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ドリトル先生の林檎園

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第八幕その十

「紅玉以上にアップルティーとかにいい林檎はないね」
「そうですか」
「うん、けれど試してみることはね」
 そうした状況でもというのです。
「悪いことじゃないんだ」
「そうなんですね」
「そう、だからね」
「先生としてはですね」
「見守ってあげるべきとね」
 その様にというのです。
「思っているよ」
「そうした状況でもですね」
「何でも駄目なら」
 そう決めつけることはというのです。
「何もはじまらないよ」
「よくもならないですね」
「あれも駄目、これも駄目、出来る筈がないと思うなら」
 先生は否定を込めて言うのでした。
「学問はしない方がいいよ」
「そうしたものですね」
「どうなのか、出来ると見て」
「やることですね」
「そして常にもっとよくなるとね」
「完成はないんですね」
「そうだよ、神のおられる場所は人間は永遠に至れないよ」
 今度は神学からもお話するのでした。
「それだけ神と人間は違う、けれどね」
「神のおられる場所にですね」
「そう、近付くことは出来るから」
 だからだというのです。
「駄目とか出来ないとか無理とかね」
「そうしたことはですね」
「そうしたことこそ否定して」
 そうしてというのです。
「学ぶ、色々としてみる」
「それが学問ですね」
「そう、だからね」
 それ故にというのです。
「優花里さんもね」
「ああしていっていいんですね」
「僕は素晴らしいことだと思うよ」
「結果はわかっていても」
「そう、やってみて」
「わかることもですね」
「大事なことだからね、ただね」
「ただ?」
「確かに紅玉は林檎料理に向いているけれど」
 この農園の林檎で最も、というのです。
「それは事実でもね」
「それでもですね」
「自分でやってみて経験としてわかる」
「このことが大事なんですね」
「経験もまた学問に重要だからね」
 それだけにというのです。
「優花里さんは今貴重なことを学んでいるんだ」
「そうですか」
「多分紅玉に落ち着くけれど」
「いいことですね」
「それでね、しかも林檎を食べているなら」
 調理したそれをとです、先生は今度は林檎を沢山入れたサラダを食べました。生野菜の中にある林檎も美味しいです。
「身体にもいいしね」
「そのこともいいですよね」
「林檎は医者いらずだよ」
「ドイツの言葉でしたね」
「そう、そこまで身体にいいから」
 それだけ栄養が豊富だからだというのです。 
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