とある星の力を使いし者
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第3話
今の美琴が持っている全ての電力を超電磁砲に込めて麻生に放つ。
(しまった!!!)
超電磁砲を放ってから美琴は自分のした事にようやく気付いた。
全電力を込めた超電磁砲は凄まじい貫通力と威力をほこる。
美琴は何とかして超電磁砲を止めようとした時だった。
麻生が右手を超電磁砲に向けてつき出す。
「熾天覆う七つの円環」
麻生がそう唱えると麻生の目の前に7つの花弁が麻生を守るように展開される。
超電磁砲が熾天覆う七つの円環にぶつかり凄まじい音を発し、そのまま超電磁砲が威力を落としていき最後には消滅する。
熾天覆う七つの円環
投擲武器や、使い手から離れた武器に対して無敵という概念を持った概念武装。
美琴はそれを見てペタンと尻餅をつく。
体内の電気が無くなり力が出ないというのもあるが、それ以上にあの威力の超電磁砲を防いだ事に驚いているのだ。
「ふむ、一枚も壊せず・・か。
一枚は破壊できる物だと思っていたが少し期待外れだな。」
麻生がそう呟くと同時に麻生を守っていた花弁が砕け散る。
麻生は美琴が尻餅をついているのを確認すると、ゆっくりと絶世の名剣を左手に持ち近づく。
(まずい・・・今は電池切れで動けない。
それにさっきの攻撃を考えると私は何をされても言い返すことが出来ない。)
美琴は自分の身に降りかかる最悪の事を思い浮かべる。
麻生は美琴の前に立ち剣を振り下げる。
「っ!!!」
美琴はぎゅっ!!と目を閉じる。
しかし、襲ったのは剣で斬られる感触ではなく、凄くいい音と同時に思いっきり何かに叩かれる痛みだった。
「いったぁぁぁぁいいい!!!!」
自分が想像してた痛みとは全く違う痛みが来たので驚き目を開ける。
すると、さっきまで剣を持っていたのに麻生の手にはハリセンを持っていた。
「え・・・何が・・・どうなって・・・・・」
あまりの状況の変化に美琴の思考回路がついていけてない。
「これで分かっただろう。
お前じゃあ俺には勝てないよ。」
「へ?・・・・」
「だからお前は俺には勝てない。
もう俺を追い掛け回すことはするなよって言っているんだ。」
いつの間にか持っていたハリセンも消えていた。
じゃあな、と言って麻生は帰ろうとする。
「ちょ・・ちょっと待ちなさいよ!!!」
美琴の呼びとめを聞くかように足を止め美琴の方に振り向く。
「わ・・私は今電池切れているから動けないのよ!!
こ・・・こんな所に私を置いていく気!!!」
「自業自得じゃあ「うっさいわね!!!!」・・・それだけ元気があれば一人で帰れそうに思えるだが・・・・」
麻生は少し考えてから大きくため息を吐き、美琴に近づくと美琴をお姫様抱っこし始めた。
「ちょっと!!!!
あんた何しているのよ!!!」
「何ってお前を寮まで送るんだよ。
お前の回復何て待ってられない。」
麻生の腕の中でぎゃあぎゃあ言いながら騒ぐ。
麻生は絶対一人で帰れると思いながらも美琴を下ろそうとしなかった。
「ぎゃあぎゃあ喚くな。
これ以上暴れたら本気で置いていくからな。」
その言葉を聞いて美琴は頬を赤く染めながら納得しない表情をして騒ぐのを止める。
「それで寮の場所は?
この後に及んで寮は学舎の園の中とか言ったら置いて帰るからな。」
学舎の園。
第七学区南西端に存在する、常盤台中学を含む五つのお嬢様学校が作る共用地帯。
お嬢様が通う寮なので当然ながら敷地内には五つのお嬢様学校に関わる少女しか居らず(教職員は不明)、バスの運転手も女性。
また、敷地内には全二四五八台もの監視カメラが配備されているらしい。
さすがにそんな所に行くのは面倒だと麻生は思う。
幸いにも美琴が住んでいる寮は学舎の園の外らしく此処からそう遠くはないらしい。
美琴に道を聞きながら歩いていく。
「ねぇ、何個か聞きたい事があるんだけど。」
「何だ?」
「私の電撃はどうやって防いでいるの?」
美琴は自分の電撃をどうやって防いでいるか聞きたかった。
それを聞けば麻生の能力について何か分かるかも知れないと思ったからだ。
「ああ、あれは俺の前に空間の壁を作っているんだ。」
「空間の壁?」
「簡単に言えば見えない壁があると言ったところか。」
空間の壁とは空間移動が三次元的空間を移動するのに対し、麻生が作った空間の壁とはその三次元的空間を利用してそれを壁として防御する事だ。
しかし、決して絶対防御ではなくある程度の威力を受けると貫通する。
美琴は空間を使うと言う事は空間移動の能力関係なのか?と考える。
「これが一番の本命。
あんたの能力の名前は?」
美琴が一番知りたい事を麻生に聞く。
「教えない。」
「どうしてよ!!!」
「お前は俺に勝ってないし何よりこの能力を教えたらもっと面倒な説明をしないといけないから教えない。」
質問終わりと言わんばかりに口を閉ざす。
美琴も最初方は教えろと何度も聞くが答えが返ってこないのであきらめる。
(けど、どんな能力であれこの私を簡単に退けた。
そしてこいつは身体検査では無能力者と出ている。
本当に身体検査を受けたのかしら?)
美琴が色々考えている内に美琴が暮らしている寮が見えてきた。
美琴は動けるまで回復したのを確認する。
「此処でいいわよ。
私も動けるし何より他の生徒にこの光景を見られると色々面倒な事が起こるしね。」
美琴の言葉を聞いて麻生は美琴を降ろす。
すると麻生はすぐに振り返り帰ろうとする。
「あ・・あの!!」
「まだ何かあるのか?」
「その・・・・ありが・・・とう・・・」
「何だ、よく聞こえないぞ。」
「次に会ったときは絶対勝つって言ったのよ!!!!!
それじゃあね!!」
ドンドンと言う足音が聞こえそうな足踏みで自分の寮に帰る、美琴。
(ありがとうね・・・俺に礼を言っても意味がないのにな。)
美琴の言葉をちゃんと聞いてた麻生は少し暗い顔をすると自分の寮に戻るのだった。
「あ~~~~~、疲れた!!」
美琴はそう言うと同時にベットに転がる。
「あら?お姉さま、帰ったのですね。」
いつもは茶髪をツインテールにしているのだが、お風呂上りなのかその髪は下ろしている。
彼女の名前は白井黒子。
常盤台の一年生であり美琴のルームメイトである。
「もうすぐ寮監の見回りもありますしちょうど帰ってきてくださったので都合が良かったですわ。」
「あ~ごめん黒子。
ちょっと疲れたから寝るわ。」
おやすみなさいと言おうとしたがすでに美琴は寝ていた。
次は絶対に・・・と寝言言っているがその表情は少し笑顔だった。
「またあの殿方と何かあったのですね。
黒子は心配ですわ。
お姉様に悪い虫がついているのではと思い・・・・」
と寝ている美琴に言っても意味がないと言葉を止める。
そして白井はある人物の事を思い浮かべる。
(もしかしてお姉様が追い掛け回している殿方はもしかしてあの人なのでは?
・・・・・考えすぎですわね。)
白井はそんな偶然がある訳がないと思い、自分もベットに転がるのだった。
後書き
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