レーヴァティン
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第百三十話 北九州攻めその四
「九州一の堅城というな」
「あの城は起きた世界では薩摩への付城だったとよ」
香織が話してきた。
「島津家が何かをした時に」
「そこで抑える城だったな」
「そうだったとよ」
「それがだな」
「この世界では薩摩への道を守る」
「そうした城だな」
「役割は違うたいが」
それでもというのだ。
「堅城であることはたい」
「同じだな」
「そうたい」
まさにというのだ。
「だからあの城は何といってもとよ」
「薩摩に入るにあたってな」
「一番の問題たい」
「そうだな、だからな」
「今も言うたいな」
「その通りだ」
「筑後からの道ではあの城ですが」
また良太が言ってきた。
「豊後から攻めてもです」
「難所があるな」
「耳川の辺りで守られると」
そうされると、というのだ。
「厄介です」
「川を守りに使われるとな」
「それだけで、です」
「確かな守りだな」
「そうなりますので」
だからだというのだ。
「こちらもです」
「考慮していくべきだな」
「はい、そして敵はどうも」
「ここでだな」
「筑前を攻めんと」
その様にしてというのだ。
「兵を動かしてきています」
「攻められるより攻めろか」
「そう考えて」
そのうえでというのだ。
「岩屋城に向けてです」
「兵を進めてきているか」
「その数五万」
良太は敵の数のことも話した。
「それは決してです」
「馬鹿には出来ないな」
「むしろ」
その数はというのだ。
「恐ろしい脅威であり」
「岩屋城は堅固だが小さい」
「攻め落とされてしまいます」
「だからだな」
「はい、筑前は手に入れましたが」
それでもというのだ。
「あの城をここで守らねば」
「ならないな」
「そう考えます」
「あの城を落とされると筑前に入られる」
そうなるとだ、英雄は良太に答えた。
「それならな」
「ここは、ですね」
「岩屋城を守る」
英雄は断を下した。
「敵の五万の兵をだ」
「ここで、ですね」
「破る」
そうするというのだ。
「そしてだ」
「ここで敵の主力に大きな打撃を与え」
「九州の戦で有利に立つ」
「それも決定的に」
「その様になる様にしていく」
まさにというのだ。
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