開闢せし世界の運命
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3話
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図書室で読書してるときは大抵、ヒナコと一緒に読書してる。その大半が彼女からの質問ばっか、主に日本の質問ばっかりだったのを覚えている。
シミュレーターでの戦闘訓練でも、予想とは違う考え方で魔術を使用する俺にキリシュタリアは
「零士。キミは普通の魔術師とは違う考え方をしてる」
と述べられ、ヒナコからは
「頭の回転が一段と速い」
とまで述べられてたのだった。
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そこから、一、二年の時が経ち、今度はベリル・ガット、スカンディナビア・ペペロンチーノがAチームに加わったのだった。
俺は一年前にAチームに加わったので、キリシュタリア、デイビット、ヒナコがいつからカルデアにいたのか皆目見当がつかなかった。
まず、一言で言えるとしたら、ぺぺは間違いなく、オネエだ。間違いない!! 此は断言できる!! と俺は心の中で叫んだ。しかも、協調性があるというか話し合うことが多かった。
ベリルに関しては、何やら、殺人鬼を思わせる雰囲気を感じとれたけど、俺からしたら、頼りがいのある兄貴に思えた。なので、俺は心から許せる存在だと認識した。っていうか、比較的に視れば、Aチームのメンバーだけは、心を開いて許せる人たちだと俺は考えてると思う。
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さらに、一、二年の時が経ち、十七、十八の時にカドック・ゼムルプスとオフェリア・ファムルソローネそしてマシュ・キリエライトがAチームの仲間入りした。この中で最年少なのは、おそらく、俺、オフェリア、カドック、マシュあたりだろうな。
おっと、そういえば、マリスビリーも謎の死を遂げたけど、俺たちを集めるような奴が死ぬようなたまじゃないのは理解してるし、きっと、何処かで生きてるだろうと頭の片隅に仕舞い込んでいたのだった。
Aチームのメンバーが一通りに揃ってから、数日後のことだった。
「おはよう、ぺぺ。隣いいか?」
「あら、おはよう、零士。もちろんいいわよ」
珍しくも朝早く起きて食堂に来て朝飯を食いにきた。普段は、古事記と日本書紀を読んだり、個人的な趣味の本を読んでることが多いから。知らず知らず、寝坊してしまうことがある。
おっと、そんなことを考えてるうちに、ぺぺの隣に座り、トレーを置いて、顔を見上げたら、ぺぺの正面には最近、仲間入りしたオフェリアが座っていた。
「えっと、最近、Aチーム入りしたオフェリア・ファムルソローネでしたっけ、おはよう」
「・・・・・・おはようございます。貴方は・・・・・・」
「俺は海藤零士。零士と呼んでくれ。名字で呼ばれるのは好きじゃない」
「分かりました。では、零士と呼ばせてもらいます」
「おう、よろしく」
俺はそのまま、食事をし始める。なにやら、ぺぺから話しかけられてるも、俺はさっさと食事を済ませる。どうせ――、
「零士くん」
俺の後ろにやってくるうざったいドクターが来やがった。
「キリシュタリアくんが君を呼んでいたよ」
またかよ、キリシュタリアも、また、俺の智慧がほしいのか!? 嫌になるぞ!?
「分かった。食事を済ませたら、そっちに向かうよ」
「うん、そうしてくれる嬉しいよ。じゃあ、報告したからね」
やっと、うざったいドクターもいなくなって、俺はハアと息を吐く。そしたら、ぺぺが
「あら、零士ったら、キリシュタリアから呼ばれるなんて、余程、信頼されてるのね」
話しかけてくるのは嬉しいけど、その言い方はうぜぇよ。
「彼奴だって、頭良いだろう!?」
俺はさっさと、食事を済ませて、
「ごちそうさん。さてと、行くか」
俺はトレーをもって、席を立つ。
「もういっちゃっうの?」
「行かねぇと、なにをしでかすか分からんからな彼奴は・・・」
俺はそう告げて、さっさとどっかへ行くのだった。
それを見ていたオフェリアは
「・・・・・・アレが、海藤零士ね。貴方はなにか知ってるの?」
彼女はぺぺに零士について聞いてみた。
「さあ? 私も彼についてはさっぱりよ。でも、他のメンバーだったら、知ってるかもね?」
「・・・そうね。聞いてみるのも悪くないわね」
彼女は零士について、他の人から聞くことにしたのだった。
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オフェリアサイド
さてと、とりあえず、零士について、一通り調べてみましょう。時計塔では考古学の秀才といわれてるけど、実際の所、よく分からないから。
ひとまず、カルデアのスタッフから聞けたことは、私よりも四年の早く、カルデアに来られて、Aチーム入りを果たしたことね。
あとは、時計塔で知られてるのと同じことが聞けたぐらいかしら。私よりも一年早く、Aチーム入りしてるペペロンチーノやベリルでも知らないって言っていたわね。それだったら、他のメンバーに聞いてみましょう。
でも、デイビットは話してくれなそうだし。キリシュタリアさんは話しづらいわね。
そう思ってたら、いつの間にか図書室に来ていた。そしたら、そこには、本を探してるマシュと読書をしてる眼鏡をかけた女性が座ってた。私は眼鏡をかけた女性の方に歩み寄り、
「・・・ちょっと、良いかしら」
話しかけてみると、眼鏡をかけた女性は目線だけ私の方に向けて
「・・・・・・誰?」
観察をしてる視線ね。でも、ここは
「私はオフェリア・ファムルソローネ。最近、Aチーム入りしたマスター候補よ」
「・・・芥ヒナコよ。私もAチームのマスター候補・・・・・・それで、何のよう?」
彼女は訝しげに視線を向けてくるので、私は率直に話し始める。
「ちょっと、聞きたいことがあったの」
「・・・・・・聞きたいこと?」
「海藤零士についてよ」
私が零士のことについて聞いたら、芥ヒナコは視線を私の方に向けて、本に栞を挟んでから、閉じる。
「・・・・・・零士のこと。知ってることなら、話すけど・・・・・・」
彼女が零士のことを知ってそうだったので、話にのろうとしたとき、
「あれ? オフェリアさんに、芥さん。こんなところで何をしてるのですか」
此にやってくるのは、ショートのうすピンクの髪をして、片眼を隠し、眼鏡をかけた少女が歩み寄ってくる。
「・・・・・・いえ、海藤零士について聞こうかと思って・・・・・・」
「零士さんですか? 私も表面的な部分しか知り得ていません」
「だから、彼女に聞こうかなって思って・・・・・・」
「・・・・・・それについては良いけど、零士はどうしてるの?」
「・・・・・・彼はキリシュタリアさんの方に行ってるわよ」
「だったら、チェスでもしてるんじゃないかしら」
「チェス?」
「・・・・・・零士はAチームの中で随一の頭脳を持ってる。だから、キリシュタリアに呼ばれては、相談事をしながら、チェスをしてるそうよ」
「そうなんですか。ちなみに勝率は」
マシュは何気ないことを聞いてくるとヒナコは
「六:四らしいよ。零士が六で、キリシュタリアが四らしいけどねって、それよりも零士のことが知りたいのでしょう」
「そうね、話してくれるかしら。零士について」
「・・・・・・まず、初めに言っておくけど、零士は普段は人から接しやすいけど、本当は人をあまり信用していない」
彼女の口から出た言葉に私とマシュは驚きを覚えた。
「・・・・・・どういうこと?」
「此は、彼から聞いた話。彼は物心をついた以降から、親の愛情を受けていない。見捨てられて、嫌われてしまった。時計塔にいた頃は、一匹狼であることを隠して、協調性に富んだ人になったらしい」
「どうして、嫌われたのですか?」
「彼は両眼とも魔眼らしいよ。左眼は眼帯してるけど、右眼は自分の意志で変えられるらしい」
ヒナコが言ったことに私は驚いてしまった。まさか、私と同じ魔眼の使い手がいたなんて。しかも、両眼も魔眼なんて夢にも思わなかった。
「ついでに言えば、零士は自分から心が開いた人にしか信じないらしい。欲を言えば、Aチームは気が許せると思うよ」
「ありがとう・・・・・・」
私は芥ヒナコにお礼を言ってから、席を立ったけど、彼女はこう言ったことを口にする。
「零士はたまにここで、本を読んでるから。話しかけたければ、ここに来ると会えるよ」
教えてくれた。
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後書き
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