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ヘタリア大帝国

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TURN33 マニラ攻撃その六

「それじゃあね」
「はい、それではですね」
「ミサイルや鉄鋼弾で戦いますか」
「そうするしかないね。じゃあやるよ!」
 キャシーは不利な状況でも威勢がよかった。その威勢でだ。
 彼女も出撃した。そのうえで日本軍と対峙した。しかしだ。
 数は少なかった。その数は。
「四十個艦隊というところですね」
「そうだな」
 東郷が秋山の言葉に応える。彼等は出撃してマニラ星域の前面に展開しているガメリカ、フィリピン連合軍を見て言った。その日本軍はというと。
「それに対して我々は十八個艦隊」
「敵の二倍以下ですね」
「しかしだ。敵は艦載機もビームも使えない」
 このことが大きかった。彼等にとっても。
「まずはミサイルと鉄鋼弾を主に使う敵艦を攻撃する」
「はい、そうしましょう」
「さて。敵は撤退を急いでいるな」
 見れば日本軍の前面に展開しているガメリカ、フィリピン連合軍の後方からはだ。どうかというと。
 艦隊での戦闘ができない部隊や艦載機、ビームのみの艦艇が戦場を離脱していっていた。マニラからハワイに向けて退いていた。
 それも見てだ。東郷は言うのだった。
「かなりの物資が逃げている」
「あの物資がハワイに向かえば」
「ハワイからの反撃が激しくなる」
 その物資を使ってだ。このことは容易に想像できたし言えた。
「少し叩いておくか」
「ですが司令、今は」
「要は前にいるガメリカ軍とフィリピン軍を叩くことだ」
「そのうえで、ですか」
「あの撤退する部隊も叩いておく」 
 これがここでの東郷の狙いだった。
「わかったな。それではな」
「わかりました。それでは」
 こうしてだった。日本軍は二倍以上だが慌しく動きしかも攻撃に制限がある連合軍に突撃を仕掛けた。そうしてだった。
 ガメリカ軍、フィリピン軍のミサイル巡洋艦や駆逐艦を集中的に攻撃を浴びせた。それにより。
 まずはそうした艦艇から炎に包まれる。艦艇が次々と破壊されていく。
 それを見てだ。ダグラスは忌々しげに呟いた。
「予想通りだがな」
「そうだな。これはな」
 アメリカが彼のその話に応える。ダグラスは旗艦エンタープライズにいる。
 アメリカは己の乗艦であるアメリカにいる。国家はそのままの名前の艦艇に乗っている。
「仕方がない。けれどだ」
「ミサイル攻撃用意!」
 残っている艦隊でだ。そうしろというのだ。
「いいな、やられっぱなしでいるな!」
「了解!」
「わかってます!」
 ガメリカ軍の将兵達は強い言葉で返す。そうしてだった。
 ミサイル、鉄鋼弾の攻撃にかかろうとそうした艦艇を前に出す。とりわけだった。
 駆逐艦で一撃を浴びせようとしていた。ダグラスは敵のビーム攻撃が終わったところで鋭い目になり日本軍の艦隊、魚の多いそれを見て呟いた。
「じゃあやってやるか」
「今から行くね」
「仕返しをしてやるさ」
 ララーとキャシーがモニターからダグラスに言う。
「数じゃまだまだこっちの方が多いし」
「ここは思いきりぶん殴ってやるか」
「ああ、特にな」
 ダグラスは今度はミサイル攻撃に入る日本軍を見ていた。その中でもだ。
 彼ははっきりと識別していた。軍の先頭に立って戦う敵の旗艦長門をだ。その目に見ていた。
 それでだ。こうララーとキャシーに言ったのである。
「ミサイルであの戦艦を沈める」
「あれは・・・・・・長門ね」
 ララーもその艦は知っていた。既に太平洋で最も有名な艦のうちの一隻になっていた。
 その艦を見てだ。それでだった。
 
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