名探偵と魔術師たちの大騒動
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第2話
蘭、コナン、小五郎の三人は埼玉県天下一春祭を見に来ていた。天下一春の祭とは山に「天」「下」「一」の火文字がともされ、天下一の豊作を願う祭である。
「たまには悪くねぇな。旅館に泊まるのも、祭りを見るのも」
「ほんとよ。ねーコナン君。」
「う、うん(これがなきゃね)」
そうげんなりした表情を見せるコナンには腰に括りつけられたウサギの風船があるのであった。
トン
「うわっ」
「キャッ」
げんなりとし少しうつむき加減で歩いていたコナンには駆け足で近づいてきた足音に気づかずにぶつかってしまった。
「ちょっコナン君大丈夫?」
「マシュもすごい勢いでぶつかったけど大丈夫?」
「う、うん。僕は平気だよ・・・・でも」
「ほんとごめんなさい!!前をしっかりと見てなくて!!」
「う、うん。怪我ないから」
「なんだなんだぁ!?」
『マシュ、立夏。あいつ見つかった・・・・の・・・・・・・・か?』
ある人物を探していたルキウスはマシュと立夏に声をかけてその場に行くと。大勢の真ん中で土下座の勢いで必死に謝るマシュと、必死に宥める立夏とおそらくぶつかったであろう子供とその家族の唖然とした姿だった。
『・・・・・・この短期間で何があった?』
_____________________________
「で、おねぇさんたちはそんなに急いでどうしたの」
「あ、そうでした!!!」
「少し背が高くで、ベレー帽をかぶった如何にも名探偵っぽい服装を着たイケメン見なかった??」
「「「・・・・・はい?」」」
なんだその人は?これが三人の心情だろう。
そんな三人をよそに再び焦りだす少女たち
「ど、どうしよう!?早く見つけないと!!」
「あぁ、そろそろ騒ぎだしているころだな。」
「ちょっそんなに冷静に判断しないでくださいよルキウスさん」
「え、ちょっと待ってくださいよ。騒ぎだしているってまさか不良!?」
「不良じゃないよ・・・・たぶん」
「いや・・・・別のベクトルに向かえば不良みたいなもんじゃないか。」
「だから、不安にさせるような事言わないで!!」
「・・・・ねぇ、とりあえず移動しなくていいの。」
「へぇ、立夏ちゃんとマシュちゃんは帝丹の一年生なんだ!!」
「まさか先輩の知り合いができるなんて思わなかったです。」
きゃいきゃいと女子高生3人が仲良くお話をしている横でコナンは今しがた知り合ったメンバーを時折観察をしていた。
「(蘭と話している二人は女子高生であることは間違いない。一人は確かDrと呼ばれていたな。
診療所をほぼ一人でやりくりしているんだったな。たまに女子2人がバイトで手伝いをしているみたいだけど)」
名前を聞いたとき確かに聞き覚えがある病院だった。主に総合病院じゃないにもかかわらずそこそこ繁盛している人気病院だった。そこの若い男性医師が老若男女慕われる人気医師だという噂を聞いた。
それが彼なのだろう。出会ってみて、なるほどと思う。彼も不思議だ。不思議だけどなぜか安心できるそんな雰囲気が彼からあふれ出ていた。
では、、残りのもう一人が問題だった。
「(ルキウス・ヴァーミリオン。彼は要注意だな。一度も俺を子ども扱いしなかった。いや、ほかの蘭とかも子ども扱いしていないけど。強者だ。それも圧倒的な。)」
ルキウスは一切コナンを子ども扱いにはしていない。だからこそ子供だからという理由でルキウスに質問をできない。いやさせていないというべきか。
しかし、忘れてはいけない。ルキウスは知っている。
コナンが本当は小学生ではないということを。もっともすでに初対面前に知られてしまっていることをコナンが知る由もないが。
ともかく中身高校生だということを知っているため子供扱いができないだけであった。
単純な答えである。
わいわいといつの間にか大所帯となり屋台を進んでいる最中である。
「あぁすみません。一枚写真を撮ってもらえませんか」
「いいですよ。」
「ありがとうございます。ではあの『一』をバックに」
「ではとります」
カシャ
「あ、すみません。ウサギの風船が入ってしまいましたけど」
「構いません、今紀行物を手掛けてましてねこれはその題材になるんですよ」
「作家さんなんですか?」
「スポーツしてそうなくらい日焼けしているから」
「うんうん、Drとは大違いだね!」
「ちょっと立夏ちゃん!?なんでそこでボクとくらべるかなぁ!!」
「だったら名前出されないくらいには外にも出てください。今回だって総出で連れ出されないと出なかったじゃないですか」
「うぐっ。マシュが冷たいぞぅ」
「まぁロマニは自業自得だな。」
ルキウスにとどめを刺された。
「(ははは、この人たちはコントしないと気が済まないのかよ)」
呆れた目を向けるコナンだったが残念ながらロマニを擁護する声は出なかった。
「はは、まぁこれは取材焼けで海外に行くことが多いからそのときに・・・」
「以前の時は今井ともかずというペンネームで小説を書いていました。」
「えぇ!!今井ともかず!!」
思わず蘭が声を上げる。あまりに声をあげすぎたため周りが何事かと見るがそのことに気づいた蘭は恥ずかしそうに声を落とした。
「中学のときに読んでました」
「(今井ともかず・・・・そういやあのアンデルセンが珍しく名前を上げた作家だったな・・・だけど確かその名前って)」
「でも、その名前って確か今竹悟がデビュー当時に使用していた名前なんじゃ」
ルキウスと同じように小五郎が声を上げる。
「今竹とは古くからの友人でね、昔は二人で書いていたんです。今晩も今竹が直本賞を受賞したお祝いに飲み明かそうと」
そういい、ふぅと息を吐いた。
かなり暑そうである。
「(暑けりゃ脱げばいいのに)」
そのあと、もう何枚か笹井の頼みにより写真を撮り、立夏やマシュも取りたいといったためプチ写真撮影会となっていた。ホームズやマーリンのことはそっちのけである。
そして、写真を撮っている時のそりと1人の男の人が写真に写ってきた。
「笹井宣一さんですね。埼玉県警の横溝です。今竹智さんのけんでちょっとお話があります。」
「今竹がどうかしたんですか?」
「殺されたんですよ。あなたがたがとまっているホテルの部屋で」
「!?」
「探偵と名乗る男もいるし、白いふわふわな奴もいるし。」
「それって・・・まさか」
「「やっぱり」」
「まさかですぜぃ。マスター」
「ロビン。追ってくれてたのか。」
「やっぱあの二人はトラブルメーカーでしたよ。まさかたどり着く場所で事件が起こるとは。ホームズの目は生き生きしてるし、マーリンはニコニコしているし事件現場でするような目じゃなかったですぜ」
「はぁ・・・とりあえず行くか。」
少し遅れて、ロビンフットを連れたルキウスは一行に合流した。
「立夏、マシュ。大丈夫か?」
「うん。“前”はともかく今は一般人だからね。離れたところにいるよ」
「わかった。ロマ?頼めるか?」
「もちろん。もう亡くなっているからね。自分にできることないから。」
「あと、あの馬鹿2人はどこにいる?」
「あの二人ならまだ奥の方にいるんじゃないかな」
ルキウスがさりげなくホームズとマーリンを馬鹿と呼んだことには突っ込まなかった。
「じゃあ行ってくる。ロビンはどうする?」
「そうですねぇ。こんなに人がいると立夏やマシュは心配だ。祭りだとドサクサにまぎれて誘拐を起こす輩がいるみたいですしね」
そっちは頼みますよ。
「わかった。じゃあ行ってくる」
現場付近にはたくさんの警察関係者、そして毛利一家、笹井宣一がいた。
コナンが現場につくと無残な姿の今竹さんと警察官がせわしなく動いていた。そして
「(この人がさっき刑事さんが言ってた、探偵みたいな男と白くてふわふわした男性。)」
コナンは横目でちらっと見る。
「(なんだこの感じ!人間じゃないみたいだ。特に白い男性。)」
その間にも二人組を追い出そうとする警察官と顎に手を当てて考え事をする探偵風貌の男、そして警察官をニコニコとその場に似合わないような表情で宥める白い風貌の男性。
そして昔親父、高校入学してから教師に教えられたことが頭の中に入ってきた。
<この世の中には魔術師という人が存在する。>
コナンにしては珍しく思ったことが口から出ていた。
「魔術師・・・・」
しかも、たまたまシーンとした中コナンの声だけが響いた。
「まじゅつぅぅぅ!?いや、俺も警察学校時代にはよく聞いたことがある。」
「私も、高校で習ったことがあるわ!!」
「てか、学校と呼ばれるような教養の場では必須の授業だから・・・・」
「てことは・・・君たちは」
一斉に二人の方面に顔を向ける。
あまりに珍しい魔術という言葉に彼らの言動を追いたくなるのは誰だって同じらしい。
目の前に事件があるにもかかわらずコナンでさえも注目していた。
「やれやれ。やっぱりわかってしまう者なのかな。:
「いや、君は隠す気なかったでしょ。そんな人間離れした風貌しといて」
「まあまあ、君たちの疑問を正確に言うのなら魔術師ではない。僕たちは“魔術”そのものである」
「君たちはサーヴァントという存在を知っているかな。サーヴァントという者は過去に生きていて世界を変えるレベルのことをして貢献した英雄がサーヴァントという魔術そのものになって玄界したことを言う。つまりは僕たちはサーヴァントというわけさ」」
「まぁサーヴァントは魔術師の魔力がないと人間界に長居はできないから優秀なマスター、否魔術師がついているわけだけど」
魔術、サーヴァントどれもあまり聞きなれない単語でコナンは思考を放棄しかけた
「では、近くに魔術師もいるわけだね」
「そうとも、ほら噂をすれば・・・」
「すみません、ここに怪しい二人組は来てませんか?」
おそらく、魔術師が迎えに来たのだろう、あまり会うことのない魔術師を一目見ようと顔を向けた瞬間、知っている人がおり、同時に謎が解けたとおもった。
そうか・・・あんたが魔術師だったんだな。
そこにはルキウス・ヴァーミリオンが立っていた。
ルキウスが声をかけたら一斉にこちらを向いた。
「失礼ですが、あなたは?」
「ルキウス・ヴァーミリオンといいます。彼らからどこまで聞きました?」
「彼らが人間ではなく魔術そのものであること。サーヴァントと呼ばれる英霊であること。それから彼らを従える魔術師が近くにいること」
「あぁそこまで言っているんですね。なら隠すことは何もないですね」
「彼らが言っていることは本当のことだと?」
「そうですとりあえず魔術師の証明はこれです」」
ルキウスが懐から取り出したのは魔術師証明書だ。これを持っていなければ魔術師を名乗ることはできないと定められている。」
「横溝刑事はしばらく眺めたあと、ルキウスに返した」
「確かに、本物の様だ」
「本物かどうかってわかるものなんですか?」
「あぁ、彼の証明書にはS級魔術師と書いてあるからね」
「S級って!!」
「そうだ、魔術師にも階級があって五段階のなかで一番下が確かD級で一番上がS級。つまり彼の階級は最上階級だということだ。」
まー
「もういいですか?」
「すみませんありがとうございます。あと、彼らはサーヴァントといっても一体誰なんですか?」
「そうだな。そこの白いのがマーリンだ」
「マーリンって、アーサー王の師であり臣下であった、伝説の魔術師!?」
「おや、知っているのかね。うれしいよ」
ニッコリ、この文字が付きそうなくらい満面の笑みを浮かべているマーリン。
その後、ルキウスがつけた言葉がなければ
「ただ、生活においてはとんでもないロクデナシだ。」
「おぉふ」
「もう一人の方がある意味わかりやすい。探偵風貌かつそういった方面で絶大なる人気を誇り周知もナンバーワンで英雄になりやすい人物だ」
そしてその言葉に顔を上げたのはやはりといってもコナンだった。
「コナンはわかったみたいだな?」
「もしかして、シャーロック・ホームズ?」
その言葉を聞いて周りもまさかという反応をした。
「ご名答。」
さて、衝撃の事実が判明してから事件の概要をについて進んでいく。
その中、蘭から話しかけられた。
「ルキウスさん魔術師だったんですね。」
「あぁ、特殊柄基本は隠れながら生活はしているんだけどね。今回ばかりはしょうがない。」
今後は、刑事さんに伝えておくよ。
「どうしてですか?」
「どうやら今後も事件に遭遇しそうだからねぇ。事件が探偵を呼んでいるかのようにホームズがいる限りいろいろ出会いそうだから」
その間も、事件の捜査は続いている。
一番怪しいのは顔見知りである笹井である。だがその笹井は余裕の笑みでカメラに自分のアリバイがあるという。写真を確認すると犯行時刻の10分後くらいにまで燃え続けている「天」と一緒に写っている笹井の姿があった。
「これでよく分かるでしょう?しっかり祭り会場に行っていたことが」
「しかし、あなたのやっていることが一々引っ掛かるんですよ。まるでアリバイ工作をやっているようで。」
「おいおい、いい加減にしろよ。そろそろ私の友人を殺した犯人を捜してもらいたいものだねぇ」
その言葉を険しい表情で横溝は聞いていた。
そしてコナンも笹井が犯人だと睨んでいた。だがアリバイがなかなか解けない。
「すみません。刑事さん。じゃあそれをお願いしてもいいかい?」
「ん?」
「頼んだよ!!」
「は!」
そこでは何かをしているホームズの姿があった。
「(もしかしたら、この人なら!!)ねぇ、ホームズさん。」
「ん?あぁ、君は確か、あの探偵さんの」
「僕、江戸川コナン!生きてた頃からのホームズさんの大ファンなんだ!!」
「おぉ!!そうかそうか。嬉しいねぇ」
「ところで、さっき刑事さんと何か話していたみたいだけど?」
駄目もとで、ホームズに質問をするコナン。探偵なら調査の進捗は他に漏らさないことを知っているからだ。
「うーん、捜査内容だしなぁ。」
「(やっぱダメか・・・・しかたない)」
「まぁいいよ。」
「え?」
「何そのぽかん顔」
「え、ホームズさんは教えてくれないかと思って・・・・」
「まぁ子供に、普通なら教えないよねぇ。本当にその子供が普通だったらね」
「(!?な!!)」
ホームズからの衝撃な一言に固まるコナン
「マスターから聞いてるよ。観察されているような視線だったと。そんな視線を向けるような子供がただの子供なわけがない」
「・・・・・・」
「言っとくけど、マスターやもしかしたらいつか出会うかもしれない他のサーヴァントをごまかそうと思っても無駄だよ。マスターは魔術師として、サーヴァントは僕含め生前に戦争や抗争なので英雄となった者たちだ。そう簡単にごまかそうとおもわないほうが良い」
「・・・・・わぁったよ」
「へぇーそれが素なんだ」
「あぁ、で何を警察に頼んだんだ?」
「あぁ、今日「天」がともされた場所付近の夜店の並び順だね」
「ということは・・・」
「確かにあの写真は同じようにあの場所に行って撮っている写真だとは僕も思う。だけど今日撮った写真だとは思わない。」
「!!まさか」
「そ、少し日にちが前後しようが毎年やっている祭ならば今日撮られた写真じゃない可能性もある。だから警察の人に調べてもらうように頼んだ。今回の同じ場所の並び順と、ここ五年間の同じ場所での並び順をね」
「で、探偵コナンはこのトリックがわかったかね?」きみ
「うん、このことを速く刑事さんに伝えないと!!」
「とにかく私は帰らせてもらいますよ!」
「ちょっと待ってください!」
「そうですね。まだ帰られては困りますよ。」
「ホームズ君!!」
「君ねぇ!サーヴァントとか知らないけど。人間ですらないのにしゃしゃり出てこないでいただきたいねぇ。第一ホームズとかほんとにそんな人物ほんとにいたんだろうかも怪しいしねぇ」
「まぁ自分が真実かどうか推理を聞いてからにしてもらいたいですね」
「率直に聞きたい。犯人は?」
「えぇ、横溝刑事が最初から睨んでいる通り、笹井宣一さん。あなたなんですよ。」
「何を言いだしたかと思えば、ばかばかしい。自分にはアリバイがあるんだよ」
「あぁ、「天」と一緒に写っていたあれですか。あの写真は本当に今日撮ったものなんですか?」
「な!?」
「これは本日の祭り会場見取り図です。警察の人に僕がお願いして取り寄せてもらった見取り図だ。これとその写真を見比べて見てください。ほら毛利小五郎さんもご一緒に」
「どれどれ?」
「んーーーーあ!!」
「「「夜店の並んでる順番が違う!!」」」
「そう、笹井さんにお尋ねします。ここは本日のどの位置からとったものなんですか?」
「・・・・・・・・」
「まだ、あります。写真の「天」と他の写真をよく見比べてください。何か違うところがありませんか?」
そして、横溝と小五郎は再び写真を見つめる。
そして・・・
「「・・・・・」」
「あなたの手首はどういうことなんでしょうかねぇ」
「日焼けの後がどこにもないではないか!!」
「「さぁ・・・・いつ撮ったものなのか吐いていただきましょうか」
こうして現行犯で逮捕された。
「いやー伝説で聞いてた通りの名探偵っぷり。大変参考になりました!!」
「いやーこれでも長年顧問探偵を務めていましたからねぇ」
そして、遠くからは。
「君はいかなくていいのかい?」
「マーリンさん・・・いいよ。(まじで凄かった。あれがシャーロック・ホームズの推理力!)」
静かにホームズを見つめるコナンの姿にマーリンは
「これから、大変な苦労があると思うけど頑張って」
「!へ!?なんのこと?」
「ハハハッ!!なんのことかな~」
見事にすっとぼけるマーリンが去っていく方向に視線を向け
「(あれがすべてを見通す千里眼もちマーリンか)かなわねぇな」
苦笑いしながらそうつぶやくのだった。
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