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レーヴァティン

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第百三十九話 西への出航その二

「テルシオには」
「ああ、それにその遅さをな」
「衝くね」
「術や鉄砲の少なさも衝くか」
「ってことはね」
「ああ、ここは派手にやるか」
 久志は清音にも応えて言った。
「俺達らしくな」
「そうして戦うんだね」
「ああ、大砲だってな」
 この兵器もというのだ。
「使ってな」
「そしてだね」
「やってやるか」
「そうしてテルシオを退けて」
「勝つな、あと水軍は」
 久志は今度はこちらの話をした。
「ガレオン船も小さい船もな」
「フリゲートもガレーもな」
 芳直が応えた。
「揃えてな」
「後はしっかりとした戦術で戦うだけだな」
「そっちは任せろ」
 芳直は久志に笑顔で答えた。
「俺っちが率いるからな」
「だからか」
「全力で向かってな」
「一切手を抜かないでだな」
「手を抜く戦ってのはバイキングにはないんだよ」
 芳直は笑顔のままこうも言った。
「もう絶対にな」
「敵はか」
「全力で叩き潰すんだよ」
「油断しないでか」
「それがバイキングの戦いだからな」
 それでというのだ。
「戦うしな、将兵の練度もな」
「そっちもだよな」
「訓練はさせているからな」
「やっぱり訓練しないとな」
「軍は駄目だな」
「訓練していない軍勢なんてな」
 それこそとだ、久志は話した。
「何の役にも立たないからな」
「特に水軍はな」
「船を動かすだけにな」
「何も知らない奴を船に乗せてもな」
「船が動くことすらないな」
「だからな」
 それでとだ、芳直はさらに話した。
「俺っちもな」
「訓練はさせてるんだな」
「それもかなりのものをな、雇い入れる連中もな」
 水軍は軍船を増やすだけでは動かない、その船を動かす将兵達も必要なので彼等も増やす必要があるのだ。
 それでだ、彼等もなのだ。
「しっかりした連中をな」
「最初からか」
「入れてるんだよ」
「そうしてるな」
「陸軍もそうだな」
「ああ、結局はな」
 軍隊ならばこちらもというのだ。
「訓練は厳しいものでな」
「それでだな」
「雇う連中はな」
 それこそとだ、久志は芳直に答えた。
「最初からしっかりした奴でないとな」
「駄目だな」
「ああ、実際にな」
「軍人は確かな奴でないと駄目だ」
 正も言ってきた。
「最初からな」
「そうだよな」
「ならず者や食い詰め者をただ入れてもな」
「数だけの連中でな」
「ものの役に立たず」
 そしてというのだ。 
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