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レーヴァティン

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第百三十六話 鹿児島攻めその十五

「そのひい祖父さんの様にですか」
「女もな」
「されていきますか」
「そうしていきたい」
 是非にという言葉だった。
「これからもな」
「この世界でも」
「起きた世界では遊んでいないが」
 それでもというのだ。
「やがてはな」
「そちらの世界でもですね」
「そうして遊んでいきたい、そして揉めないこともな」
 女遊び、それによってというのだ。女と女の間を渡り歩いて嫉妬やそうしたものを振りまいて修羅場を作り出してしまうことはままにしてあるものだ。
「気をつけていきたい」
「それもですか」
「ひい祖父さんに言われた」
 その彼にというのだ。
「そしてだ」
「気をつけておられますか」
「修羅場を作る位ならな」
 それならというのだ。
「最初から遊ぶな」
「厳しいですね」
「遊びは厳しいとも言われた」
「楽ではないですか」
「楽に楽しむものではないとな」
 その様に言われたというのだ。
「真剣に、正面から向かってだ」
「遊ぶものですね」
「それが遊びだとな」
「それあたしも同じ考えだよ」
 桜子は英雄の遊びの話について笑って言ってきた。
「遊ぶならね」
「真剣にだな」
「真剣に楽しむものだよ、そしてね」
 そうして遊ぶ者こそがというのだ。
「真の遊び人になれるんだよ」
「遊びに命を賭けてか」
「そうしてこそね」
「それも一理あるな」
「本当にそうだね」
「全くだな、しかし」
「しかし?」
「ひい祖父さんの考えは正しいか、俺もな」
 ここでだ、こうも言った英雄だった。
「その考えでだ」
「真剣に遊んでるね」
「そうしている、遊郭でもな」
「いい遊び方だね」
「そうだな、では九州のことが終わるとな」
 その時はというと。
「途中に遊郭に行くか」
「そして遊ぶんだね」
「そうする」
 こう答えた。
「またな」
「いいね、ただ病気には気をつけてなっても」
 桜子は笑ってその時のことも話した。
「すぐにね」
「治すべきだな」
「そうしなよ」
「あかっている、ああした病はなると厄介らしいな」
「なったことはないよね」
「症状が出たことはない」 
 性病のそれはというのだ。
「幸いな」
「そうなんだね、まあ潜伏期があるからね」
 これも性病の特徴だ、特に梅毒はそれが出ることが遅い。
「気をつけておきなよ」
「そして症状が出たらだな」
「すぐに治すんだよ」
「この世界でもそれが出来るしな」
「さもないと本当に大変だからね」
「死にも至るな」
「しかもいい死に方しないしね」
 淋病はまだ死なない、軟性下患やカンジタ菌、第四性病といった病気もだ。だがエイズそして梅毒は違う。尚この浮島にも西の浮島にもエイズはない。
「特に梅毒はね」
「無残な死に方になるな」
「そうなるからね」
 だからだというのだ。
「症状が出たらね」
「すぐにだな」
「薬飲んで」
 そしてというのだ。
「治すんだよ」
「わかっている、ではな」
「これからだね」
「行って来る」
 こう言ってだった、英雄は話が上手い当季そして仲間達の中で最も頭がいい謙二を連れて行った、そこに旗本達も警護に連れて鹿児島の街に入った。


第百三十六話   完


                   2019・11・1 
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