レーヴァティン
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第百二十八話 博多からその五
「そうしてでござる」
「今も飲んでいるな」
「この通り、お刺身に鍋に揚げものと」
その河豚料理達のことにも言及した。
「酒に合うものばかりでござるし」
「尚更だな」
「飲んでいるでござる」
こう言ってまた飲んだ。
「酒が進み過ぎて怖い位でござる」
「今ではか」
「そうなったでござる」
言いつつまた飲むのだった。
「この通り」
「そうか、では俺もだ」
英雄も盃に口を近付けた、そうして彼も飲み。
もう一杯自ら入れて飲みそれからまた言った。
「楽しもう」
「飲まれて」
「そうする、俺もこの世界に来てからな」
英雄自身もというのだ。
「こうしてだ」
「飲む様になったでござるか」
「そうなった、これまで以上にな」
まさにというのだ。
「日本酒を飲む様になった」
「この酒の美味さは」
「この世界に来てだ」
そうしてというのだ。
「あらためてだ」
「知ったでござるか」
「そうなった」
「左様でござるか」
「この浮島ではそもそもな」
「酒はでござるな」
「これが殆どだな」
日本酒がというのだ。
「ほぼ」
「そう言われると」
「そうだな」
「はい」
智はその通りだと答えた。
「まさに」
「だからだ」
「尚更でござるか」
「この酒を飲んでいる」
「そうなるでござるな」
「しかし今飲んでいるのは清酒だが」
「濁酒もでござるな」
智は英雄の言うことを察して言った。
「飲まれるでござるな」
「そちらもな」
「この世界ではどちらもあるさかいな」
耕平も清酒を飲みつつ言った。
「どっちも楽しめるな」
「そうだな」
「それがええな」
「清酒には清酒の味がありだ」
「濁酒には濁酒のな」
「味がある」
それぞれの味があるというのだ。
「そしてだ」
「自分はどっちも好きやな」
「そうなる、そして米も」
酒を造るこれもというのだ。
「白米だけではないな」
「ああ、そのことな」
耕平は英雄の今の言葉に気付いた顔になって言った。
「この浮島やとな」
「米はな」
「赤米もあればな」
「黒米もあるな」
「そうだな」
「これな」
その米についてだ、耕平は話した。
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