与えたエレボニア帝国との戦争が勃発しようとも、国を、国民達を守る為に”アルスター襲撃”という鉄血宰相達が作り上げた”冤罪”に対する理不尽な要求を断固拒否する”王としての意思を。”」
エヴリーヌの話を聞いてあることに気づいたアンゼリカはエヴリーヌに確認し、エヴリーヌの代わりに答えたヴァイスはトワ達に問いかけた。
「そ、それは……………」
「………………」
ヴァイスの指摘に反論できないトワは辛そうな表情で答えを濁し、ガイウスは複雑そうな表情で黙り込んでいた。
「”黒の史書”でエレボニアを巣食う”呪い”を知っても、それを鉄血宰相に限らず他人に委ねず、自分自身が諦めず例え自身や身内を犠牲になろうとも”呪い”に抗う事や滅する事がユーゲント三世に課せられた”エレボニアの王としての義務”だ。その”義務”を放棄した時点でユーゲント三世にはもはや、”エレボニアの王としての資格はない。”」
「ん。どんな辛い事があっても、自分に”力”がなくても、諦めずにみんなの事を考えて行動するのが”王様”だよ。」
「…………ッ!」
「ヴァイスさん……エヴリーヌさん……」
「ハッ、随分と御大層なことを抜かしているが、”成り上がり”で”王”になったてめぇ自身が同じ状況になってもなお、それを言えるのかよ?」
ヴァイスとエヴリーヌの指摘に反論できないアリサが辛そうな表情で唇を噛み締め、アリサ同様トワ達もそれぞれ反論できず複雑や辛そうな表情を浮かべているのを見たセシルは複雑そうな表情をし、アッシュは鼻を鳴らしてヴァイスに問いかけた。
「無論だ。――――――”呪い”に限らず、この先クロスベルにどのような苦境が訪れようとも最後まで諦めず、抗う事がクロスベル皇帝たる俺とギュランドロスの”義務”なのだからな。ギュランドロスと共にクロスベル皇帝として即位した時点で、既にその覚悟もできている。」
「な……………………」
「なんて”覇気”と揺るぎない”意思”だ…………」
「これが”六銃士”の中で”王”になった二人の内の一人……”黄金の戦王”…………」
「私達はまだもう一人のクロスベル皇帝――――――ギュランドロス皇帝には会った事はないが……ギュランドロス皇帝はヴァイスハイト陛下はお互い”好敵手”の関係である事も考えると……やれやれ、間違いなくギュランドロス皇帝もヴァイスハイト陛下と同じ”器”なんだろうねぇ。」
自身の指摘に対して迷うことなく無意識に覇気を纏わせて即答したヴァイスにアッシュは絶句し、ガイウスは驚きの表情で、トワは不安そうな表情でそれぞれヴァイスを見つめ、アンゼリカは疲れた表情で溜息を吐いた。
「――――――政治討論はそこまでにしてもらおう。ここは病院だ。私達”医者”にとって”患者”に貴賤や外交は関係ない。政治討論がしたければ、アルバート達と好きなだけするがいい。」
するとその時セイランド教授がヴァイスを睨んで話を中断させ
「これは失礼した。――――――そういう訳で俺は戦後ユーゲント三世が生きている状態で今回の戦争に対する責任を取らせたいと思っているから、ユーゲント三世の事は頼んだぞ、セイランド教授。セシルはリウイに嫉妬されない程度で、看病等のサポートを頼む。」
「別に誰かに頼まれなくても、私は”医者”として最善を尽くすまでだ。」
「フフ、わかりました。」
セイランド教授の言葉に苦笑したヴァイスはセイランド教授とセシルに声をかけ、声をかけられたセイランド教授は静かな表情で、セシルは苦笑しながらそれぞれ答えた。その後ヴァイスを見送ったトワ達は行動を再開するのだった。
~ナースセンター~
「……予定時間をオーバーしたがそれなりに有意義な時間だった。そろそろ私も仕事に戻らせてもらおう。」
「はい…………お疲れさまでした!」
「――――――手術の方は頼む。オレが言えた義理じゃねぇがな。」
「アッシュ君……」
「フッ……ヴァイスハイト皇帝同様君に言われるまでもない。どんなに望みが薄くとも、諦めず最善を尽くすのが医者というものだ。それでは、諸君の検討を祈る。」
セイランド教授にユーゲント三世の手術を頼むアッシュの様子にアンゼリカが驚いている中、セイランド教授は静かな笑みを浮かべて答えた後その場から去った。
「ふふ、私達看護師も全力でサポートするから任せて。きっと成功させる―――いいえ、させてみせるから。」
「……ウス。」
「どうかよろしくお願いします。」
「というかもし手術でオリビエのお父さんが死んでも、セシルが蘇生魔術をかけてあげればいいんじゃないの?」
「少しは空気を考えて発言しろっつーの……ってか、エヴリーヌは何気なく”蘇生魔術”って言っていたが、マジで人を生き返らせるような魔術をあんたは使えるのかよ?」
セシルの言葉にアッシュが頷き、ガイウスが答えた後に呟いたエヴリーヌの言葉を聞いたその場にいる全員が冷や汗をかいて表情を引き攣らせている中呆れた表情で指摘したクロウはセシルに確認した。
「ええ、私の前世――――――ティナは”治癒”を専門とする”癒しの女神”の司祭だったから、その関係で治癒魔術もそうだけど、蘇生魔術も扱えるわ。………ただティナもそうだけど、私自身”術者”としての力はペテレーネさんにも及ばないから、あまり期待しない方がいいわよ?」
「ロゼさんを超える術者を基準にするのは色々と間違っていると思うのですが……術者としての力が違うと、治療にも差があるのですか?」
セシルの答えにトワ達と共に再び冷や汗をかいて表情を引き攣らせたアリサは我に返るとジト目で呟いた後セシルに訊ねた。
「ええ、ペテレーネさんのような”神格者”クラスかティアのように”魔神”の血を引いている事で”魔神”に備わっている莫大な魔力がある術者になると失明した眼に再び光を宿したり、魂が遺体にまだ残っていればある程度日数が経った遺体を”生者”として蘇らせる事も可能よ。」
「”術者としての力”が違うと治癒もそれ程までに差が出てくるのですか…………」
セシルの説明を聞いたガイウスは驚きの表情で呟き
「……だからこそ、できればエルファティシアさんの力も借りたかったのだけど…………さすがにそこまでしてまで、ユーゲント陛下に生きてもらいたいとは思っていないみたいなのよね、ヴァイスさんは……」
「えっと………そのエルファティシアさんという方は一体どんな方なんですか?」
複雑そうな表情で呟いたセシルの話が気になったトワは不思議そうな表情で訊ねた。
「エルファティシアさんはヴァイスさんの側妃の一人で、かつては”ルーンエルフ族”の女王だったルーンエルフ族の女性よ。」
「ちなみに”ルーンエルフ”は”エルフ”の中でも一番”力”を持っていて、その中でも”王族”クラスだったら、術者にもよるけど”神格者”や”魔神”とも並ぶエルフもいるよ。……リウイお兄ちゃんの新しい側妃の一人になったシルフィエッタもそのエルフの一人。」
「”シルフィエッタ”……あの時ミュゼ君達と共にアリシア女王陛下たちを訊ねたメンフィル側の使者だったエルフ族の女性か……」
「なるほどな…………要するに自分の女が持つ力を使ってでも、ユーゲント陛下に生きて欲しいとは思っていないってことか、あのクロスベル皇帝は。」
「………………」
セシルとエヴリーヌの説明を聞いたアンゼリカはリベールで出会ったシルフィエッタを思い浮かべ、疲れた表情で溜息を吐いたクロウの言葉を聞いたアリサは辛そうな表情で黙り込んでいた。
「思うところはあるけど、今はわたし達はわたし達の目的の為に気持ちを切り替えて行動を再開しよう。」
「ああ。確かあのチビ猫の話だと、”本来の歴史”のクロスベルの”特異点”とやらは湿地帯だったよな?」
トワの提案に頷いたアッシュはトワ達に確認し
「ええ。それにサラ教官の話だと、そこは元々蒼いプレロマ草の群生地でもあるそうだから、最有力の”候補地”ね。」
アッシュの確認にアリサは頷いた。
「病院を出てウルスラ間道の南に向かうとエルム湖の湿地帯が見えてくるわ。どうか気を付けて行ってきてね。」
そしてセシルからの情報を聞いたトワ達は準備を整えると湿地帯へと向かい始めた――――――
後書き
次回の湿地帯のイベントに起こる原作バトルは面倒なのでスキップします(オイッ!)その代わり、トワ達の後に現れるあるキャラによる原作閃4で戦うメンバー相手を蹂躙するシーンを書く予定です(黒笑)ちなみにその蹂躙するキャラは登場、戦闘シーンの際のBGMに”轟け、飛燕の力 戦士arr.ver”、”我が剣、飛燕の如く!”、”疾風怒涛!”のどれかがかかるキャラです(ここまで言えば、誰なのかバレバレww)
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