見事四連敗
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第二章
ソフトバンクはクライマックスの勢いをそのままシリーズにぶつけてきた、巨大戦力とさえ言われる選手層をごく一部の生え抜きと『獲得』した他球団の選手のみの主力だけで控えも若手も乏しい巨人に野球は何かということをこれでもかと見せつけ。
監督である工藤公康も試合を読み次々にこれこそ野球という采配を繰り出した、対する巨人は広島から『獲得』し優勝の立役者となった丸も他のバッターもまるで機能せず。
エラーや四球が確実に失点となり無様に傷口を拡げてばかりであった。そして四戦目にしてだった。
何もいいところはなくソフトバンクに目の前で優勝を決められた、日本一どころか野球の質の違いもっと言えば他チームからの選手の『獲得』のみのチームと補強だけでなく育成もしっかりとしているチームの違いを見せつけた。野球とは何かそして野球をわかっていないフロントが如何に有害であるかを天下に知らしめた実に素晴らしい敗北劇であった。
この巨人の素晴らしき敗北に伊東も照井も荒れた、それでシリーズ前に飲んでいたバーで二人でくだを巻いた。
「何かの間違いですね」
「そうだよ、巨人が負ける筈があるか」
「これは何かありますね」
「ない筈ないだろ、何が野球の違いだ」
「巨人絶対有利だったのに」
「あんな九州の連中に負けるなんておかしいだろ」
二人でこう言って飲みまくり荒れ狂い。
遂には店で暴れだした、それで警察に通報され暴行と器物破損、傷害に猥褻行為の現行犯で逮捕された。
二人が警察に連行されていく姿はネットで話題になった、二人共泥酔すると服を脱ぐ癖もあったので全裸で連行されたので危ない部分にはモザイクまで入っていた。
そのうえで連行された二人は所属事務所から即刻解雇されテレビの出演が取りやめになったりした分の損害賠償を請求されこれまで稼いだ金も全て失いテレビから完全に消えた、野球ファン達はそんな彼等を見て実に愚かな連中だと笑った。
そして巨人も観て同時に嘲笑した。
「他のチームから選手掠め取るだけで勝てるか」
「一年位は勝ててもそれで終わりだよ」
「それで何が盟主だってんだ」
「黄金時代再びとか言うなら選手育成するんだな」
「そんなことだから四連敗するんだよ」
「結局巨人は選手層が薄いんだよ」
四連敗した巨人を嘲笑した、そうしてまた『獲得』に乗り出すと聞いて余計に笑った。そして願わくば巨人は未来永劫負け続けて欲しいと願った。巨人には無様な負けがよく似合いその無様な姿を見て自分達は元気が出るからこそ。
二〇一九年は令和元年であると共に非常にいい年だったと言われている、それは本当の野球を知らない巨人が日本シリーズで四連敗したからだという。彼等の負ける姿が実に恰好悪くそれを観た真に野球を愛する者達が心から喜んだからこそ。だが彼等はさらに思った、巨人はシリーズに出るよりも未来永劫最下位であるべきだと。それこそが巨人に相応しい姿と思えばこそ。
見事四連敗 完
2019・11・6
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