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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第七十七話 ビリー、丈に挑みかかるのことその七

「こうします」
「これ、下手したら禿るだろ」
「絶対にそうなるだろ」
 兵達はそのことを心配して言う。
「ボブは大丈夫なのか?」
「禿げないのか?」
「僕は禿げないんです」
 それは心配ないという彼だった。陽気に笑って話す。
「だからできます」
「俺達はそれはな」
「ちょっと止めておくな」
 兵達は尻込みしてだ。それはいいというのだった。
 そしてだ。こうも話すのだった。
「他のにするな」
「そうするな」
 こう言って彼等はそのダンスはしなかった。そしてその彼等の横でもだ。
 別の催しが行われていた。それは。
「あ、そおれ」
 狂死郎であった。
 舞を舞う。その舞いはだ。
「いいなあ、扇と薙刀を使ったな」
「派手で華麗でな」
「いい舞だよな」
 兵達は彼に対してもいいものを見出しているのだった。
 そうしてだ。こう本人にも言うのだった。
「いいぜ、あんた」
「最高だよ」
「確か仕事それなんだよな」
「うむ、そうじゃ」
 その通りだと答える狂死郎だった。しかしであった。
 彼はだ。ここでこう言うのであった。
「だがわしはまだ」
「まだ?」
「まだっていうと?」
「親父殿は超えてはおらん」
 それはだ。できていないというのだ。
「どうもじゃ。それはまだじゃ」
「えっ、それでか?」
「それでだっていうのか」
「まだできていないのか」
「そうよ。それはまだじゃ」
 残念な顔でだ。彼は言うのだった。
「まだできてはおらんのじゃ」
「その舞でできてないってな」
「あんたの親父さんって凄かったんだな」
「そこまでの人だったんだ」
「我が目指すものなり」
 そうだというのである。
「そして必ず乗り越えたいものよ」
「生涯の目標か」
「そういうことか」
「左様、目指すものがあればさらに高みに迎えるもなのであろう」
 自分でそれを分析しての。そうしての言葉だった。
「ではわしはじゃ」
「いいな、その目指すってのがな」
「それがいい結果になるぜ」
「絶対にな」
「よい結果にしてこそであろうな」
 また自分で語るのだった。
「では。さらに舞うぞ」
「ああ、見させてもらうな」
「今度の舞いもな」
 こうしてだった。彼等は狂死郎の舞を見ていくのだった。
 他にもだ。ダックもだった。ダンスを踊っている。そのうえでこんなことを言うのであった。
「いいねえ、祭りがはじまるぜ」
「何か色々いるからな」
 夜血がその彼に言うのだった。
「あんたは俺達より後の世界の人間だよな」
「そうさ、あんた日本人だな」
「ああ、そうだ」
 その通りだと答える夜血だった。今はあの殺伐さはない。
「糞みてえな場所に住んでるさ」
「糞みてえなねえ」
「何時か出たいぜ」
 そしてだ。こんなことを言うのであった。
「二人でな」
「二人?」
「惚れた相手がいるんだよ」
 それでだというのだ。
「それでな」
「へえ、あんたにもそういう相手がいるんだな」
「ただ。何処に行くかはな」
「それは決めてないか」
「何処がいいだろうな」
 こうダックに尋ねるのだった。するとそこにだ。
 
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