レーヴァティン

「それを縦に十列から十五列に組んで」
「その周りと四隅にね」
「銃や術を使う兵隊が入るんだったな」
「一列でね」
「四隅の方はな」
　方陣の斜め四方にあるそれはというのだ。
「十人横隊を十列だったな」
「合わせて百人だね」
「それだけで組んでな」
「そして前に進むんだよ」
「そうだよね」
「そうだよな、それで前に幾つものその方陣が進んで」
　そしてというのだ。
「敵を圧迫して押し潰す様にしてな」
「戦うんだよ」
「そうだったな」
「正面からぶつかると」
　進太も言ってきた。
「勝てぬでござる」
「だよな、言うなら城塞が向かって来る」
「そんな風でござるよ」
「そんなのと正面からぶつかってもな」
「勝てないでござる」
「だよな、けれどな」
　ここでだ、久志はこうも言った。
「そんな千数百人が集まって動いてもな、相当訓練していないと」
「動きは鈍いでござるな」
「城塞って言ったな、俺」
　自分の言葉をここで振り返った。
「そうだよな」
「今確かにそうされたでござる」
「だよな、ってことはな」
　久志はさらに言った。
「城壁攻める時みたいにするか」
「術と大砲で攻めるでござるか」
「兵じゃなくてな、それで俺達の方陣は」
　今度は自分達のそれの話もした。
「あまり大したの組んでなかったな」
「もうそれは」
　それこそとだ、剛が応えた。
「大掛かりなのはね」
「なかったな、けれどな」
「それをだね」
「考えてみるか、方陣には方陣じゃないけれどな」
　そうした考えではないがというのだ。
「けれどな」
「それでもだね」
「考えてみるな、そしてそれが整ってからな」
「連合王国をだね」
「攻めるか、ただ向こうが動く前にな」
「考えを整えるんだね」
「そしてな」
　そのうえでというのだ。
「こっちから攻めるな」
「相手が攻めるより先に攻める」
　双葉も言ってきた。
「それこそが最大の防御ね」
「まあ時と場合によるけれどな」
「今はというのね」
「ああ、それでな」
　だからだとだ、久志は双葉にも話した。
「ここはな」
「こっちからだね」
「攻めるな、しかしな」
　久志はこうも言った。
「俺達から攻めようとしたらな」
「連合王国をね」
「また、だな」
「湖からになるわね」
「これ諸都市群もだよな」
「地続きじゃないからね」
「どうしてもそうなるな」
「ええ、けれどそれがね」
　双葉は久志に笑って話した。
「こちらの利点よ」
「そうだよな、敵が何処を攻められるか」
「わからないからね」
「沿岸のな」
「上陸しやすい場所に戦略上の重要性を考えると何処に上陸するかはおおよそ察しがつくけれど」
　それでもというのだ。