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レーヴァティン

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第百三十九話 西への出航その九

「やけにでかい軍隊持ってな」
「その国に分不相応にね」
「それに個人崇拝にな」
「後自分達の贅沢ね」
「悪性の極みだな」
「そんなことだとね」
「この世界を救うとかな」 
 それこそとだ、久志は腕を組んで述べた。
「出来る筈ねえな」
「問題外よ」
「あそこまで馬鹿だとな」
「逆にね」
 それこそとだ、清音は久志に話した。
「ああした国を反面教師にして」
「そのうえでな」
「ちゃんとやっていくべきよ」
「だよな、やっぱり」
「というかです」
 夕子も久志に言ってきた。
「普通にやっては絶対になれない」
「そんな国か」
「あの国は」
「そう言われるとそうか、馬鹿過ぎてな」
 その政策全てがというのだ。
「あんまりだからな」
「はい、確かに反面教師には相応しいですが」
 それでもというのだ。
「むしろお手本、鑑をです」
「見るべきか」
「歴史上の」
「そう言うと結構あるか」
 手本とすべき国家はとだ、久志は考えつつ言った。
「ローマ帝国の調子のいい時とかな」
「あの国もそうですね」
「それとな」
 さらにとだ、久志は話した。
「中国の帝国の調子がいい時とかか」
「調子がいい時が多いですね」
「ああ、やっぱりそうした時はな」
「国家運営のお手本ですか」
「五賢帝の時のローマに康熙帝や乾隆帝の時の清とかな」
 こうした国々はというのだ。
「参考になるな」
「それが調子のいい時の国々ですか」
「明治期の日本もいいな」
「そうした国々を参考にして」
「今までやってきたしな」
「これからもですね」
「やってくな、そして戦も」
 これもというのだ。
「やるしかないならな」
「戦ってですね」
「勝つさ、やるからには勝つだよ」
 こう言うのだった。
「連合王国にな」
「そうされますね」
「じゃあ船に軍勢を乗せてな」
「出港だな」
「そして目指すはな」
 今度は芳直に答えた。
「セビーリャだ」
「あの街だな」
「あそこに上陸して」
 そしてというのだ。
「それからな」
「攻めていくのですね」
「そしてな」
 そのうえでとだ、久志は夕子にさらに話した。
「あの街を拠点にして」
「攻めていきますか」
「連合王国全体をな」
「そうしていきますか」
「セビーリャはいい港町だ」
 それでとだ、久志は夕子に笑顔で話した。 
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