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恋姫伝説 MARK OF THE FLOWERS

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第七十七話 ビリー、丈に挑みかかるのことその四

 ビリーが棒をだ。前に突き出したのだった。
「ヒアーーーーー!!」
 するとだ。棒が伸びだ。三段になった。それで中段から攻めるのだった。
 だが丈はそれに対してだ。右手を下から上に大きく振ってだ。
「ハリケーーーーンアッパーーーーーーーッ!」
「それか!」
「この技は俺の基本なんだよ!」
「どういう基本だってんだ」
「俺を使ううえで基本なんだよ!」
 だから出すというのである。
「わかってると思うがな!」
「それならな!」
 ビリーは今度はだった。その棒を使ってだ。
 思いきり高く跳んだ。棒高跳びだ。
 そこから急降下を仕掛け棒を激しく回転させつつだ。丈に襲い掛かる。
「これでくたばりやがれ!」
「ふん、そう来るならな!」
「どうするってんだ!」
「タイガーーーーキーーーーーーーック!」
 力を溜めてそれからだ。
 思い切り斜め上に膝蹴りを繰り出す。全身に気をまとったうえでだ。
 それでビリーのその攻撃をだ。相殺したのだった。
 ビリーはあらためて着地してだ。そうして丈に言う。
「腕は落ちてないようだな」
「御互いにそうみたいだな」
「こっちの世界で遊んでるって思ってたがな」
「へっ、修業は忘れちゃいないぜ」
「だがな、俺もな!」
 ビリーは棒を手にだ。一機に間合いを詰めた。
 丈もそれに応えてだ。今度はだ。
 接近での打ち合いになった。それもまた激しい闘いだった。
 そうした激しい闘いを展開していた。それを見てだ。
 関羽がだ。首を捻りながら言うのだった。
「あの二人は何をしているのだ」
「ああ、あれか」
「あの喧嘩か」
 アクセルとローレンスがその関羽に話す。しかしその前にだ。
 二人はだ。こう関羽に話した。
「俺はアクセル=ホーク」
「私はローレンス=ブラッドだ」
「むっ、そういえばだ」
 その二人を見てだ。関羽はふとした感じで声をあげた。
「袁紹殿のところにいるな、貴殿達は」
「ああ、そうさ」
「今は袁紹殿のところで厄介になっている」
 その通りだと話す二人だった。
「まあ適当にやってるさ」
「それでここにいる」
「成程。それでだが」
「あの二人の喧嘩か」
「そのことだな」
「あの二人はどうしてあそこまで仲が悪いのだ?」
 関羽が言うのはこのことだった。
「仇敵同士なのか?」
「ビリーの妹さんにな。丈の奴が手を出そうってしてるんだよ」
「それでなのだ」
 こう関羽に話す二人だった。
「ビリーは妹さんを凄く大事にしていてな」
「悪い虫が付かないようにだ」
「ふむ、それでか」
 ここまで聞いてだ。関羽も頷くのだった。
 それでだ。まだ闘っている二人を見て言った。
「あそこまで仲が悪いのか」
「ああ、まあ放っておいていいからな」
「どうせすぐに終わる」
 そうだというのである。
「それでまた明日から喧嘩になるからな」
「気にしては負けだ」
「つまり止めないのか」
「ああ。下手に止めたら怪我するしな」
「全く気にしなくていい」
「そうなのか。むっ、済まない」
 急にだ。関羽はここでだ。
 ふと気付いた顔になってこう二人に言うのだった。
「私の名前を名乗り忘れていた」
「関羽さんだよな」
「知っている」
 二人は既にだった。彼女のその名前を知っていた。
 
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