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剣を舞う男の娘

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3話

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 三人称サイド

 ヘルトが師匠の話を終えたら、ルビアは

「アーヴリル・シェルマイス・・・冒険者としてなら超一流って聞いてるわね。魔法も使えて剣士だったってお父様から聞いてる」

「私も同じよ」

「私は彼を目指して魔法剣士にしたの」

 シャオとレオノーラも同じことを口にした。

 師匠の話を終え、次の話にレオノーラは

「それにしても、ルビアは魔法使いなのにヘルトがパートナーなんて恵まれてるよね」

「まあ、その辺りは運ね。ちょうど、席が隣だったからよ。あと、魔力量が桁違いなわけを聞きたくてね」

「魔力量?」

「魔法使いは魔法使いを知る。ヘルトは魔法使いでありながら剣を扱うのよ。多分、最初は貴族だから剣は飾りだと思ったけど、剣を扱ったときの流麗なダンスを見て、剣士が本職じゃないのって思ったけど、彼の異常な魔力量が気になってね」

「なるほどね」

 ルビアが言ったことにレオノーラとシャオはなるほどと納得した。



 翌日か、後日。

 クラスの担任の先生から呼ばれたヘルトとルビア。内容は

「ランカスターとフーからパーティー申請書を受け取ったぞ」

「はい?」

「いつの間に・・・」

「4人とも、入学成績が10位以内で優秀だし。バランスの良いパーティーじゃないか。大いに期待してるよ。それと、キミたち宛に届いたものだ」

 と言って封をした手紙を渡された。



 職員の部屋から出たところでレオノーラとシャオと出会い。そこで、パーティーとして組んだことに申し訳なさそうに言うも、

「そんなの組んでみないとわからないだろう」

「そうよ。パーティーとして行動してから考えましょう」

 意見を口にした。あと、彼女たちにも先生から渡された手紙を見て、シャオが言うには、

「おそらく、『園遊会』の招待状ね。しかも、ブライヒレーダー辺境伯様の」

「ブライヒレーダー辺境伯様の!? それは断れないわね」

「どうしてだ、ルビア?」

 ヘルトは意味が分からず、首を傾げる。

「「「えッ!?」」」

 これには、ルビアだけじゃなく、レオノーラとシャオすらも驚きを隠せない。

「だって? 寄親の『園遊会』だよ。出席しないと家の伯に泥を塗る行為!?」

 レオノーラが言ったことにうんうんと頷くルビアとシャオ。だけど、ヘルトは

「だけど、俺・・・バウマイスター家の九男だぞ。ピンとこないよ」

「「「あっ・・・」」」

 ここで、3人はヘルトの実家のことを思い出し、悄げるのだったが、

「それにヴェル兄も招待されてるはずだろう。なんで、俺も?」

「寄子の代理じゃない」

「あっ、なるほど」

 ヘルトはここでようやく、理解するもルビアたちが妙に重い空気になってるわけが分からなかった。

 そのわけは正装の仕立てに時間とお金が掛かるからだ。

 あと、ヘルトの見立てて3人に似合うドレスなんかも判断してやった。

 自分も髪の毛は下に結わえる形で仕立てていく。

 仕立て終えると費用が2000セントという高い費用が掛かった。

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 ヘルトサイド

 ひぇええええ・・・服の仕立てだけでどんだけ金を取られるんだよ。師匠の貯金からちょっとだけ使う羽目になったじゃないか。

 まあ、後で、ルビアたちと一緒に報酬の良いバイトで払ったぶんを回収しないと・・・。

 とりあえず、受付で聞いてみたら、空きが8つもある合同バイトがあるので、それを受けてみるか。

 だけど・・・

「複数のパーティーとですか?」

「ええ、ちょうど、8名から紹介して言われたから。とりあえず、中庭で待機していて」

「って・・・言ってますけど、どうします?」

「良いわ。そのバイトにしましょう」

「うん、そうしよう」

「私も問題ない」

 ルビアたち3人も納得してもらえた。



 俺たちは中庭で会話を弾みながら待機していると残りのパーティーもやってきた。

 って・・・そのパーティーがまさか・・・

「まさか、ヴェル兄のパーティーか」

「俺も驚いたよ。もう1つのパーティーがヘルトのだったとは・・・」

 俺とヴェル兄は最近ぶりの挨拶をする。

 だけども、ヴェル兄のパーティーメンバーと俺のパーティーメンバーとは初対面だったな。

 まずは、自己紹介からだな。

「じゃあ、お互い自己紹介しよう。合同でする以上、知古を増やしていくのも悪くないからね」

「そうだな」

 あれ、ヴェル兄がちょっとだけ狼狽えてるけど・・・



 そこから、俺たちは互いに自己紹介した。

「私はイーナ・ズザネ・ヒレンブラント。イーナで良いわ」

「僕はルイーゼ・ヨランデ・アウレリア・オーフェルヴェーク。ルイーゼで良いよ」

「俺はエルヴィン・フォン・アルニム。エルで良いぞ」

「俺は知ってると思うが、ヴェンデリン・フォン・ベンノ・バウマイスター。ヘルトの双子の兄。ヴェルで構わないよ」

 ヴェル兄たちの簡単な自己紹介を済ませると

「私はルビア・フォン・エルステイン。ルビアで構わない」

「私はレオノーラ・フォン・ランカスター。レオノーラと呼んでください」

「私はシャオ・フォン・フー。シャオで良いよ、よろしく」

「俺はヘルト・フォン・ベンノ・バウマイスターだけど、5歳の頃に事故で遠い土地に流されちゃって記憶が曖昧になって、今はヘルト・シュバルツ・フォン・シェルマイスっていうんだ。ヴェル兄とは双子の弟だから。ヘルトって呼んでくれ」

 俺たちも簡単な自己紹介を済ませたら、そのまま、バイトの害獣退治に向かった。

 向かう最中、ヴェル兄にバイトを受けたわけを聞く。

「え? ブライヒレーダー辺境伯の『園遊会』に招待された・・・兄さん()?」

「ま、まあな・・・()ってことはヘルトもか」

「ああ、招待状を貰ったんだ」

「それは災難だな」

「本当だよ」

 話し合ってる中、イーナとルイーゼが俺とヴェル兄を双子なのかと少々疑惑の目を向けていた。

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 三人称サイド

 ヘルトたちは果樹園にやって来たら、依頼主から事情を聞いた。

「昼間の被害はまだマシなんだが、酷いのが日暮れ後なんだ。しかし、害獣の正体がはっきりと見ていないんでなんともなぁ」

 その話を聞いてヘルトとヴェルは

(日暮れまでまだ時間があるな)

「あの、昼間の被害って鳥なんですか」

「うむ。人間がいると近づいてこないんだが、かといって四六時中監視もできんし困ったものだよ」

 依頼主からそれを聞いて、ヘルトはピンとあることを思いつき、

「すみません、いらない鏡とか服はありますか」

「それなら、あの小屋にあるもの好きなように使って良いよ」

 依頼主に言われて、ヘルトたちは小屋の中に入ると、中には、いろんなものがいっぱいあった。

「オォ~、いっぱいあるな」

「これだけあれば使えるな」

「兄さん。何をすればいい」

「そうだな――」

 そんなこんなでヴェルとヘルトの協力にするよう、動き始めるルビアたち。

 2人が用意していくのは害獣対策の道具ばかりである。

 鏡を紐に吊して反射するようにする鳥よけの道具。紐の振動で音が鳴る道具。案山子みたいな道具などを準備していたところで、小屋の外からキッ、キキッという鳴き声とガタンという物音が聞こえた。

 外へ出てみると木の枝の上にいたのは猿の大群。

 その大群を退治していくんだけど・・・何故か、ルビアたち女性陣が果敢に退治していき、ヘルト、ヴェル、エルはなにもせずに終わったのだった。

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後書き
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