ヘタリア大帝国
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TURN34 開戦と共にその九
「ですが今は」
「あるとすればですね」
「我が国だけです」
セーラはネルソン達に言い切ってみせた。
「まさにです」
「そしてその騎士道で以て」
「武士を倒してくるのです」
「では」
ネルソンはロレンスに一礼して出陣した。無論イギリスも一緒だ。
そのネルソンとイギリスを見送ったのはロレンスだった。彼は親友と祖国に対して言った。
「では武運を」
「ロレンス、君は本国を頼む」
「そしてだな」
「女王陛下もお願いする」
「任せてくれ。私がいる限りは」
ロレンスもだ。微笑んでネルソンに返す。
「ロンドンには指一本触れさせはしない」
「そして女王陛下にもだな」
「そうだ。何があろうともな」
「じゃあ頼んだぜ」
イギリスは真剣な顔でロレンスに告げた。
「女王さんもな」
「わかっています。では祖国殿も」
「多分な。ベトナム辺りだな」
イギリスはこの国を話に出した。
「あそこで戦うことになるな」
「そうですね。マレーはおそらくは」
どうなるかとだ。ネルソンが話す。
「陥落するでしょう」
「そして四国とかもな」
「正直ある程度の侵攻は仕方がありません」
「後で取り返すしかないな」
「はい、そうです」
まさにその通りだというのだ。
「ですがベトナムで勝ちそのうえで」
「一気に解放していくか」
「そうしましょう。エイリスの栄光を守りましょう」
「そうしないとな。正直戦争がなくてもな」
イギリスは難しい顔になってこの国の名前を出した。
「ガメリカが大きくなってきてたからな」
「このままではガメリカに世界の盟主の座を奪われます」
「それがかかってるからな」
「はい、この戦争は勝ちましょう」
ネルソンは強い声でイギリスに述べた。
「例え何があろうとも」
「ああ。けれどな」
「そうです。騎士としてです」
勝敗以上にだった。ネルソンはそれを見ていた。
「正々堂々と戦いましょう」
「そうするか。日本とな」
「実は私は楽しみにしています」
「楽しみかよ」
「そうです。日本は武士の国です」
紛れもなくだ。日本は武士の国だった。
「その武士と戦えること。何という誉れなのか」
「そうだな。私も羨ましい」
ロレンスもだった。ネルソンの今の言葉に微笑んで言った。
「武士と正々堂々戦うことができるのだからな」
「悪いがこの誉れはだ」
「君が独占することになるな」
「そうだ。楽しませてもらってくる」
「では戦勝報告を待っている」
「俺も行くからな。日本は確かによくわからない奴だがな」
イギリスから見てもだった。日本は掴みどころがなかった。
だがそれでもだとだ。彼も言う。
「戦いじゃ正面から来る奴だからな」
「こちらもその正面からですね」
「ああ、迎え撃つぜ」
こうした話をしてだった。彼等は艦に乗り込む。その時にだ。
見送りのロレンスに敬礼した。そしてなのだった。
それぞれの艦に乗り出陣した。その時にだ。
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