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ヘタリア大帝国

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TURN24 バトルオブエイリスその九

 ドクツ軍は撤退に入る。その後詰はマンシュタインだった。
 その彼の旗艦アドルフ号を見てだ。イギリス妹がセーラに言った。
「陛下、ここは」
「追撃はですね」
「敵の殿軍はマンシュタイン元帥です」
「あのドクツの灰色の熊ですね」
「下手に追撃を仕掛ければ無駄に損害を受けます。それにです」
 それに加えてだった。今のエイリス軍は。
「損害が大き過ぎます。追撃を仕掛けるにもです」
「無理がありますね」
「はい、ここは追撃はしない方がいいです」
 イギリス妹は参謀的にセーラに述べた。
「そうしましょう」
「それでは」
 こう話してだった。エイリス軍は追撃は行わなかった。だが、だった。
 彼等は勝った。勝利の声が全軍に木霊した。
「勝った、勝ったんだ」
「俺達は勝ったんだ」
「エイリスを守り抜いたぞ」
「陛下、我々は勝ちました」
 エクスカリバーを発動させて決定的な勝利を呼び込んだロレンスがセーラに言ってきた。
「国を守り抜きました」
「そうですね」
 セーラはほっとした顔になっていた。その顔でロレンスに述べたのである。
「私達は。勝ちました」
「確かに損害は多かったです。ですが」
 勝ったと。ロレンスは笑顔でセーラに述べた。全軍の喜びの声が凱歌だった。
 そしてその凱歌の中でセーラは微笑み。そのうえでだった。
 玉座に崩れ落ちそうになる。しかしその彼女を。
 イギリスは素早くそこまで瞬時に移った。エイリスの艦艇の中も領土になる為それが可能だった。
 彼はセーラを後ろから抱き抱えてだ。こう言うのだった。
「ったくよ。こんな頑張り屋の上司なんてはじめてだぜ」
「全くですね」
 その横にだ。妹も来ていた。兄に続いて妹もセーラの身体を抱き抱えていた。
 そのうえでだ。妹は兄に言った。
「少し休んでもらいましょう」
「そうだな。女王さんはよく頑張ってくれたよ」
「頑張り過ぎです」
 珍しくだ。イギリス妹は苦笑いになっていた。
 普段はすましているその顔をそうさせてだ。兄に言うのだった。
「御自身を。もう少し大切にして欲しいですね」
「全くだ。とにかくだ」
「女王陛下にはお休みになって頂いて」
「祝勝会の準備をしようか」
「じゃあ姉様がお休みの間は私に任せて」
 マリーがモニターから二人に言ってきた。
「パーティーの準備するね」
「ああ、悪いけれど頼むな」
「まだ戦いは続きますけれど」
「よし、それじゃあな」
「今は」
 二人は笑みでマリーに言った。そしてだ。
 ロレンスも笑みを浮かべて己の乗艦にいた。その彼にだ。
 モニターからモンゴメリーがこう言ってきたのだった。
「我が国は救われた様だな」
「モンゴメリー殿、その通りです」
 ロレンスはその知的かつ穏やかな笑みでモンゴメリーに答えた。
「御聞き下さい、この喚声を」
「聞こえている。皆本当によくやってくれた」
「北アフリカのお話は聞きました」
 ネルソンもロレンスの乗艦のモニターに出て来た。そのうえでモンゴメリーに言った。
 
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