レーヴァティン
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第百三十二話 二手に分かれその十一
「一切規制しない」
「そうするな」
「完全にな、神戸でもそうするしな」
「ええねんな」
「治めていく、あとだ」
英雄はさらに話した。
「下の世界では人間以外の種族もいる様だな」
「その様ですね」
謙二がその話に応えた。
「どうやら」
「二つの浮島では人間しかいないが」
「それがです」
「下の世界、今は海に覆われている世界は」
「人間以外の様々な種族が存在していて」
そしてというのだ。
「共存しています」
「デルフォイで読んだ書でも書いてあった」
英雄はこちらで知っていた、そうした本も久志と共に読んでいたのだ。この街で得た知識はこの時も役に立っているのだ。
「そのことがな」
「それで貴方もご存知ですね」
「そうだが」
それでもとだ、彼は言うのだった。
「俺はまだこの目で見てはいない」
「そうした人達のことは」
「だからだ」
それでというのだ。
「何も言えない」
「この世界に人間以外の種族の人々がいることは」
「見てみたいが」
それでもというのだ。
「会えないからな」
「その世界が海に覆われているだけに」
「だからだ」
それ故にというのだ。
「今は何も言えない」
「左様ですね、この目で見なければ」
「何も言えない、しかし」
それでもとだ、英雄はこうも言った。
「見てみたい」
「この世界を救ってから」
「海の魔神を倒してな」
「その後で、ですね」
「海の魔神を倒すとな」
「その呪いが解けるとですね」
「デルフォイのある書には書いてあった、だからだ」
その書に書いてあることは事実だからとだ、英雄は話した。そしてそのうえでこうも言ったのだった。
「魔神を倒す」
「そしてその呪いから世界を解き放って」
「この世界を救う」
必ず、というのだ。
「そしてだ」
「人間以外の人達もですね」
「見たい、だから俺は戦っていく」
今はというのだ。
「そうしていく」
「そうですか、ではその心のまま」
「これからもだな」
「戦っていきましょう」
「目的がある、それならだ」
確固たるそれがとだ、英雄はまた言った。
「ことを果たせる」
「それを見据えて動くので」
「だからだ」
「これからもですね」
「働いていく」
「それでは」
「そしてだが」
英雄はさらに話した。
「肥前の後はな」
「肥後ですね」
「そうしていく、相手は領土の拡大を考えているが」
九州を治める大名はというのだ。
「俺はこの世界を救う」
「また違う目的ですね」
「そうだな、そして俺は俺の目的を果たす為に」
「肥前の次は」
「肥後だ」
こう言ってだった、英雄は肥前攻めを続けていった、そこで信仰を認めたことは実に大きかった。それでだった。
切支丹や華僑達は彼等を支持し協力もしてきた、そこには南蛮人達の姿もあり堺だけでなく長崎でもだった。
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