ヘタリア大帝国
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TURN31 開戦その一
TURN31 開戦
東郷に逆にしてやられたハニートラップは香港に潜伏していた。だが、だった。
ちょっと外出するだけでだ。すぐにだった。
「おいおい、あの娘だぜ」
「ハニートラップだぜ」
「中帝国の有名スパイだぜ」
「ここにいたんだな」
「香港に」
「違うわよ!」
一応サングラスをしているがそれでもだった。モロバレの状況で言い返すのだった。
「あたしはハニートラップなんかじゃないわよ!」
「もうモロバレ的な?」
香港もいた。彼も言うのだった。
「ハニートラップはわかりやすい的な」
「げっ、香港さん」
香港が前に出て来てだ。ハニートラップはぎくりとした顔になってドン引きした。
そこからすぐに戻ってだ。こう香港に言い返した。
「何でここにいるのよ」
「ここ香港、俺だから的な?」
だからだと。香港は平然として返す。
「それで、的な」
「それでって」
「そう。だからここにいる的な」
「うう、そういえばそうね」
「もっと言えばハニートラップ逃げられない的な」
「えっ、まさか」
「包囲されている的な」
香港がこう言うとだ。ハニートラップの後ろにだ。
香港妹がいた。彼女は自分の方に振り向いてきたハニートラップに対して告げた。
「もう逃げられない的な。だから」
「投降しろっていうの?」
「そういう的な」
「投降したら拷問受けるじゃない」
ハニートラップは彼女の常識から答えた。
「そんなの絶対に嫌よ」
「大丈夫的な?」
「杞憂的な?」
これが二人の返答だった。香港兄妹の。
「東郷さんも日本さんも帝もそんなことしない的な」
「優しい的な」
「そういえばあの長官って」
東郷の名前が出てだ。ハニートラップは少し落ち着いた。
そのうえでだ。こう言ったのである。
「女好きだったけれど紳士だったわね」
「だから大丈夫的な」
「私達も普通に扱ってもらってる的な」
「ついでに言えば先生みたいに歳を感じさせない的な」
「若い的な」
「日本はどう見ても若くないでしょ」
ハニートラップは東郷はともかく日本はそうだとだ。サングラスの奥の目を顰めさせて言った。
「若く見えても幾つなのよ」
「知らない的な」
「実際は結構高齢的な」
「まあとにかくね。逃げられないのはわかったわ」
香港兄妹に囲まれてはだ。どうしようもなかった。
「それじゃあ。投降するわね」
「歓迎する的な」
「ようこそ的な」
こうしてハニートラップは無事かどうかわからないが日本帝国に投降した。そうしてすぐに東郷の前に連行されるとだ。彼にこう言われたのだった。
「久し振りだな」
「ええ、会いたくなかったわ」
うんざりとした顔でだ。ハニートラップは東郷に返した。
場所は海軍長官室だ。日本、その高齢の彼と秋山もいる。
その二人も前にしてだ。ハニートラップは言うのである。
「全くね。逃げられなかったわ」
「ははは。こちらも逃がすつもりはなかったさ」
「そうみたいね。それでどうするのよ」
ハニートラップは笑う東郷に問うた。
「あたしを。やっぱりスパイとして処刑?」
「いや、それは考えていない」
東郷はハニートラップのその問いは否定した。
「全くだ」
「じゃあ本国に送還?」
「そうしてもいいが。そうだな」
東郷は本題に入った。
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