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日本人は少食

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第二章

「ステーキにしろ五百グラムを思いきり焼いて食べる」
「日本じゃ相当だよ」
「五百グラムのステーキとか」
「もうね」
「一キロ食べるとか」
 カーライルはさらに言った。
「ないかな」
「一キロ食べたら凄いね」
「日本だとね」
「もう相当なものだよ」
「大食漢と言っていいよ」
「そうだね、僕は五百グラムのステーキ二枚食べて」 
 そしてというのだ。
「ボール一杯のサラダを食べてムニエルを一枚食べてスープも飲んでだよ」
「ジャガイモを何個か、か食パンを数枚か」
「それ位食べるね」
「ビールやワインを飲みながら」
「ビールだったら二リットルはね」 
 ステーキやそうしたものを食べる時にというのだ。
「飲むしね」
「凄いね」
「とんでもない量だよ」
「もうそこまで食べたらレスラーか力士だよ」
「日本ではね」
「うん、実際ちゃんこも食べたけれど」
 カーライルは力士と聞いてこの鍋の話もした。
「お店で食べ放題で頼んでね」
「それでだね」
「前君が話していたけれど」
「あまりにも注文するので店員さんが驚いた」
「そうだったね」
「しかも注文された分は全部食べたからね」
 そうしたからだというのだ。
「尚更驚かれたよ」
「そう言っていたね」
「君自身が」
「そうだったって」
「うん、お蕎麦を頼んでも」
 今度はこの料理の話をした。
「これは一枚や二枚じゃね」
「ざるそばもだね」
「それだけ食べないとお腹一杯にならない」
「そう思ったんだね」
「実際にだよ、ざるそばを頼んで」
 それでというのだ。
「こんなに少ないのかって思って」
「何枚も食べたんだね」
「ざるそばを」
「そうしたんだ」
「うん、美味しかったけれどね」
 それでもというのだ。
「噛まずにつるつるとね」
「そうそう、東京じゃお蕎麦はそうして食べるんだよ」
「そばつゆが辛いからね」
「おつゆに少しつけてね」
「噛まずに一気に喉ごしを味わって食べるんだよ」
「そうして食べて」
 そしてというのだ。
「何枚、八枚は食べたかな」
「多いね」
「流石と言うべきかな」
「それだけ食べるなんて」
「いや、お金のことはいいんだ」
 そちらはというのだ。
「別にね」
「そっちのことはだね」
「別にいいんだね」
「大事なことだけれど」
「それも一番と言っていい位に」
「家が大きな牧場でね」 
 カーライルは実家のことから話した。
「プリスベン郊外の、牛や羊や馬が沢山いるね」
「ああ、そっちでかい」
「随分収入があって」
「それでなんだ」
「正直それで日本に留学も出来てるし」
 家に資産があってというのだ。 
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