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命の為に

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第一章

               命の為に
 山仲三咲はこの時必死に働きそしてだった。
 マンションを探していた、それで会社の同僚達にも聞いていた。
「ペット大丈夫なマンションこの辺りにないかしら」
「ペットが?」
「そうしたマンションない?」
 こう聞くのだった、黒髪を長く伸ばしていて穏やかな顔立ちをしている。背は一五九位ですらりとしたスタイルである。
「この辺りに」
「それならね」
 同僚の一人が三咲に話した。
「八条不動産八条鉄道の会社の最寄り駅の前にあるから」
「八条不動産ね」
「あそこはアパートもマンションも全部ペットオーケーらしいわ」
「そうなの」
「そう、だからね」
「八条不動産ね」
「そっちに行ってみたら?」
「わかったわ、じゃあ今日の帰りに行くから」
 三咲は同僚の言葉を聞いて言った。
「すぐに」
「そうするのね、ただね」
「ただ?」
「三咲ちゃん物凄く急いでない?」
 同僚は三咲の様子を見て彼女にこう言った。
「何か」
「ええ、ちょっと事情があって」
「ペット飼いたいの?」
「簡単に言えばそうなの」
 三咲は同僚に焦っている顔で答えた。
「急がないとね」
「駄目なの」
「そう思うから」
「ペット飼えるマンション探してるの」
「ペットショップもね」
 ここで別の同僚が言ってきた。
「買い手は他にもいるし」
「そうなのよね」
「やっぱり商品だしね」
「ネットでもそうよね」
「飼いたいと思っていてもね」
「自分より先に買われることもあるから」
「そこは難しいのよね」
 三咲の同僚達は口々に言った。
「どうしてもね」
「だから三咲ちゃん焦ってるのね」
「一生懸命働いていることはいつも通りだけれど」
「早く飼いたいから」
「それでなのね」
「そんなところなの」 
 三咲は同僚達に何かを隠している顔で答えた。
「実は、じゃあ早速ね」
「今日なのね」
「八条不動産に行って」
「それで新しいマンション借りるのね」
「そうするわ」 
 こう言って実際にだった。
 三咲はこの日の仕事が終わるとその不動産屋に行った、そうしてこの辺りで動物を飼えるマンションやアパートがないかと尋ねると。
 若い男の眼鏡をかけた社員が彼女に話した。
「我が社のマンションとアパートは全てペット可です」
「そうですか」
「はい、ですが」 
 ここで社員は三咲に顔を曇らせて話した。
「お部屋も一つ空いていますが」
「空いていますが」
「この辺りですよね」
「はい、そうです」
「そう呼ぶには少し微妙です、それに」
 ここで社員は三咲にその部屋を紹介した、その部屋はというと。 
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