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ヘタリア大帝国

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TURN27 人類統合組織ソビエトその七

 これがソビエトの定期報告集会だった。それが終わってからだ。
 カテーリンは一旦会場を下がった。そしてそこでミーシャ、ゲーペを交えてだ。ロシア達と共にクレムリンの一室においてお茶を飲むのだった。
 その部屋にも様々なスローガンや標語が書かれたポスター等が飾られている。その部屋の中でだ。カテーリンはいささかぷりぷりとした顔でロシア達に言った。
「あんなこと駄目なんだから」
「牛乳のこと?」
「そうよ。二パーセントもないとそれだけ皆牛乳が飲めなくなるのよ」
 だからだ。駄目だとミーシャに答えたのだ。
「だから三ヶ月お昼抜きよ」
「ううん。それが正しいのかな」
「皆が困ることしたら駄目なの」
 カテーリンは学級委員みたいな口調だった。
「誰でもね。そんなことしたら駄目よ」
「そういうことなのね。そういえばね」
「そういえばってどうしたの?」
「日本帝国と中立条約結んだじゃない」
 少し前にソビエトがしたことをだ。ミーシャはカテーリンに話した。
「そうしたよね」
「それがどうかしたの?」
「カテーリンちゃん日本も更正するつもりよね」
「当たり前よ。日本だけじゃなくて太平洋全部よ」
 カテーリンはむっとした顔のままミーシャに返す。
「特にガメリカと中帝国ね」
「資産主義だからね」
「一人だけいい目したら駄目なんだから」
 こう生真面目な口調で頬を膨らませて言うのだった。
「だから。日本だって」
「更正するのね」
「今は喧嘩してなくても日本は悪い国なんだから」
 カテーリンから見ればそうだった。
「悪い子はお仕置きするの。絶対にね」
「じゃあね。日本とは何時かは」
「戦争するから」
 最初から中立条約を守るつもりはなかった。カテーリンは条約を破ることがどういったことかということはまだ気付いていない。日本を『悪い子』と思っているからだ。
 そのうえでだ。カテーリンはさらにだった。
 今度はロシア達にだ。こう言ったのである。
「あの、祖国さん」
「何かな」
「服に埃がついてるから」
 一つ埃がついてるのを見て言ったのだ。
「それ取らないと駄目よ」
「そうだね。それじゃあね」
「埃はガムテープで取るの」
 こう言ってロシアにそのガムテープを出すのだった。
「これでね」
「そうだったね。払ったらね」
「床に落ちるだけだから。床が汚れるでしょ」
「うん、じゃあね」
「床は奇麗にしないと駄目なの」
 カテーリンはロシア、自分の祖国に対しても厳しい。
「皆すぐに違反するから。廊下だって走るし」
「まだ走る人いるんですか?」
「いるの。走ったら危ないのに」 
 今度は妹に言うカテーリンだった。
「急いでいても走ったら駄目。何で皆守らないのよ」
「ううん、皆それぞれ事情があるんじゃないですか?」
 ラトビアはカテーリンにも余計なことを言った。紅茶を飲みながら。
「ですから」
「それじゃあ駄目なの。それにラトビアさん」
「えっ、何ですか?」
「ものを飲んだり食べたりしてる時は肘をつかないの」
 ラトビアにはこのことを注意したのである。
「マナー悪いでしょ」
「あっ、すいません」
「罰としてその場で二時間バケツ持って立つの」
 相手が国家でもペナルティを課すことを忘れない、それがカテーリンだ。
「今からね」
「わかりました・・・・・・」
 ラトビアはカテーリンの言葉に頷いて応えてだった。そのうえでだ。
 悲しい顔で立ち上がりゲーペが出してきた水を入れた二つのバケツをそれぞれの手に持って立つ。ラトビアにそうしてからだった。カテーリンはまた言った。
「これからも決まり作らないと駄目なんだから」
「はい、わかりました」
 ゲーペは冷静にカテーリンの言葉に頷く。
 そのうえで赤本を開いてだ。こう言ったのである。
 
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