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ゲート ジェダイ彼の地にて斯く戦えり
【お試し版】ゲート ジェダイ彼の地にて、斯く戦えり(マル・アデッタの戦い②)
前書き
マル・アデッタの戦いの続きです。リオ・グランデは銀英伝原作のビュコック提督が搭乗していた戦艦になります。
まずは小手調べとばかりに長距離砲撃戦が行われる。司令官は目を細めてその光景を見つめていた。敵は1個艦隊に過ぎないはず。なのに威圧感を感じるのは、薔薇艦隊の輝かしい戦績知るがゆえの錯覚だろうか。
あるいは、シスの暗黒卿のフォースによるものか。
「艦隊の情報が出ました。インペリアル級スターデストロイヤー<リオ・グランデ>を確認。フェザーンからのリークによるともはや皇帝の存在も確実です」
「<リオ・グランデ>があるということは、やはりビュコック提督が出てきたか。対等の条件で戦ってみたかったが、この兵力差ではな。いくらあの老人でも奇跡は起きまい」
「奇跡のヤンならどうにかしていたかもしれませんね」
「ははは、やつは遠くの星系にいる。間に合わんよ」
「しかし、今回もフェザーンには助けられましたね」
惑星フェザーン。かつて廃棄星系であったが、瞬く間に開発され辺境の交易拠点となっている。惑星ハイネセンを盟主とした自由惑星同盟と独立星系連合をつなぐ回廊に位置している立地の良さからである。
両者をつなぐ玄関口として栄えていた。多種多様な種族のるつぼと化した惑星フェザーン。
その名前はフェザーン商会の会長がつけたと言われている。
20年以上前に突如現れたフェザーン商会は、飛躍に飛躍を重ね、今や通商連合の重鎮となっている。その伝説的な手腕を誇る会長は謎に包まれており、商会のものですら面識がないものがほとんどである。
その名前をド・ヴィリエ。名前ばかりが噂となって広がる人物である。
まるで未来をみたかのように投資で成功する。それを妬んだ敵が放つ刺客を幾たびも退ける。その人物鑑定にかけては右に出る者はいない。その言動から伊達男らしいと言われている。
そして、商会の実務を取り仕切るのは社長のアドリアン・ルビンスキー。ハット族の切れ者。しかし、「ルビンスキー」の名を持つもは他にはおらず、偽名である可能性が高い。
そのフェザーンは銀河帝国と反乱軍や新共和国を天秤にかけて、極秘裏に情報を売っていることは一部の人間しかしらない。
前皇帝パルパティーンとダース・ベイダーを打倒したエンドアの戦いも、フェザーンからの事前のリークがあり、その信頼性は高いと言ってよい。――フェザーンの真の主にとって都合の良い情報という注釈がつくが、それを彼らは知るはずもなく。
気づかぬうちに毒となっていた。
「しかし、マル・アデッタは厄介な星系ですな。小惑星帯に海賊対策の機雷源とは。どうしますか、提督」
マル・アデッタ星域は、銀河帝国の派閥の一つ自由惑星同盟に属する星系である。その特徴は大規模な小惑星帯が存在していることであろう。
身をひそめるに最適で、多く犯罪者の逃亡先として選ぶという不名誉な特徴をもつ。賞金稼ぎと正規軍によって犯罪者を討伐しようとしているが、いたちごっこが続いていた。
そのため、あらかじめ機雷が敷設されており、小惑星帯であることも重なって大軍の利を活かすことができないでいた。
「やはり包囲殲滅はできんか。ならばこのまま正面から撃ちあうまでさ」
「ラジャー」
しばらく撃ちあいが続くが、一向に勝負がつかない。それどころか、損害比は圧倒的に新共和国軍の方が高い。
まるで未来を視たかのような指揮。薔薇艦隊が恐れられる所以である。
「なんという芸術的艦隊運動なんだ。これではわが軍の被害が増えるばかりだぞ。すでに3個艦隊が半壊とは……」
「いえ、司令。敵はエネルギーの消費がかなり激しいはずです。ここはローテーションを組んであたり、敵の消耗を待ちましょう」
「む。確かにその通りだ。間断のない攻撃を続けて敵をくぎ付けにするとしよう。この際損害は無視だ。皇帝さえ倒せばそれでお釣りがくる」
多大な犠牲を払いながら徐々に新共和国艦隊はローゼン・フロッテを追い込んでいき、激戦の後ついに総旗艦<リオ・グランデ>を補足するに至った。
僚艦は降伏も逃走もすることなくすべて撃沈されるまで戦った。それに慄く。果たして忠義によるものなのか。それとも恐怖によるものなのか。
「よし。作戦通り<リオ・グランデ>に通信を入れろ」
「ラジャー」
後書き
やはり宇宙の戦いになると銀英伝要素が強くなりますね。
逆に特地だとライトセイバーをぶんぶん振り回すことになりますけれど。
次回で戦いは決着します。
ド・ヴィリエの正体は誰なんでしょうね(すっとぼけ)
通信はシェーンコップの謀略です。
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