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ポケットモンスタージェネシス"the world ”

作者:スズ
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第6話 ようこそギャラクシー号へ!

医務室

「よし、ここだよ!」


サーナイトの力で那須を台車からベットに乗せて布団をかける。そして、体温計で熱を測った。

ピピ


「ゲッ39.4度。やばいよ」


「みんな待ってて!!ちょっと行ってくる」

「え、ちょっと!!」


エリの素早くどこかに行ってしまった。

「「「「・・・・・」」」」


「うぅっ!!」


「・・・・那須先輩辛そう・・・」

日浦は今までに見ないくらい辛そうな表情の那須に沈痛な表情で今にも涙がこぼれそうである。
「日浦・・・・・」
奈良坂もそんな日浦の表情を見て、何とも言えない気持ちになった。師匠としてこういう時に何も言えなくなるのかという思いが交差する。

「ルリ?」

トコトコ

「ルリルリ」

「え?」

そんな日浦を慰めに来たはルリリだった。突然のポケモンに驚く一同。そんなこともお構いなしに日浦の服に尻尾を優しく充てて慰めてる(?)ルリリだった。
その愛らしさに次第にいつもの調子になった日浦には笑顔が戻る。
その様子を見ていた熊谷、奈良坂、志岐の三人はほっとするのだった。

「お待たせ!!あれ?ルリリもいたの!?」

「エリちゃん!どこに行ってたの?突然走って!」
「ごめんなさい・・・氷とか探してたんだ?」
「の割には何も持ってないみたいだけど?」
「えへへ。だから作ろうと思って!」

ルリリがいるならちょうどよかったとエリはそういいボウルを用意し、

「行くよルリリ、このボウルに優しく水鉄砲で水入れて」

「ルリー」


優しく吐き出された水をボウルにためていく。

「よし、次は凍らせなきゃね!!」

「グレイグレイ」

エリの陰で隠れていたらしいグレイシアの凍える風で水を凍らせる。

「すごい!!」

「後はこれを壊すだけだね!!」

「プクプク!!」

「あれ?ピンプク?あなたも来たの!?」
「プク!」
そういってベットに飛び乗った。

「ピンプク!そこ病気の人が寝てるんだから静かにしてなきゃだめだよ!!」

「プクー?」
ピンプクはあたりをきょろきょろして那須を見つける。
「・・・・」ピト

「プクー!?」

どうやらかなり熱かったようだ。

「プクプク・・・・プクッ!」

そしてピンプクが見つけたのは先ほど凍らせたバケツである。

「ピーンプク!!」

ドゴ

「おぉ!!」

「すっごい!!」
「これは・・・・はたくかな?」
「なんていうパワーだ!!」
「すごいよ。よしこれで!!」
砕かれた氷を袋に詰めてゴムで止める

「プクプク!!」
「ピンプクが持って行ってくれるの?」
「プクプク!!」
「じゃあこれ優しくおでこに乗せてあげて」
「プク!!」

小さな体で懸命に腕を伸ばしていたピンプクに氷袋を託し、ピンプクは慎重に持って那須の頭にのせる。
「・・・・・・」

少し、顔色も戻ったようだ。

「プクプク!!」ニコニコ
「ピンプクも嬉しそう!」

「おぉ、エリ。待たせたな」

「師匠!!みんな!紹介するね。この人がここの所有者であたしの師匠なの!」
「あとで他の人にも紹介するけど俺の名はハルだ」
「よろしくお願いします。」
「すみません。勝手に入ってしまって」
「いい。気にするな。むしろ俺のポケモンたちに何かされなかったか?」
「いえ。全然大丈夫です。玲を運ぶのに手伝ってくれましたから」

「若干1名、攻撃仕掛けそうになってたけどね」

「「「「(それは言わなくていいんじゃないかな)」」」」

「全く、大体どいつかは想像できるんだが。すまないな」

「いえ、もとはといえば自分たちが不法侵入したのがいけなかったんですから」

それに、攻撃されたわけじゃないですから。怒らないでください。

「そういってもらえるとこちらとしても助かるよ」

さてと、この子のことは俺に任せてくれ

「薬を持ってきたんだ。」

「その薬ってもしかして・・・・!?」
「あぁ、元気の塊や回復の薬などポケモンの薬に使用される薬を調合したものだ。」
「人間にも大丈夫なんですか?」
「うん。何年か前にね。ポケモンの薬を人間薬としても使用可能なことが研究結果でわかってるんだ。」

「あぁ、だけどその前にタブンネ!いやしのはどう」

「タブンネ~」

タブンネのいやしのはどうが発動しやさしい光がつつみこんでいる。


「よし、顔色もよくなってきたな。これですぐに意識もはっきりとしてくるだろう。そうしたらこのゼリーを食べさせてからこの薬を飲ませると」

ハルの言う通り、那須は数分もしないうちにはっきりと意識が戻った。

「どう?大丈夫?玲」

「うん。ありがとう」

「プクプク!!」
「ルリ!」

「この子たちも。手伝ってくれたんだよ!」

「あなたたちもありがとうね。」なでなで

「プク」
「ルリ~」

ピンプクとルリリはなでてもらって嬉しそうにしている。

それからオボンの実をすりおろしたゼリーを飲ませてから薬を飲ませた。
「これでもう大丈夫だろう」

「「「「ありがとうございます」」」」

「それじゃあ。あいつらにも状況説明しに行ってくるよ。」
「ありがとう。奈良坂。そうだ!茜、小夜子。あなたたちも行きなさいよ」
「え?でも・・・」

「小夜ちゃんも茜もありがとうね。でももう大丈夫だから楽しんで」

「なにかあればすぐに知らせるよ。」

「・・・・茜行こう。ハルさん。よろしくお願いします」
「よろしくお願いします」

「ルリ?ルリー!」

奈良坂の後を追おうとして後ろを向いた日浦の腕の中にルリリが収まる

「あれ?ルリリ?」
「もしかして一緒に行きたいんじゃないかな?」
「あぁ・・・・良ければ。みんながいるところに連れてってくれないかな」
「え?」

「・・・・・」じー


「わかった!一緒に行こう。」

「ルリ!」

そういって日浦と志岐は部屋を出ていった。


「よかった!茜ちゃんも嬉しそう。」

「ルリリも一緒についていけて嬉しそうだったね。ハルさん?」

「あぁ(それにしてもあそこまで初対面の人に懐くとはね。優しい心を見抜いたかな。他の人たちにも会うの楽しみだな)」


「さっきの薬を飲んでから。すごく調子がよくなったわ?」
「それ・・・・ほんと?無理してない?」
「えぇ・・・・全然大丈夫よ。」

「わかった。じゃあ少し休んだら向こうに行こうか。俺も挨拶しようと思ってたしな」

少し休んだら他のメンバーのもとに行こうとした




______________________________________________


多目的室ホールでは那須の体調がどうなのか心配で落ち着きがない様子だった。


ウィーン

「あ、奈良坂、日浦に志岐もか」

「那須の体調は大丈夫なのか?」

「あぁ、今は熊谷とエリ、ハルさんがついてくれている。もう大丈夫だそうだ」

「ハルさんって?」
「この船のオーナーだそうだ。」


『ハルというのは我がマスターのことだ。』

「そうなのか、ということは先ほどのピジョットと呼ばれるポケモンやサーナイトと呼ばれていたのもそうか?」
『あぁ、お主らが初めに相対したジュカインやピカチュウ、ヨルノズクもそうだ』


「・・・・・なんか仲よさそうだな。」
「おまえらと別れた後、情報を共有しているうちに話せるようになった。」

すっげーいいやつなんだぜ。

米屋や出水はすでになじんでいるようだ。




一方で

「おぉ!これもポケモンなのか!?」

「うん。ルリリって言うんだって」
「ルリ!!」
「「「「かわいい!!」」」」

ここは中学生組の集まりである。日浦が戻ってきたことにいち早く気づいた空閑が中学生たちに声をかけ集めたのだ。
そして女性陣を筆頭に日浦の腕の中にいるルリリに夢中である。
ルリリもこんなに大勢に見つめられることになれていないのか戸惑っていたが、日浦が頭をなでると落ち着いたようですっかり笑顔ではしゃいでいた。
「そうだ。那須先輩は大丈夫なのか。」
「うん。今ねハルさんっていうこの船のオーナーさんがついてくれているの。それに熊谷先輩が一緒だから」



そして・・・・・


「みんな、すっかり落ち着いているようだな」

「あ、ハルさんだ」

「へぇ~あの人が・・・・」

代表で東が挨拶をする

「すみません。不法侵入みたいなことをしてしまって。それに那須のことも助けてくれてありがとうございます。」
「いえいえ、それはお互い様ですよ。それに何か事情があるみたいですし」

あと、別に敬語はいらないです。

「そうか、では俺のことも敬語はなくしてもらえると有難い」

「え?ですが、さすがに年上にタメ語で話すのは。」

「ここにいさせてもらっているんだ。ここのことを教えてもらう代わりにということでどうだろう」

「わかりまし・・・・わかった」

「(そんなに敬語でしゃべられるのが嫌なんだ・・・・)」



東の新たな一面が見られたところでほんだいだ




 
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