ようこそ、我ら怪異の住む学園へ
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其の壱 四番目の鬼神様
第三話 手伝う
『さあて、少年。手伝ってほしいことがある。勿論、君が死ぬために必要な順序のひとつさ』
髪を引っ張られ、元宮は無理矢理上を向かされる。痛みと驚きで、微妙な表情を浮かべるが、四番目は気にしない。
『この学校の校庭に、大きな大きな桜の木があるだろう? そこへ行こう!』
確かに、この学校にはそれは大きな桜の木がある。だが、その桜の木にはとある噂があって。
———昔々、学校が出来るよりも前のこと、ここは戦場だった。
この足元で何百、何千と人が死に、今でも戦争の跡は深く残っている。
その戦争の中で、とある兵士が軍医に恋をしたらしい。
共にこの戦争を生き残り、終わったら結婚しようと約束していたそうだ。
だが、兵士とは勿論自ら肉壁となり、軍の勝利のために犠牲となるのが定めである。
当然のように、彼は死んだ。素晴らしい散り方だったらしい。
それを聞いた軍医は、悲しさのあまり、自らの首を掻っ切り……死んだという。
切られてしまった運命を再度戻すかのように、赤い糸を自らの小指と兵士の小指に巻きつけてから。
それが、今の桜の木が埋まっている場所の丁度下であった出来事なんだとか。
今でも二人はその場所で幸せにしているらしい。
桜の元で結ばれた二人を呪い、生気を吸い取りながら———
この学校のほとんどの生徒が知っている、『愛の桜』の噂。
非常に恐ろしい話なのだが、そこで告白をすると必ず成功すると言われていて、そこでの告白は絶えない。
だから、犠牲者も絶えないわけで———
『そう。その犠牲を止めるべく私はそこに用があるのさ……付き合ってくれるね?』
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