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レーヴァティン

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第百三十一話 追撃戦その十

「この世界での戦を経験してきたからな」
「だからですね」
「そうだ、最初の頃はな」
 この世界に来た当初はというのだ。
「とてもだ」
「ここまではですね」
「考えられなかった」
 到底と言うのだった。
「全くな、だが」
「この世界に来て」
「冒険をする中でわかってきた」
「この世界の食事のことも」
「やはり米はかさばり」
「炊く必要がある」
「その二つを考えてだ」
 そのうえでというのだ。
「戦でもな」
「やっていくことですね」
「一応かんぴょう等もあり」
 英雄はお握りの中の梅干しを食べた、そしてその独特の酸っぱさを口の中で感じながらそうして話した。
「パンもある」
「ビスケットの様なものも」
「そして干し飯もあるが」
「こうしたものはやはり」
「最後の最後だ」
「どうにもならない時に食べるもので」
「出来る限りな」
 まさにとだ、英雄は言うのだった。
「こうしただ」
「ご飯を食べたいですね」
「兵の士気の為にな」
「美味いもん食べんとな」
 耕平もお握りを食べている、そうしつつ味噌も食べている。
「あかんしな」
「そうだ、本当に出来る限りな」
「美味いものをな」
「食わないとな」
「士気があがらんわ」
「かつてはな」 
 ここでだ、英雄はこうも言った。
「軍の食事はまずい」
「こう言われてたな」
「今も陸自さんはまずいそうだが」
 陸上自衛隊はというのだ。
「どうもな」
「空自さんや海自さんと比べてな」
「その様だな」
「色々貧乏くじ引いてるな、あそこは」
「全体的に設備の更新が遅れているそうだな」
「そうらしいな」
 それが貧乏くじを引いているということだ。
「隊舎とか」
「空自さんや海自さんはいいベッドで寝ているが」
「今も二段ベッドはないと思うけど」
「やはり古いな」
「他の二つが思いきりお金取って」
 航空自衛隊と海上自衛隊がというのだ。
「陸自さんは人が一番多いのにな」
「その分予算が少ないな」
「それで食事もな」
 それもというのだ。
「よおないらしいな」
「その様だな」
「そこがアメリカ軍と違うな」
「アメリカ軍は正直ええもん食ってるからな」
 この軍はというのだ。
「自衛隊と比べてもな」
「雲泥の差だな」
「若し日本でアメリカ軍みたいな待遇になったら」
「騒ぐ奴がいる」
「それや」
 耕平はまさにそこだと指摘した。
「日本にはな」
「何処にもおかしな奴はいるが」
「わい等が起きた世界の日本でもな」
「おかしな奴がいてな」
「そうした奴が徒党を組んでな」
 そのうえでというのだ。
 
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