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ヘタリア大帝国

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TURN23 タイの話その七

「ムッチリーニ総帥はな」
「私もよ。それにレーティアはイタちゃん達も子豚ちゃん達も好きよね」
「プロイセン君が特にそうだが憎めないのだ」
 プロイセンはドクツの中でも随一の親イタリン派なのだ。そしてレーティアも実はだった。
「あの国の全てがな」
「好きなのね」
「いい国だ。食べ物も美味しければ気候もいい」
「そして奇麗な風景に建物」
「ドクツにはないものが全てある」
「イタちゃん達も可愛いわね」
 グレシアもイタリア達が好きだった。彼等のことを話していてにこにことなっているのが何よりの証だ。ドクツは感情的にイタリンが好きなのだ。
 レーティア自身もだ。しかしだった。
「だが兵器も提督達もだ」
「なってないっていうのね」
「黒ビキニの提督も問題だが」
「兵器も酷いものね」
「あれで勝てるのか」
 甚だ疑問だというのだ。
「エイリスも強いのだぞ」
「彼等も馬鹿じゃないわね」
「そして極端に楽観的でもない」
「戦場でも逃げないし」
 楽観的で逃げるんはどちらか。言うまでもなかった。
「手強い。ましてや北アフリカにも騎士提督が赴いている」
「油断できないわね」
「マンシュタインかロンメルを援軍に向かわせたいが」
「その余裕がないわね、我が国も」
「エイリス相手に戦力が一杯だ」
「ここで一個艦隊でも減らせば」
「勝てない」
 エイリスにだ。そうだというのだ。
「間違いなくな」
「私もとりあえず艦隊を率いようかしら」
「祖国君からの愛情を受けてか」
「ええ。それに貴女もそうする?」
「そうするべきか。しかしここで二個艦隊は大きいがだ」
「それでもなのね」
「楽観はできない。まして私達が艦隊を率いてもだ」
 それでもどうかと。レーティアは悩む顔で述べていく。
「それは予備兵力にしなければならない」
「そうね。その時はね」
「だが二個艦隊。私達の分も用意しよう」
 早急にだ。このことも行うことが決まった。
「今ならまだ間に合う」
「ええ、それじゃあね」
「イタリンには不安だが期待しよう」
 そうするしかできなかった。彼等の国ではないからだ。
「ではだ。我が国はこれよりだ」
「エイリスとの決戦ね」
「それに入る」
「それで作戦名は何にするのかしら」
「作戦名か。そういえば決めていなかったな」
「それはどうするの?」
「そうだな」
 ここでだ。レーティアはだ。
 部屋の中のぬいぐるみの一つ、海驢のそれを見た。そしてこう答えた。
「海驢だ」
「海驢ね」
「そうだ、作戦名を海驢作戦とする」
 咄嗟にだ。それにしたのである。
「海驢作戦だ。いいな」
「わかったわ。では今から海驢作戦をね」
「発動する。いいな」
「ええ、では今より」
「海驢作戦発動!勝利をこの手に!」
 レーティアが言いだ。早速だった。
 ドクツ軍はエイリスに向かった。その中にはだ。
 ドイツもいた。彼は己の旗艦の艦橋で腕を組んでいた。そうしてだ。
 モニターに映るプロイセンにだ。こう言ったのだった。
「いよいよだな」
「ああ、エイリスをぶっ潰すか」
「まさかここまで一気に行けるとは思わなかった」
「だよな。それでだけれどな」
「何だ」
「相棒、最近どうなんだよ」
 プロイセンはドイツに対してだ。彼のことを尋ねたのである。
 
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