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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第七十七話 ビリー、丈に挑みかかるのことその十一

「方向音痴なのだ」
「だからわからないか」
「こうなったのね」
 香緋もここでわかったのだった。
「成程な」
「中々洒落にならないことだけれど」
「とにかく陣に戻ろう」
 李は真剣な面持ちで二人に話す。
「そうするとしよう」
「そうしたいのは山々だが」
「本当に何処なのかしら」
 こんなことを話しながらだった。彼等はだ。
 あてもなくさすらおうとしていた。しかしここでだ。
 周泰が来てだ。こう彼等に声をかけたのである。
「あれ、どうしたんですか?」
「どうしてとは」
「それは」
「はい、何かあったんですか?」
 何も知らないといった顔でだ。周泰は三人にまた話した。
「こんな場所で一体」
「少し散歩していたらだ」
 李が困った顔になりその周泰に話す。
「ここに来ていた」
「えっ、ここにですか」
「何故か陣を出ていた」
 そうだったというのである。これは本当のことだ。
「どうしてかはわからない」
「俺もだ。一緒にいてだ」
「ここにいたのよ。気付いたら」
 リックと香緋もだ。周泰にこう話す。
「それにしてもここは」
「何処なのかしら」
「ええと、迷子になられたんですね」
 周泰は三人の話を聞いてだ。すぐにこのことを察した。
 そしてだ。そのうえでこう話すのだった。
「それでしたら」
「それでしたら?」
「私物見からの帰りでして」
 自分のことを話してのことだった。それからだった。
「今から陣に帰りますけれど」
「それだったら。悪いけれど」
 香緋がその周泰に話すのだった。
「陣まで連れて行ってくれるかしら」
「はい、いいですよ」
 満面の笑みで答える周泰だった。
「そうさせてもらいますね」
「済まない」
 李がその周泰に礼を述べる。
「それでは。今から」
「陣は何処なのだ」
「こっちです。では一緒に」
 周泰は笑顔で述べた。そうしてだった。
 彼等は陣に戻った。するとである。
 そこではだ。于禁がだ。皆と一緒に札での遊びをしているのだった。
「あっ、皆お帰りなの」
「はい、只今帰りました」
 周泰が笑顔で応える。
「ところで皆さん何をされてるんですか?」
「ポーカーなの。それをしてるの」
「俺が教えたんだよ」
 こう話すのはブラックホークだった。見れば彼が一緒にいる。
「トランプをな」
「ああ、トランプね」
 香緋がそれを聞いて言った。
「それしてるの」
「これかなり面白いの」
 于禁は笑顔で話すのだった。
「もう病みつきになるの」
「いや、そんなに楽しいか?」
 マキシマがこうその于禁に言う。
「こんなの何でもないだろ」
「皆普通にやるぜ」
 ケビンもこう言う。
「こんなのな」
「それでこんなに楽しいって」
「そうか?」
 ブラックホークとマキシマがまた言う。
 
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