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ヘタリア大帝国

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TURN23 タイの話その十

「日本を囲むわ。太平洋諸国で完全に包囲するわ」
「そして降伏させるんだな」
「今エイリスが負けたらね」
 そうするというのだ。
「そうなってもらうわ」
「そうか。それはそれでいい流れになるんだな」
「ガメリカにとってはね。そして勝てばね」
「このままだな」
「日本にエイリス領を占領してもらうかエイリスに消耗してもらってね」
 そしてだというのだ。
「後は一緒よ」
「そうなるんだな」
「ええ。ただフィリピンさんは」
「今来たわよ」
 アメリカ妹は部屋の扉が開いたのを見てハンナに話あした。
「丁度いいタイミングね」
「そうね。フィリピンさんいいかしら」
「戦争のことかな」
「ええ。まあ一緒にピザ食べて」
 ハンナはフィリピンを自分達の食事に誘った。フィリピンもそれを受けてだ。
 席に着く。そのうえで彼もピザとコーヒーを飲み食いする。その彼にだ。ハンナは言った。
「日本軍がフィリピンに来て。対処できなかったらね」
「撤退するんだね」
「一時そうしてもらうわ。ハワイまでね」
「わかったよ、じゃあその時はね」
「日本をそこで倒せたら一気に日本本土まで侵攻ね」
 キャロルも楽しげに話す。
「で、ソビエトに向かってもらってね」
「エイリスはこの戦争で間違いなく消耗するわ」
 ドロシーはエイリスについて淡々と述べた。
「今のドクツとの戦いに勝っても」
「今の時点で植民地の艦隊まで動員しちゃってるしね」
 キャロルは楽しそうにこのことを指摘する。
「生き残っても植民地維持できるかしら」
「維持をさせないのよ」
 ハンナはシビアにだ。そうすると言い切った。
「その為に私達が仕掛けるからね」
「どうなってもエイリスは東南アジア、オセアニアを失うわ」
 ドロシーがまた言う。
「そしてその後は」
「あの、ただ問題は」
 この場でははじめて言葉を出すクーだった。
「日本をどれだけ叩くかだけれど」
「日本にはこの戦争の後でソビエトと対峙してもらうわ」
「じゃあ。それなりの国力を残しておかないと」
「日本に対しては限定戦争を仕掛けるわ」
 ハンナは悠然とした姿勢でクーに述べる。
「特に恨みもないしね」
「それに危険な思想も持っていないから」
「プレジデントは違う考えみたいだけれどソビエトは危険よ」
 財閥の代表者としての立場からだ。ハンナも他の四姉妹の面々もそう見ていた。
 そのうえでだ。彼女はアメリカに言うのだった。
「祖国さんもそこはわかってくれてるわね」
「当然だ。それにロシアじゃないか」
「そう。ただ共有主義があるだけじゃないのよ」
「ロシアは敵だぞ、ガメリカにとって最大の」
 アメリカはハンナに対して力説する。
「それに日本と僕はあまり何もないぞ」
「日本帝国は太平洋経済圏にいて何の問題もないわ」
 ハンナもだ。日本についてはこうした考えだった。
「むしろ下手に弱くなってもらったら困るわ」
「あたし達でロシアをぶん殴ったら駄目なのかい?」
 アメリカ妹はハンナにこう尋ねた。
「そっちの方がわかりやすいと思うんだけれどね」
「それも手だけれどね」
「不都合でも?何か」
「今すぐにそれはするべきではないわ」
 ハンナはアメリカ妹に対しても先の先を見ているその青い目で述べた。
「まずは太平洋経済圏の確立よ。それにソビエトとの直接対決はリスクが大きいわ」
「それでなんだね」
「ロシアだけでも厄介だけれど」
 それに加えてだというのだ。
「ウクライナやベラルーシもいるわね」
「後はバルト三国だね」
「しかも冬将軍もあるわ。暫くは日本帝国だけでやってもらうわ」
「というかね。日本にはちょっと苦労してもらわないとね」
 キャロルが少しばかりむっとした顔になって言ってきた。 
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