レーヴァティン

「ですから」
「有り難いことだな」
「対馬を手に入れたことは」
　実際にというのだ。
「よいことです」
「そうだな」
「では」
「対馬の資源もですね」
「これから使う、だが対馬は」
　英雄はこの島についてさらに話した。
「使者を送っただけで降ったな」
「はい、それは」
「九州にあってもか」
「薩摩の方とは疎遠とのことで」
　それでというのだ。
「我々の誘いにです」
「何も反抗することなく降ったか」
「そうかと」
「そうか、ならな」
「それならですね」
「俺もいい」　
　特にという返事だった。
「それならな」
「では」
「対馬もな」
「治めていきますね」
「そして肥前の島々もな」
　こちらもというのだ。
「治めていく」
「五島列島等もですね」
「そうしていってな」
　そしてというのだ。
「豊かにしていく」
「そちらも忘れないでありますね」
「当然だ、手に入れた領地はな」
「全て治める」
「そうしなければならないからな」
　だからだというのだ。
「ここはだ」
「是非ですね」
「あの国も治めていく」
「では」
「そしてだ」
　英雄はさらに話した。
「肥前は平定した、ならな」
「次は、ですね」
「肥後だな」
「熊本城ですね」
「あの城を攻め落とす」
　こう言うのだった。
「必ずな」
「あの城の石垣は忍者でも登れん」
　その忍者の耕平が言ってきた。
「こっちの世界でもな」
「忍者返しだな」
「そや、反り返ってるやろ」
「絶壁どころかな」
「絶壁やったら登れる」
　これならというのだ。
「まだな」
「そうだな」
「しかし反り返ってるとな」
「つまりオーバーハングだな」
「そうなってたら」
「流石に無理だな」
「そして色々築城の細工がな」
　耕平はこちらの話もした。
「随分と守りやすうて」
「攻めにくいな」
「忍の者を使ってもな」
　そうしてもというのだ。
「殆どあかん」
「そうだな」
「しかしや、攻め方はな」
「ある、それを見付けた」
　英雄の返事ははっきりしたものだった。