レーヴァティン
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第百三十話 北九州攻めその十一
「遠い間合いからだ」
「攻める」
「だからだ」
ここはというのだ。
「鉄砲を放ち」
「弓矢も」
見れば弓矢も放つ用意をしている。
「放つでありますな」
「一撃でそして狙いもだ」
それもというのだ。
「正確でなくてもいい」
「それでもでありますな」
「敵に打撃を与え」
遠い間合いからというのだ。
「そしてだ」
「敵に打撃を与え陣を乱し」
「そしてだ」
そのうえでというのだ。
「さらにな」
「そこで槍でありますね」
「そうだ、槍だ」
これだというのだ。
「その後でな」
「駆けながら撃ち放つ」
このことは峰夫が言った。
「これ自体が凄いであります」
「そうか」
「まるで薩摩藩の様な」
「それだ、薩摩藩の攻め方をだ」
それをとだ、英雄は峰夫に答えた。
「取り入れてだ」
「やっているでありますか」
「こうしたものがあると聞いてな」
そのうえでというのだ。
「取り入れてみたが」
「強いでありますな」
「取り入れてよかった」
英雄はこうも言った。
「お陰で強くなっている」
「そうでござるな」
「そして」
今度は双葉が言ってきた、今は軍師役を務めていてそのうえで英雄に行ってきたのだ。それで言うのだ。
「城攻めの途中の敵を攻めたこともたい」
「大きいな」
「そうたい、敵は城にかかりきりたいが」
それでもというのだ。
「そこに攻めたからたい」
「それでだな」
「敵はこちらに戦力を向けるのが遅れたとよ」
「そこに全力で攻めていうからな」
こちら側はというのだ。
「大きか」
「全くだな、ではな」
「ここはたいな」
「ここで一気に機先を制し」
「敵の大軍を叩くたいな」
「そしてだ」
そのうえでとだ、英雄はさらに話した。
「敵が退いてもな」
「追撃ば仕掛けるたいな」
「そうしていって」
「徹底的にたいな」
「敵を叩く」
こう言ってだった、英雄は軍勢の間合いを見計らい今度は槍を出させた。戦の趨勢はそこでもう決まった。
敵軍は槍での攻めを受けると次第に城から退き戦の場自体から逃げ出していた、英雄はそれを見てまた命じることにした。戦はまだ続いていた。
第百三十話 完
2019・9・15
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