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レーヴァティン

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第百四十話 空の前哨戦その二

「一気に進んでな」
「そのうえでか」
「砲撃船そして術や鉄砲での攻撃に持ち込んでな」
「勝つんだな」
「そうする」
「砲撃ならな」
 これについてだ、久志は話した。
「もう遠慮なく爆裂弾や火炎弾使ってな」
「敵船を壊して燃やしていくか」
「術もな、火の系統のをな」
 こちらの術をというのだ。
「使っていくな」
「いいことだ、俺っち達の船も同じだが」
「この浮島の船はまだ木製だからな」
「木は火に弱い、しかもだ」
 芳直は久志に話した。
「船には火薬が多く置かれている」
「油だってあるしな」
「そうだ、そしてだ」
 芳直はさらに話した。
「揮発性のものも置かれていたりする
「船はそのまま火薬庫みたいなものだからな」
「一旦火が点くとな」
「ちょっと消火間違えたら果てしなく燃え上がるよな」
「それが船というものだ」
「鉄製の船でも燃えるしな」
 燃えない船なぞない、若し鉄の船が全く燃えないのならば二度の世界大戦で炎上により損害を受けた船はなかったことになる。
「木だと余計だ」
「それでだな」
「攻撃にはな」
「遠慮なくだな」
「爆裂弾に火炎弾を使って」
「火系統の術を使うか」
「俺達にしてもな」
「そうして敵の船を焼いていくか」
「一隻ずつでも確実にな、こっちが勝っているのは軍船の数と質だけじゃないからな」
 敵艦隊が警戒しているこの二つだけではないとだ、久志は不敵な顔で話した。不敵な顔であるが気を引き締める為あえて笑みにはしなかった。
「大砲の数にな」
「そうした弾の数もですね」
 源三も言ってきた。
「そしてその内容も」
「こっちは本当にな」
「爆裂弾に火炎弾」
「こうしたものをこれでもかと用意したんだ」
「それを使っていきますね」
「最初からな、もう一気にな」
 最初の攻撃でというのだ。
「使っていくぜ」
「そうして敵に打撃を与え」
「そしてな」
 久志は源三にさらに話した。
「出来るだけ爆裂弾とかはな」
「船内に置かないですね」
「こっちが燃やすってことはな」
「こちらもですからね」
「下手に攻撃を受けたらな」 
 船がそうされた時にというのだ。
「それが燃えてな」
「どちらも火薬や油の塊ですからね」
「船が爆発とか大炎上して」
「沈みかねないですね」
「だからな」
 このことが危惧されるからだというのだ。
「もう最初にな」
「一気に使いますね」
「それで敵にぶつけてな」
「より打撃を与える」
「そうしていくな、そして術もな」
 火系統のものも含めてであることは言うまでもない。
「使える奴はな」
「こちらの方が多い」
「それもかなりな、だからな」
「こちらもですね」
「使っていくな、艦隊戦は火だ」
 何といってもという言葉だった。 
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