| 携帯サイト  | 感想  | レビュー  | 縦書きで読む [PDF/明朝]版 / [PDF/ゴシック]版 | 全話表示 | 挿絵表示しない | 誤字脱字報告する | 誤字脱字報告一覧 | 

オズのハンク

しおりを利用するにはログインしてください。会員登録がまだの場合はこちらから。 ページ下へ移動
 

第二幕その五

「オズの国ではね」
「中南米のピラミッドでも」
「そこに中南米の神々がいてもね」
 それでもというのです。
「絶対にないよ」
「それじゃあ捧げるものは」
「玉蜀黍とか作物とかね」
 神官さんがお話します。
「お肉とかだよ」
「お肉ですか」
「そういうものを捧げてね」
 そうしてというのです。
「後で私達が食べるんだ」
「その作物やお肉を」
「そうしているよ。例えば牛の心臓を捧げて」
 ピラミッドにおいてというのです。
「その心臓を食べるんだ」
「美味しそうですね」
「そう、実際に美味しくね」
 神官さんはカルロスに笑顔で答えました。
「食べているよ」
「捧げた時は」
「生贄なんてとんでもない」
 神官さんにしてもです。
「そんなことをしても意味はないしね」
「そうよね、生贄を捧げても」
 ベッツイも言います。
「それで神様が喜ぶか」
「人の命を捧げてね」
「気持ちを受け取るものよね」
「だから食べる前のものをね」
「収穫をなのね」
「そして食べられる喜び、その命を頂く」
 食べるもののそれをというのです。
「その為の捧げもので」
「生贄はね」
「私達もしていないよ」
「そうよね」
「ちなみに今からね」
「今から?」
「捧げものをして」
 今お話しているそれをというのです。
「この神殿の周りの村の人達で食べるんだ」
「そうするのね」
「玉蜀黍やお肉、ジャガイモも捧げて」
 そしてというのです。
「そのうえでね」
「皆で食べるのね」
「そしてお酒も飲むよ」
 こちらも楽しむというのです。
「皆でね」
「お酒もなのね」
「リュウゼツランで造ったお酒をね」
「テキーラだね」
 そのお酒は何か、カエルマンが言いました。
「それをだね」
「そうだよ、君達もどうかな」
「その前に」 
 ベッツイが神官さんに答えました。
「私達もね」
「捧げものを行う儀式にかな」
「参加していいかしら」
「是非共」
 神官さんはベッツイの申し出に笑顔で答えました。
「参加してくれるかな」
「いいのね」
「来る者は拒まずだよ」
 だからだというのです。
「私達の教えではね」
「だからいいのね」
「外の世界の信仰は知らないけれど」
「オズの国ではね」
「私達は来る者は拒まずで」
 それでというのです。 
ページ上へ戻る
ツイートする
 

全て感想を見る:感想一覧