レーヴァティン
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第百二十七話 統治の仕組みその九
「片っ端から征伐していく」
「その賊共ですが」
老図鵜の中から栗橋が言ってきた。
「降る者がです」
「増えていっているな」
「日増しに」
「大して罪を犯していないならな」
「人を殺める等」
「多少の盗み程度は大目に見る」
その様にしてというのだ。
「そしてだ」
「降った者達を兵に入れたり」
「開拓の場に送ってだ」
「そこで開墾等をさせて」
「そこに住ませる」
その開拓村の村人として、というのだ。
「街でもいい」
「そうしていきますか」
「俺は確かに悪党には容赦しない」
このことは久志も同じだ、二人共極悪人は容赦なく酸鼻を極める処刑で以て成敗していっているのだ。
「だがな」
「それでもですね」
「大した罪でないなら」
「大目に見られますね」
「そうされますね」
「そうだ、そこは見る」
犯した罪の具合はというのだ。
「俺もな」
「それでは」
「賊達もですな」
「大罪を犯していない者ならば赦し」
「軍勢に入れるか開墾等をさせる」
「そうしていかれますか」
「賊を全て滅することもない」
そこまでの強硬策は採らないというのだ。
「硬軟両方でな」
「左様ですな」
「では賊達については」
「その様にしていき」
「政に組み込みますか」
「獣使いが使える魔物や獣もな」
彼等もというのだ。
「普通にだ」
「軍勢に入れますか」
「そちらも」
「そしてそのうえで」
「軍勢をさらに強くしていきますか」
「魔物や獣は種類によるが強い」
英雄は一言で言った。
「ならだ」
「その力を使わない手はないと」
「この浮島ではどうも魔物や獣を軍勢に入れることはあまりないですが」
「それでもですか」
「入れていきますか」
「そうする、そしてだ」
英雄はさらに話した。
「より強い軍勢にする、だがこの浮島には天馬や竜はいないな」
人を背に乗せて戦う生きもの達はというのだ。
「そういえば」
「はい、おりませぬ」
「そうした生きもの達は」
「西の浮島にもです」
そちらにもとだ、老中達も話した。
「おりませぬ」
「そうした浮島ということです、どちらも」
「成程な、文献ではだ」
英雄はデルフォイで読んで得た知識を思い出しつつ述べた。
「そうした生きもの達もだ」
「その世界にいる」
「そう書いてありましたか」
「そして人もだ」
英雄はこちらの話もした。
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