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レーヴァティン

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第百三十五話 趨勢は決したがその十二

「それか女は子供を産むからってな」
「まず殺す、子供もな」
「将来戦士になるからってな」
「やはり殺す」
 弱い子供のうちに殺してしまえというのだ、アメリカのインディアン殲滅戦でも見られたやり方だ。
「そして城、つまり街だな」
「日本以外の国やとな」
「その街もだ」
「占領したらな」
「皆殺しにする」
 屠城という、これは中国の言葉で実際に中国であったことだ。
「そうすることもする」
「そうして城の中のもんは全部壊す」
「更地にしてしまう」
「ローマがカルタゴにしたみたいにな」
「そうすることがだ」
「敵を潰す方法やな」
「そうだ、異民族や異文明を消し去るなら」 
 この考えならというのだ。
「こうしたやり方もだ」
「行われてきたな」
「モンゴル帝国も逆らう者にはそうしていた」
 この国のしたことが一番有名であろうか。
「敵は皆殺しにしてだ」
「民も全部な」
「街は跡形もなく破壊した」
「田畑も使えん様にしてな」
 灌漑施設を破壊してそうさせたのだ。
「徹底的にしてたな」
「そうしたことをするやり方もあるが」
「自分は考えてへんな」
「世界を救う人間のやり方もでもないし俺はそうした発想はない」
 一切という言葉だった。
「敵を皆殺しにすることはな」
「無闇な殺戮や破壊は好きやないか」
「敵味方は変わる、昨日の敵はだ」
「今日の友っていうしな」
「配下にすれば有能な家臣にもなればだ」
「民もな」
「国を豊かにする、アッシリアは徹底的に殺したが」
 そうして世界帝国を築いたのも事実だ。
「だが周りの諸民族に憎まれてだ」
「寄ってたかって攻められてな」
「滅んだ、鉄器と弓騎兵と優れた官僚システムを持っていたが」
 それがアッシリアを世界帝国にした。
「だが敵が増え過ぎてだ」
「世界帝国になったけどな」
「それからすぐに滅んだ、だがペルシアは違った」
 アッシリアの後の世界帝国だ、ここで言うペルシアとはアケメネス朝ペルシアである。イラン高原からメソポタミア全土を掌握した。
「あの国は無用な血は避けてだ」
「穏やかな支配やったな」
「その支配故にだ」
「長く続いたな」
「ギリシアには敗れたがな」
 このことは歴史にある通りだ。
「しかしな」
「それでもやったな」
「長い間世界帝国になった、政はな」
「無闇な殺戮は避けるべきやな」
「そう考えている」 
「それでやな」
「薩摩でも同じだ、民には武器は捨てさせるが」
 所謂刀狩りは行うがというのだ。
「しかしだ」
「それでもやな」
「害することはしない」
「そういうことやな」
「この浮島を統一してだ」
「魔神を倒すな」
「その力の一部になってもらう」
 薩摩そして大隅の民達にもというのだ。 
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