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魔法少女リリカルなのは~とある4人の転生者~

作者:通行人B
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第6話 勘弁してくれ…

 
前書き
書き始めた時はタイムリーだったんですが… 

 
「と言うわけで入学式だぜコンチクショー!ワー、ワー、ドンドンパフパフチェケラッ!」

「サクやん戻ってこーい!」

「ふふふふふ、彼方にこそ栄えあり。避けられぬからこそ逃げるのだ!」

「征服王ならぬ逃亡王さ!?」

「だが、兵どもよ弁えていたか?来るものはいつかは来ると言うことを。ならば私の行く手に貴様が立ちはだかるのは必然であったな入学式!さぁ、逃げられぬ現実を示すがいい。私が手ずから受け止めていせようぞ!!」

「例のシーンさ!?しかも、文体で伝わらないけど入学式を両儀式っぽく言っても格好つかないから!」

「あ、ダメだ。知りもしない台詞口走ってる。なんか電波受信(トランス)してるみたいだね」

「なに悠長に観察してるんさ!やっとのことで、つれてきたのに近づいたとたんサクやんが壊れたさ!」

「その時私は答えを得るのだ。ならば行かねばなるまい。その道筋に何があろうとも!」

「うん、行く気になったのはいいんさ?でも、元に戻ろう?でないと初日からドン引きされるさ!」

「そういうのもいいと思うよ。そうすれば皆にも自分にも忘れられない入学式になるって」

「それは、黒歴史さ!?純然たる黒歴史さね!」

「って、やってられるかボケェエエエエエエエエエ!!」

ハッ!俺は一体何を…

「あ、サクヤが元に戻った」

「長かったさ。冒頭から電波受信(トランス)状態とかしょーもない事態なんて勘弁して欲しいさね」

「サクヤもいい加減に開き直ったら?」

「直れりゃ苦労しないっての…あぁ、公開処刑が待っている…きっとエースもこんな気分だったんだろうな」

「いや、エースに謝るさ!」

「主観の問題だよね。きっとサクヤにとっては校門が巨人に見えてるんだよ」

そう言ってハルが指した先にはこの学校の校門があり、学校名が彫られていた。

「聖祥小学校だっけ?海斗の話だと主人公達が通う学校なんだよね」

「そうさ。物語に積極的に関るにはまずここに入らないといけないさ」

「いや、俺は別に介入する気は無いんだが…」

いや、うん。そんなめんどくさいことやりたくないんだけどな。

「皆が笑って終われるハッピーエンドのためさ。協力してもらうさ?親友」

「いつの間にやらお前と親友になってんだ?」

「それ以前に結界以外能無しの海斗がまともな介入が出来るのかな?」

「それは禁句さ!」

「あ、ごめん」

「俺の財宝か?欲しけりゃくれてやる。探せ!この世のすべてを…」

「ちょっと、サクやん!?また現実逃避するのはやめて!!」

………

……



「というわけで、なんだかんだ言いつつみんな(・・・)そろって同じクラスになったわけだが」

「ほんとにみんな(・・・)だね」

入学式をそつなくこなし(ちぃさんが来賓席に座ってカメラを回していたことに仰天するハプニングがあったが)、クラスの発表を終えて教室に来たわけだが…

「なぜよりにもよってアイツ(・・・)と一緒になってしまうんだ」

途中で合流したハルと俺を待っていたのは…

「テメッ、いつぞやかのモブじゃねぇか!なんだ、今度はなのはだけに飽き足らず、アリサとすずかにまで手ぇ出そうとしてんのか!」

「まだ、そんなこと言ってるんさ?人を俺のもの呼ばわりとは幼稚園児並さね?」

いつぞやかに公園で繰り広げられていたファーストとセカンドの口論だった。なんか、びみょーに数が増えている気がする。で、その近くには少女なのはに加えて紫髪の少女に金髪の活発そうな少女がいる。三人とも今日会ったばかりだろうになんか強固な絆で結ばれているようだ。主にセカンドの被害者として。

「もうやだ…」

「サクヤ、あきらめたほうがいいと思うよ」

「なぜあいつと一緒なのにトウカとは別クラスになってしまうんだ。トウカ、ヘルプ・ミー」

「はいはい。それよりも止めないとまずいんじゃない?みんな怯えてるよ」

口論している2人を中心に一部を除いた全員が遠ざかって関らないようにしている。

「止めるだろ、少女なのはが」

「サクヤはこの前彼女が処理落ちして逃走したの覚えてるよね?」

「人も成長するだろ?俺だって最近はやっとこさ(魔力版)螺旋丸の完成が見えてきたんだから」

「少なくともこういった方向性での成長は認められないと思うけど?」

「めんどくさい。これ止めに入ったら100%の高確率でアイツに絡まれるだろ」

あの手のタイプは邪魔に入った奴をいちいち覚えている執念深いタイプだ。そんなのを相手にするのは骨が折れる。

「…止めてきてくれたらサクヤのデバイス製作ロハでやってあげるけど?」

「よっしゃ、任せておけ!こう見えても俺は仲裁者の異名を持っていたんだぜ?」

悪魔(ハル)の誘惑に即座に折れた現金な俺。やばい、あまりの単純さに泣きたくなってきた。兎も角口論している二人にそっと近づく。

「いい加減にしろ!モブごときが彼女達と俺の関係を邪魔するな!!」

「いい加減にするのはそっちさ!どこをどう見たらそうなるんさ?三人とも嫌がってるさ!」

ずいぶん近くに寄ると口論がヒートアップしていた。こちらに気づいている様子はない。…そろそろ止めるか。

「2人ともいい加減にして欲しい。みんな怯えてる」

息継ぎをしている間に俺が2人の間に割って入る。

「サクやん!?」

「ハァ!?うるせえよ。すっこんでろ!」

海斗のやつは周りの様子に気がついたみたいだが、案の定セカンドの奴が食いついて来た。が、こちらとしても口論を止めるという目標は達成しているので相手にする気はなく、さっさと立ち去ろうとするが、

「待てよ!」

こいつ…さっきの自分の言葉も覚えてないのか。馬鹿なのか?

「すっこんでろ、と言われたのですっこむことにしたんだがなにか?」

「ッ!テメェ馬鹿にしてんのか!?」

「いや、まあそうだけど?」

特に否定することでもないので正直に返す。ちなみにこのときにはすでに我が頭の中から当初の目的…喧嘩の仲裁は忘れ去られていた。人のこと言えない立場になりつつあった。

「ふざけんなよテメェ!」

「ふざけてねぇって真面目だって!」

あんなことを言えばこういう風に一触即発になるのは目に見えているわけで。

「サクヤ何のために行ったんだろ?」

ハルよ…頼むからそれは言うな。聞いてて泣きたくなるから。てか、ほんとうにまずいなこのままだと。どうにかしないといけな…

「何をやっているんですか?」

「「!?」」

…いな、と思っていたら教室に女性の声が響き渡る。どうやら教師が来たらしい。

「チッ、命拾いしたなモブ」

「ああ、そうだな」

教師が来たことで興がそがれたのか、セカンドの奴は俺から離れていった。俺もそのままでいるわけには行かなかったので自分の席に向かう。

「初めまして。これから一年皆さんと過ごすことになる相良愛理と言います。皆さん、困ったことがあったら私に聞いてくださいね」

先程の教師が教卓の前に立って自己紹介をする。どうやら彼女が俺たちの担任らしい。

「早速ですが皆さんには自己紹介をしてもらおうと思います。これから一年ともに過ごすお友達の名前を覚えられるようにがんばりましょう!じゃあ、あいうえお順です。バニングスさんお願いします」

「はい」

と言って、立ち上がったのは先程のセカンドの被害者グループにいた金髪の少女だ。

「アリサ・バニングスよ。これから一年よろしく!」

…バニングス?昔やってたゲームでそんな名前のトンファー使いがいたような気が…

「…じゃあ、次は高町さんおねがいします」

「ふ、ふぁい!高町なのはって言います!よろしくお願いします!」

考え事してたら気がつくと俺の2人前まで来ていた。うちのクラスにタ行から始まる奴が少ないせいだろうか、何の因果か俺の目の前に先程の紫髪の女の子、その前になのはという順番になっている。

「月村すずかです。本を読むことが好きです。よ、よろしくお願いします」

俺の前の女子、月村すずかまで順当に…月村?またしても聞いた様な名前だな。たしか姉さんの学校の後輩にそんな名前の人がいたような…

「じゃあ、次は…東堂君」

と、いかんいかん。俺の番が来ている。

「東堂朔也と言う。一年の間だがまあ、よろしく」

とりあえず、無難に挨拶を済ます。

「えー、皆さんこんにちは。西島晴信といいます。さて、そんなことより僕は皆さんに一言言っておきたい!僕はただの人間に興味はない!もしこの中に魔導師、てん…ベゴォ!」

「ハイ、アウト!」

なんだかハルの自己紹介を続けさせておくとどうにも危ないと俺の直感スキルが悟ったらしく勝手に我が左手が隣に座るハルの鳩尾を捕らえた。

「あ、あの東堂君?西嶋君が…」

「ああ、気にしなくて平気です。(発言内容は)いつものことですから」

気絶してしまったハルに心配げな様子を見せる相良女史を引き下がらせる。そして、ハルの順番を回って一番の問題児、セカンドの番になる。

「みんな、俺は北郷一輝っていうんだ。よろしく。あと、俺の嫁達に手を出したら許さんからな!」

といって、『俺の嫁達』…なのはをはじめとする三人組に視線を向ける。もっとも三人そろってガン無視を決め込んでいたが。

「南海海斗さ!一年間よろしく頼むさ!」

その後、海斗の自己紹介も終わり、お開きになったのだが…

「なのは、アリサ、すずか俺と一緒に帰ろうぜ!」

セカンドの奴がやはりというかあの三人をナンパしはじめた。どっからどう見てもあの三人嫌がってるな。特にアリサ、だったか。生理的に受け付けないとかの表情だぞそれ。

「あ、わたしは迎えがあるから遠慮するね」

「わたしも同じく」

「わたしもお兄ちゃんが来てるから無理なの」

「なら、」

「「「さようなら!」」」

案の定、すずか、アリサ、なのはの三人が拒否って迅速に教室を後にした。…あいつらなんつー速さだよ。セカンドに返答させる間もなく立ち去りやがった。

「おかしいな。普通なら迎えを断ってでも一緒に帰るはず…」

いや、何もおかしくはない。何をどうしたら変態と一緒に帰るのを優先する馬鹿がいるのだろうか。強いて言うならそう考えるお前の頭のほうがおかしい。

「ぷ、ぷはっははっはは!」

そんなセカンドの台詞に当てられたのか、厄介なことにハルの奴が大爆笑しだした。…ああ、またか。しかも今度はお前なのか。

「あぁ!?何笑ってんだよ!」

「ぷくくくく、いや、ゴメン。あまりにも、見当違いなことを言ってるもんだから、つい。ぷははっははははは!」

「クスクス」

ハルの笑いに釣られたのか海斗まで笑い出しやがった!

《ブチッ》

と、気のせいか何かが切れる音が聞こえた(気のせいではない)と同時に、

「ふざけんなよテメェら!!」

セカンドがそうそうにキレた。

…小学校初日がクラスメイトの初ギレとか勘弁してくれ。 
 

 
後書き
よっしゃ!あともう少しだ!あともう少しで戦闘に入れる…ハズ。
がんばります。  
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